7月下旬ににミドリちゃんは私の手から大空に向けて飛び立った。頼りなさそうによたよたと全身を揺すりながら高みに飛んだ。彼女の幸せを切に願ったのだった。
私は切花が嫌いだ。鯛の活造りなどは嫌悪感を憶える。これは私個人の特殊性で、一般的には受け入れられないだろう。やむを得ない場合を除いて殺すべきではない。野に咲いてこそ花は美しく心を和ませてくれる。生きるぞ、生きたいと主張しているようだ。蝶もトンボもそうだ。鋭いピンを背中にブスリと刺し込まれて、見世物にされるために生を受けたのではない。その理不尽な行為を正当化できましょうや。この蝶の色と模様、それに形とその動きは神の仕業としか言えないだろう。
刺身も肉も食べるのに勝手だと言われれば勝手なんですが。
私は生きているミドリちゃんやテンコちゃんの画像を見せていただいて、その美しさを確認しました。
それで充分です。