極私的映画論+α

+αは・・・日記です(^^;
最近はすっかり+αばかりになってしまいました(笑)

飢餓海峡 (1965) 183分

2014-04-19 18:51:50 | 日本映画(DVD・TV)
飢餓海峡 [DVD]
クリエーター情報なし
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)



 昭和22年に青函連絡船沈没事故と北海道岩内での大規模火災が同時に起きる。火災は質屋の店主を殺害し金品を奪った犯人による放火と判明。そして転覆した連絡船からは二人の身元不明死体が見つかった。それは質屋に押し入った三人組強盗のうちの二人であることが分かる。函館警察の弓坂刑事は、事件の夜に姿を消した犬飼多吉という男を追って下北半島へ赴く。


 NHKBS ★★★★


 久々に見ました。もう50年近くも昔の作品ですが、もちろん当時はカラーフィルムがずいぶん増えてきたわけで、あえてモノクロで撮影しているところに監督のこだわりを感じます。なんとも言えない北国の寂寥感というか・・・カラーでももちろん名作の称号は得ているでしょうがモノクロだからこそより効果的だったと思われます。

 主演は三國連太郎ですが、真の主演はなんといっても左幸子でしょう。当時30代なかばの彼女、この映画では色っぽく、弱く、たくましく、情念たっぷりの東北青森大湊(現在むつ市)の娼婦を演じています。

 一夜を共にした男に大金をもらい、またその男の残した足の親指の爪を肌身離さず持ち、エロい表現をすればその爪に彼の面影を求め愛撫し(それこそ自慰シーンにみえます)ずっとその男のことを忘れず、その男のことを追い求め、東京まで出てくるわけですから。

 三國演じる主人公。本当は悪いやつではないはずです。
いや、それもこれも自分の犯した罪への罪滅ぼしなのかもしれませんが、10年以上に及ぶ逃亡生活や、篤志家としての仮面(いや、これこそが彼の本質とも感じられます)をかぶる生活に疲れていたのかもしれません。

 左幸子、三國連太郎、そして犯人を追う老刑事役の伴淳三郎と素晴らしい演技合戦の中で、すでに当時スターの道を確実に歩んでいた高倉健が、めちゃ大根役者に見えるのもこの映画の面白いところかもしれません。

 

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