リリカルな日々

いろいろな出来事に対して、自分なりに感じ、考えたこと書いてます。

憂うことなかれ!

2006-02-27 22:50:34 | 我思う
トリノオリンピックが幕をおろす前日、愛読してる読売新聞で、こんな編集者の一節を見つけた。

昨年死去した歌人の塚本邦雄さんが正と負について語ったことがある。近代短歌が禁忌として避けた技法を大胆に用い、生前は「負数の王」という異名もあった人である◆「負数の王で結構だ」と塚本さんは言った。「負の10と負の10を掛けると正の100になる。その100と、正の10を10個集めた100は違う。正を積み重ねたものには陰翳(いんえい)がないのだ」と◆トリノ冬季五輪のフィギュアスケート女子で金メダルを手にした荒川静香選手(24)の笑顔を眺めながら、歌人の言葉を思い浮かべた。荒川選手のたどった道にもいくつかの負数がある◆前回のソルトレーク五輪では選に漏れた。2年前には引退に心を揺らしている。今季の国際大会では15歳の中学生、浅田真央選手に2連敗し、プライドに傷を負った。掛け算の符号は、悔し涙をかみしめる奥歯のあたりに宿っているのかも知れない◆若手が伸び悩み、ベテラン勢には疲れが見え、深いため息とともに日を重ねた祭典も、まもなく幕を閉じる。ひとりひとりが、陰翳の刻まれたなにがしかの負数を持ち帰ることだろう
(2006年2月25日の読売新聞の編集手帳より)

失敗や、挫折は決して裏切らない。
もっと人生転んでみたり、遠回りする価値ありだと思わされた記事だった。

私の持論。
この世の全ての出来事に無駄はなく、最後に全てがリンクする・・・・。

私の好きな時間

2006-02-22 20:33:58 | 好きなもの
一日の中で私が最も愛しい時間帯。それが夕暮れ時である。
今日という一日が無事終えることに、全てのものが「ほっ」と一息つく息遣いさえ聞こえてきそうなとても安らいだ優しい時間。

或る人は帰りの家路を歩きながら、また或る人は電車の中やオフィスの窓辺にて一服しながら、それぞれが安息の思いを抱き物思いに浸れる、そして人間らしさを取り戻すひと時だと思っている。

特に私がお気に入りの夕焼けは、太陽が沈む寸前、紫がかり始めた空に朱色が必死に抵抗してる感じのもの。余談だが、そんな夕焼け空には、椎名林檎女史の「茜さす帰路照らされど・・」を聴く事をお勧めする。これを聴いてると何故だか泣きたくなる気持ちにさせられるから不思議だ。聴いたことがない人がいたら是非お試しあれ!

さて、話はそれたが、私が夕日が好きな理由のもうひとつに、ノスタルジックな思いに浸れるというのがある。幼い頃、友達と遊んでいると、それぞれのお家から夕食の支度の匂いが漂って、家が急に恋しくなり慌てて帰った道々見た夕焼け。
パートに出かける母を妹と2人で、母の乗る車が見えなくなるまで手を振り見送った時、いつも背中にあった少し切ない夕焼け。
部活中、先生に叱られながら悔し涙に歪んで見えた夕焼け・・・・・。

夕焼けを見るたびにタイムトリップする幼き日々の思い出の数々は、私がこの30年間、そのときの年齢・環境・おかれた状況ごとに抱いた感情を、その都度夕焼けに焼き付けてきた所以だろう。あの茜色に染まる夕空に、私の思い出が詰まっているといっても過言ではない。

思い出す「思い出」があること、そして何の心配もなく夕焼けを見て浸れる平和な国にいること。それだけでも私の人生なかなか良いもんだ!と思う、このごろである。



お金について

2006-02-08 00:05:47 | 我思う
最近CSTVで再放送している、「百万男」という番組を見ている。
無作為に街にいる1人を選び、「百万をあげるから5時間以内に使い切って下さい」という驚きの太っ腹番組だ。
見ず知らずの人から突然お金がもらえるという常識的にはありえない状況に、みんな最初は警戒し、ポカンとするのだが、その後の行動のとり方に人間性が出てくるのだ。
お金というものを通して、人間ひとりひとりの価値観・物に対する執着心・人生観までもがくっきりと浮き彫りになるので、テレビを見てるこちら側が怖いくらい!
とりあえず基本的なルールとしては、
①必ず5時間内に使い切る
②他人に何かを買ってあげたりプレゼントするというのはダメ
③付加価値のないものには使ってはいけない
④移動費(タクシーや飛行機)はOK!
⑤途中やめてもいいが、やめた場合、100万そろえて返さなくてはならない
くらいなもの。

これまでに何本か見たが、或る者は食べ物に執着を見せ、また或る者は高級ブランド品・電化製品を購入しまくる。
また或る者は、飛行機に乗って地元の北海道へ帰郷する。
見ていて分かったことだが、調子よく使い始めても皆一度くらいは、「このまま続けるべきかどうか」立ち止まって考える時間がでてくる。(ま、数人は何の疑問も抱かず、ためらわず一気に買い物してる輩もいるが・・・・ま、そういう輩は俗に言う「チャラ男」に見られる傾向がある)

先日選ばれた「百万男」も、今までのケース同様、50万ほど使い終えるとやはり悩みはじめた。
彼曰く「欲しかったものがこんなに簡単に手に入ってしまうと、なんか違う気がして」とのこと。
その後彼は、買ったものを全部返品して100万そろえて番組に返してリタイヤをした。
最後に彼が何故リタイヤしたか聞いてみたら「去年亡くなった親父に申し訳がない、親父に胸を張れない恥ずかしい生き方はしたくない」との理由だった。
また、食欲に走り、満腹中枢が満たされるまで食べ続けた「百万男」は途中「1人で食べてても面白くない。食事って皆で食べるからおいしいんだと思う」という言葉をこぼしていた。

番組の最後、ナビゲーターである、作家 筒井康隆が言う。「お金とは一体何なのだろう・・・」

番組をみてると良く分かるが、「お金」とは結局ただの「手段」であり、それがあるから幸せだという定義はなりたたない。
「お金」をとおして見えてくる、本当に自分の求めるもの。
自分の求める生き方を悟り、それを貫けたとき、初めて人は幸せだと感じるものなのだろう。
私は「死んだ親父に顔を見せられない生き方はしたくない」といった百万男こそが、幸せに一番近い人間だと思った。

ナウシカについて語る!

2006-02-05 13:24:06 | 我思う
もう、何回これを金曜ロードショーで見たことだろう。
主人公のみならず、脇役の台詞まで覚えてしまってるほど何度となく見て、あらすじもぜ~んぶ分かっているのにもかかわらず、新聞のテレビ欄にこの作品の題名が載るたびに、毎回毎回「見なくては!!」と思わされてしまう。
てな訳で、先日もまたまた見てしまった(笑)「風の谷のナウシカ」。

自分のことより他人を常に気遣うことが出来るナウシカ。
小さいものや、声無き者への敬意を忘れないナウシカ。
敵・味方関係なく、全ての命を助けることが出来るのなら、限界まであきらめないナウシカ。

ナウシカは、自分の中に常にちゃんとした尺度を持っている。
人間、腐海の虫達、いずれも変わらず皆同じ『命』の重さだということを・・・。
その上で、何が正しくて、何を憎むべきなのかを解っている。

自分の信ずる「正しさ」を守るためになら、自己犠牲を払ってまでもその意志を貫く「強さ」を持つナウシカがとても美しい。そして、「ナウシカ」のように生きたい!と私はいつも思うのである。
これからもナウシカは私に語りかけるだろう。忘れてはいけないのは「優しさ」とは「強さ」だという事を・・・。

毎年1度、日本国民は「ナウシカ」を必ず見るべし!という法律ができたら、世の中の悪いことも少しは減少するのではないか。なんて思うほど私は、「風の谷のナウシカ」という作品にそれだけの力があると信じている!