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川崎市登戸で起きた１９人殺傷事件から３日たった。その間私は
考えに考え抜いてきた。なぜこのような悲劇が次々と起きるのかと。
そして、今回の場合は犯人がこの世にいないので誰が如何にして
この罪を償うのかと頭を抱える。
まずは、なぜこのような事件が起きるのでしょうか。
私が育った戦前はこのような事件はまったくなかった。
いじめ、引きこもり、それに貧困もなかった。
学校での、特に小学校での道徳教育は、それはそれは厳しいものだった。
また、必ず学級には一人のガキ大将がいて悪を成敗したものだった。
当時、怖かったのはオヤジとお巡りさんと学校の先生の三者だった。
いま、怖いものは陰湿なイジメに加担する生徒たちだろう。
引きこもりもなかった。勉強などは二の次でチャンバラごっこで、
男子はみな外で遊んだものだ。女子はおはじきやお手玉をして
仲良く遊んだものだ。だから、引きこもりなどは起こりようがなかった。
貧乏もなかった。といえば嘘になるが、ほとんど全部が貧乏だったのだ。
大多数が貧乏だから、相対的な金持ちなど、眼中になかった。
現在はどうだろう。幼稚園や保育園の幼児から競争が始まる。
人よりも少しでも先に出ないと人生で置いてきぼりを食らってしまう。
遅進児や貧しい家庭の子供がイジメの対象になってしまう。
父兄からの突っ込みが怖いから、先生方も見て見ぬふりをするのだ。
私なんかは、おとこ先生から何回平手打ちを食らったか数えきれない。
イジメを受け、誰からも相手にされなければ、引きこもるしかない。
人よりも良い頭脳を持つためには早い段階から名の通った私立校に
入れる必要がある。それにはお金が必要となる。金持ちの子女は
優れた学校に進み、貧乏な家庭の子供は公立校を選ばざるを得ない。
ここに大きな不平等が生じると言わざるを得ないでしょう。どうですか？
医者の子は医者になるし、タレントの子はタレントになる。
こんな理不尽なことがあって良いものだろうか。
では、誰がどのようにしてこの罪を償うのでしょうか。上の文章を読んで
いただければ答えは出てきますね。そうです、私達全員です。今を生きる
人々全員の責任なのです。こんな社会を作ってしまった私達が悪かったのです。
かの犯人を育ててしまったのはこの社会なのです。もう少し正確に述べれば
彼と接触した人間全員の責任なのです。だが、もはやその人々を特定できない。
以上の理由から、この罪の償いは私達がしなければならないのです。
失われた二人の尊い命に心から哀悼の意を捧げます
