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南紀 白浜温泉 牟婁の湯_日本の温泉の原点

2019年01月07日 | 観光スポット

和歌山県の白浜は、関西を代表するリゾート地です。東京における熱海のように”奥座敷”とも呼ばれます。温泉地としても日本有数の歴史があります。公衆浴場になっている牟婁の湯(むろのゆ)は、白浜の原点のようなところです。

  • 道後・有馬と並んで日本書記にも登場するような歴史的な古湯
  • 白浜という温泉名が定着したのは大正時代、飛鳥時代からずっと「牟婁の湯」だった
  • 泉質の異なる2つの湯を同時に楽しめる、近くに火山がある温泉ではない白浜の特徴


飛鳥時代から天皇が訪れていたと日本書記に書かれています。日本最古のリゾート地です。


近くの観光名所・千畳敷

現在の白浜の中心は、白良浜(しららはま)沿いに立ち並ぶ旅館・ホテル街ですが、大正時代に開発された新しいエリアです。白浜の名の語源になり、ガラスの原料にも使われるほど美しい白砂がある白良浜に、大正モダニズムを謳歌する当時の人々が目を付けたのでしょう。

牟婁の湯がある白良浜の南のエリアが、温泉として最も歴史のあるエリアです。どのようにして温泉が発見されたのかは定かではありませんが、飛鳥の都から遠く離れた地が日本書記に記録されていることには驚きを隠せません。

温泉は通常、高温のマグマが地表近くに現れることで、地下水を温める火山の周囲にあります。白浜のある紀伊半島は、太古の昔に火山活動を終えたており、近隣には休火山すらありません。この状況は神戸の有馬温泉と同じで、通常の温泉よりはるかに深いプレートから湧き出した高温の地下水が源泉になっていると考えられています。地球という大自然の営みの原点にあるような、神秘的でもある源泉なのです。

【白浜観光協会 公式サイトの画像】 牟婁の湯

牟婁の湯の外観からは、どこにでもある温泉街の普通の外湯である印象を受けます。しかし浴場内は、白浜温泉らしい、独特の佇まいがあります。見た目の印象が違う2つの浴槽があります。透明の行幸湯(みゆきゆ)と茶色の礦湯(まぶゆ)です。

スーパー銭湯でも異なる泉質の湯があることは一般的ですが、ほぼすべては輸送してきたか、人工的に成分を溶け込ませて作ったものです。天然の温泉でも、一か所で異なるお湯を楽しめるところは、ほとんど聞いたことがありません。白浜温泉は、地表深くから地上に現れるまでの過程で、溶け込む成分が異なったのでしょう。地表深くに源泉があることの賜です。

館内は、温泉街の宿泊客や地元の人でとても賑わっています。熊野古道を訪れた際に立ち寄ったであろう、欧米人の姿も目立っています。温泉地の外湯として、日本を代表するスポットであることは間違いないと確信できます。

南紀白浜は観光スポットが豊富にありますが、私が注目するのはパンダで有名な「アドベンチャー・ワールド」です。中国本土以外では世界最多のパンダ繁殖の実績があり、パンダ育成のノウハウを確立していると考えられます。

パンダは日本では現在、東京・上野動物園3頭と神戸・王位動物園1頭が飼育されています。白浜アドベンチャー・ワールドには何と6頭も飼育されています。動物は1頭だけでなく群れで見る方が、魅力をより感じることができます。親子の愛くるしい営みを見ると、人間も動物も同じであることをあらためて実感します。世界で最も人気のある珍獣・パンダ(大熊猫)が暮らす中国を、うらやましく思えます。

【白浜アドベンチャー・ワールド 公式サイトの画像】 ジャイアントパンダ

こんなところがあります。
ここにしかない「空間」があります。



湯の花を自然乾燥させただけ、とてもナチュラル

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白浜温泉 牟婁の湯
【白浜町公式サイト】

原則休館日:火曜日
入館(拝観)受付時間:7:00~21:30

※無料の石鹸・シャンプーやタオルは用意されていません。



◆おすすめ交通機関◆

JR紀勢線「白浜」駅下車、1番のりばから明光バス「湯崎」バス停下車、徒歩2分
紀勢道「上富田」ICから車で25分

JR白浜駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:20~25分
白浜駅1番のりば→明光バス12/30/101/105系統→湯崎

白浜駅まで 新大阪駅から在来線特急で2時間40分
白浜空港まで 東京羽田空港から飛行機で1時間20分

※鉄道・飛行機・バスは本数が少ないため、事前にダイヤを確認の上、利用されることを強くおすすめします。
※この施設には無料の駐車場があります。


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