◇幻想詩人YO=YO◇    □Visionary Poet Yo=Yo□

【死刑囚】エリク君が覚醒するような詩・死刑への依存と甘え なお著作権は放棄しておりません、無断転載はお断りいたします

 ◇ まほろば駅から大気汚染駅へ ◇

2013-01-30 10:42:02 | 
黄色い街並と 黄色い海に


紅い雨が降る 白い電車の中には


ロンドンの匂い 薄荷の匂い


嘘つきのA君と 野心家のB君


停まる駅もなく 君が発狂するまで


 ◇ 自殺する前に読む詩 ◇

2013-01-29 17:18:23 | 
「人生に失敗したとして、例えば人は、何を嘆き
 何に溜め息をつくのだろう」

「振り返るにその時々に、どれほどの価値をもっているかもわからぬまま
 僕は永遠の友情などない、とうろたえていた 
 君と交わした安堵の会釈一つ一つにも」

「たぶん、命のつきる時の、重みを望んでないからだろう
 いや実際あまりに、呆気ない幕切れに矛盾して
 不安も、消え去ってしまうからなのかも知れぬ」

   日記は、つづられてゆく 
   煩わしい言葉ばかりを選んで

 ◇ 小鳥の見た夢 その23◇

2013-01-25 22:02:07 | 小説
第二章

私は朝子の本能だ。私は朝子が母親の胎内に生まれた瞬間から、朝子の精神の中で
ぬくぬくと暖められて生活していた。

朝子は私が言うのも変だが、とても秀逸だった。本能の私が秀逸だから、朝子が秀逸だったのか、
朝子が秀逸だったから、本能の私が秀逸だったのか、今ではもうわからない。

と言うのも、朝子には悪霊が取り憑いてしまったからだ。

私はもうすでに、朝子のものではなく、悪霊の手の中にある。悪霊に命ずるままに
朝子を動かしている。

子供の頃の朝子はよく泣き、私をはらはらさせた。
母親がレズだったので、霊界の朝子の守護神は私に霊感を授けた。

運命はすべてバランスによって成り立っている。
この世のすべてのバランスは、現実社会と霊社会のバランスで収支がゼロになる。

朝子の周りで、小さな亀裂が霊界に起きると、私が朝子に教えていた。
朝子は私の発したテレパシーを受け取り、上手に立ち振る舞いをして、少女から大人の女に成長していた。

 ◇ 小鳥の見た夢 その22◇

2013-01-22 07:06:43 | 小説
それが、あたしにとって、行方知れずの恋だったと、認めなければならない。
しかし、認めるには私は幼すぎた。
相手は、知的障害者で、吃音で、しかも死んでいる相手に、あたしは恋をしていることに
精神が未熟だったあたしは、対処の仕方がわからなくて、精神の袋小路にもぐりこんでいた。

あたしに募っていたのは、悪魔崇拝と、義父への殺意だった。
誰かをもう二度と会えなくした誰かにしたのは、神だと思ったし、義父だと思った。
それからのあたしの人生は、想像してもらえばわかるでしょう。

今日ここに殺意の記憶をあなたにインプットしてあげるから、あなたも今日から
悪魔崇拝をしなさい。良いわね。」

朝子は、ジミーがしている催眠術が朝子に対して行われてるのではなく、
エミーに悪魔のエクトプラズムを光臨させる儀式だと、はっと気づいたが、
気づいたときには、もう遅かった。

朝子は、恐ろしい闇の世界に引き込まれていくのを、自我の意識の底から震えとともに
悟っていた。3つのまたたきの後で、朝子は記憶を失くしていた。

 ◇ 小鳥の見た夢 その21◇

2013-01-15 07:15:24 | 小説
私は義父の指示により、村に住んでいた精神薄弱の男を誘惑させられ、私はあいつに差し出された。
あいつは私の体を味わい、すべて私の言いなりの傀儡ができあがった。
あいつは、義父の前妻の弟だった。
私の最初の相手は、私にとっても、相手にとってもバージンを捧げ合った。

あとは、義父の言うとおり、あいつに催眠術をかけて、
生まれ変わっても私と一緒になりたいなら、と言い聞かせて、犯行を自白させるだけだった。
刑務所で陰部を切り取られて、吃音が酷くて調書もろくに書かれずに、リンチされて殺された。

私はあいつが殺されたと知って、涙した。
拙い性行為しかできないやつだったが、情がわいていた。
私はきっと一生誰も愛する事はないと、物心付いた時から感じていたのに、
私の内部にたしかにあいつへの愛情が芽生えていた。
子宮の中にあいつの種が植え付けられていた。
そして、あいつが殺された原因は、義父が裏で何かしたんだろうと思い、
はじめて義父に対して、憎しみの感情が生まれた。