江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

映画「牛久」を観て入管問題と外国人の人権について考える

2022-03-07 | 随想
今日は渋谷のイメージフォーラムという映画館で映画を観ました。
知り合いに教えてもらって観に行った「牛久」という映画です。



収容者たちとの面会の様子や入管収容所内の暴力的な「制圧」の様子が記録されています。
今まで入管収容所内の人権侵害については、本で読んだりインターネットで知ったりしてきましたが、この映画を観て、より直接的にありのままの現実を突きつけられました。
 
収容者への「制圧」の現場映像を見て、私は2020年5月に警察官に押さえ付けられたために亡くなったジョージ・フロイドさんのことを思い出しました。

この事件に関わった警察官たちには有罪判決が下されていいますが、日本では入管収容所内で収容者が亡くなっても誰もその責任を問われないままです。
何人もの男性で一人の収容者を「制圧」する必要はないのに、収容者を人として扱っていませんでした。
入管行政の人権無視や真実を隠蔽する体質や外国人に対する日本政府の政策を根本的に変える必要があるように思います。

 
日本にいる多くの人が入管収容所内で収容者がどのように扱われているか。
なぜ収容されているのかについて知りません。
入管収容所内における人権侵害は数十年前から繰り返されているにもかかわらず。

1990年代、収容所内で収容者が理不尽な処遇により亡くなった時、日本ではほとんどニュースにならず、一部の新聞の一角に数行掲載されるだけでした。
その記事に気づき声を上げた人は今よりもっと少数だったと思います。

ウィシュマ・サンダマリさんが名古屋の入管収容所で亡くなってから1年が経ちます。
同じことを繰り返さないためにも、入管収容所の問題を何も知らない人も知っている人も、ぜひこの映画を観て、入管収容所に入れられている人たちの生の声に耳を傾けていただければと思います。
 

外国人への「おもてなし」がいかに嘘か。
母国に帰ると殺されるかもしれない人を強制送還しようとしたり難民認定を拒否し入管収容所に長期間収容すること、仮放免になっている人たちがまたいつ収容されるか分からない恐怖の中で生活なければならないこと、生活保護も受けられず、病気になっても病院に行けず、就労もできないこと、これらがいかに非人道的か。

当事者の声を聞くことで見えてくるものがあります。
日本は人道的見地から難民を受け入れ、難民の人たちが日本社会で生活できるように制度を変えるべきではないでしょうか。
外国人への人権を侵害を許さず、共に生きる社会にしていきましょう。
 

この映画の監督はトーマス・アッシュさんです。
ボランティアとして牛久入管を訪れ、収容されている人たちの話を聞き、ここで起きている事実を伝えなければならないという思いで、このドキュメンタリー映画を作ったそうです。

他の国では収容所内に入れられている人がパソコンを使えるところもあるそうです。
難民認定の申請をして認められない場合も、その理由やどうすれば認められるかを教えてくれるのに日本はそれがないそうです。
 
いつまで上映しているかは分かりませんが、お時間のある方は、ぜひ観に行ってください。


<映画好き>

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