3048.~気持ちを表す~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
発達支援教室エレファースでは、療育の毎日のようすをエレファースブログでご紹介しています。それを広く皆さまと共有できますように、本ブログでは Elephasブログにワンポイントメッセージを加えさせていただいています。
・・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・日々を大切に過ごすためのささやかな糧となればと思います。
~今日のElephasブログ:「笑顔でお話し」(1月15日)~
おはようございます。越谷教室の田中です。
小6のKさんは、♪「春夏秋冬」の夏場面の絵を見ると
「海に行った、これはパパでこれが自分」と話してくれます。
「楽しかった?」と聞くと「忘れた」というので
「水は冷たかった? パパが水をかけたのかな?」と尋ねると、
思い出しながら少しずつ笑顔になり、お話をしてくれました。
前の恩師の話を思い出しました。
人は誰でも心の中にいろいろな感情の詰まった瓶を持っている。
瓶の蓋を開けて嬉しさ楽しさ等、快の気持ちを取り出した時には
素晴らしい笑顔になれる。自分一人で蓋を開閉しにくい時には
周りが開けやすいようにお手伝いをしてあげれば良い。
Kさんの楽しそうな笑顔を見て、こちらの瓶の蓋もいつの間にか開いて笑顔になっていることに
気付きました。
◇ワンポイント・メッセージ◇
「楽しかった?」と問われも、楽しかったかどうか答えられない。しかし「忘れた」のではなく、「楽しい」とまとめて一言でくくることがまだKさんにしっくりと来ていないのでしょう。楽しかったかどうかは、Kさんの笑顔が答えてくれています。
楽しさは、決まり文句のように「楽しかった」とまとめ上げるものではないのですね。あんなことした、こんなことした、誰かがああ言った、こう言った、という一つひとつの行動や言葉や会話ややりとりの陳述(話し言葉・書き言葉)から楽しさを感じ取ることができます。嬉しさや悲しさ、悔しさ、残念さ、・・・他のもろもろの感情においても同様です。
出来事を具体的に連ねていくお話しや作文の方が、小ぎれいにまとめられたものよりもよほど気持ちが伝わってくるものです。「気持ちを表現する(話す・書く)ことができないんです」というご相談をしばしば受けますが、連なる具体を通して、実は子どもたちは気持ちを大いに語っている、ということもよくあるのです。