ガングロ女性…

何年か前に海外のどこかで会った
チグという名の女性に
ねぶたの祭りで再会いたし候…

青森に来てからそんな事が多い…

チグは女だてらに
京都から自転車をこぎにこぎ捲り
ここまで北上してきた豪傑…
その後遺症でガングロ甚だしく
夕方以降は多少暗闇に紛れ込んで
しまう忍者な所がある…
しかも酒豪で酒好き
昼間から麦酒を水代わりにする…

それがとても清々しく見えた…

イージス鑑…

祭りの期間と時を同じくして
米国のイージス鑑が停泊していた…

世に名高いイージス鑑ではあれど
見た目には「ふ～ん」的な印象で
さすがに祭りの真っ最中
なんびとたりとも眼中にない様子…
野次馬は
僕とゆかいな仲間達二人のみ…

聞いた話によりけりな昭和二十年
青森が戦災を受けたこの年は
さすがに祭りも中止され
しかしも案山子の翌二十一年には
油川や旭町でねぶたが出されたと
記録には残るが
進駐軍に気がねしながらの運行で
あったと伝わる…

戦争ってだけで話が暗くなるなぁ…

街角のステージ…

夜の青森で叫ぶように歌う男は
北海道で会った自転車乗りヒュウ…

札幌で自転車を買い
沖縄を目指しながらの路上演奏を
ただひたすら繰り返している…

この翌日
弘前へと向かい旅立った彼の姿に
僕は小さく手を振った…