江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

3歳から「国旗・国歌」に親しませるって⁉︎

2017-02-15 | 随想


昨日、厚労省が保育所の運営指針を2018年度から改正するとして、改定案を公表しました。
それによると、3歳以上を対象にして、「行事で国旗に親しむ」「国歌、唱歌、わらべうたやわが国の伝統的な遊びに親しむ」といった文言が並んでいます。

まるで、小学校の低学年に向けた文科省の指導要領の様ですが、それもそのはず、保育所の運営指針は幼稚園の教育要領に準じて作られているからです。
そして、幼稚園の教育要領は文科省が作成しているのです。
詳しくは把握していませんが、この流れは「幼保一元化」の実態化とつながっているのだと思われます。


それにしても、3歳の幼児に日の丸や君が代を押し付けるとは、開いた口がふさがりませんが、国の役所が大真面目な顔をして文書で通知するには何か訳があるに違いありません。
因みに、厚労省の保育所保育指針というのは、幼児の成長や安全面で配慮する項目について、保育現場で順守や努力すべき点を述べているわけですが、当然ながら現行指針に「国旗・国歌」に関する記述はありません。
ところが、文科省の下にある幼稚園は、改訂教育要領の中に「国旗・国歌」だけではなく小中学校と歩調を合わせるかの様に「能力の育成」を重視しています。

今、文科省が重視しているものの一つに幼児教育から小学校教育へのスムーズな移行があります。
盛り沢山な教育内容を消化していくには時間が足らないため、例え幼児であってもグズグズしていては困るわけで 、幼児教育の段階で一定の能力を身に付けてから入学してもらいたいのでしょう。
それが、幼稚園教育要領であり、またそれを無視できない保育所保育指針なのです。

小学校で初めて日の丸や君が代に接する様なことなく、 入学式では全員が日の丸に向かって礼をして声高らかに君が代を斉唱してもらいたいのです。
そこにどんな意味があるのか? なんて疑問は持たなくても良いのです。
只々、子どもたちにこれからの日本で生きていくための資質・能力を身に付けさせてあげたいのです。

そんな思惑が透けて見えます。
教育は早いほど効果が上がる…とでも考えているのでしょう。
この世に生まれてきて3年で、大の大人が日の丸や君が代を刷り込むとは、何というおぞましきことでしょうか!
道徳を教科化する発想と全く軌を一にしています。


私は、この保育園や幼児教育にまで向けられた今回の指針や要領の改訂を許すことができません。
いくらオブラートに包み込んでも、国家戦略の一環として子どもの生き方までも規制していく恐ろしいものです。
子どもは国家のものではありません。
一人一人が自由に豊かに生きていく権利があります。
私は一人の大人として、国家の間違った企てを正していくために闘います。



<すばる>

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