3230.~鑑賞、スイミー~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「スイミー、描いて」(8月15日)~
おはようございます。武蔵境教室の伊藤です。
学校の夏休みがはじまったころ、新宿の高層ビルにある美術館で『スイミー』を見ました。
小学校の教科書に掲載されている、あの『スイミー』です。
美術館では珍しく、就学前の小さなお子さんや小学生・中学生、さらにはお孫さんを連れたような方まで、さまざまな年代の方が『スイミー』の原画を見ていました。
『スイミー』がはじめて教科書に掲載されてから40年以上が経っているそうです。
その事実と、美術館のにぎやかな雰囲気とにふれて、あることに気がつきました。
お母さんに読んでもらったから知っている、ではなく、
子どもといっしょに読んだから知っている、でもありません。
原画をのぞきこんでいるおおくのひとが、それぞれの7歳・8歳のころに教科書を読んで『スイミー』を知っているのです。
言いかえれば、鑑賞者それぞれのスイミーは、40歳だったり20歳だったり、あるいは生れたばかりだったりするのです。
近づいたり遠ざかったりしながら、しばらく『スイミー』を見ていました。
黒いスイミーやきょうだいの赤いさかなたちは、スタンプのような版画でぺたぺたと描かれています。
それら単純化されたさかなたちをじっと見ていると、わたしの知っている『スイミー』とはどこか違うような気がしてきました。かつて7歳だったわたしは、いくつかの絵とことばで『スイミー』を記憶し、そしてわたし自身の年月に重なりながらスイミーはゆっくりとそのすがたを変え、わたしのなかで自由に泳ぎまわっていたようです。
ふと、わたしのまわりで鑑賞しているおおくのひとの、それぞれのスイミーが気になりはじめました。そして「スイミーを描いて」と、エレファースの生徒さんたちにお願いしてみたくなりました。
◇ワンポイント・メッセージ◇
おなじみの「スイミー」、原画展が開催されているのですね。あのスイミーと仲間たちに会えると思うと、楽しみですね。夏休み、お出かけになられたらいかがでしょう。「スイミーだ!」「この絵、しってるー!」というのも、また一つの鑑賞法ですね。