人生の禅語
*一大事 (いちだいじ) 今この時を「大事」に
事件や事故にあって「大変だ」と慌てふためくことを一大事と言
いますが、禅者は、仏教でも最も大切なことを一大事と言います。
仏がこの世に現れ、教えを説いた意義、人が生まれた意義や
「自分と言うもの」が何かを明らかにすることこそが、いちばん大
切です。
道元禅師が「生を明らめ死を明らむるは仏家一大事の因縁なり」
と説いたように、人間の一生は結局「どう生き、どう死ぬか」を考え
ることです。一生という時間をどう生きるか私達はこの世の生まれ
た日から問われ続けているのです。
禅僧の正受老人は、「一大事と申すは今日ただ今の心なり、それ
を疎かにして翌日あることなし」と言っています。
今日という日はまさに今しかありません。この瞬間も、今日という
日も、二度と帰ってくることはない。日々を空しく過ごすのは、時を
捨てるのも同じこと。今という瞬間を大事にすることが、善く生きる
ことなのです。「一大事」は、まさしく今日、ただ今の心です。
以上のように説いています。自分の生き方を省みて、今を大事に
生きて行こうではありませんか。私は反省の心のみです。