コヨイノサンブン

日記のような、私信のようなもの。あるいは、記憶の記録。

「ヴィタール」

2005-01-06 22:26:28 | movie

「ヴィタール」、観ました。

ええと、何というか。
芸術的なまでに美しい映像は圧巻ですが、
ストーリーは痛いほどに悲しい。

出演している浅野忠信はじめ柄本奈美もKIKIも、まるで彫刻みたいだし。
ロケーションになっている古びた大学の構内も、コンクリート打ち放しの主人公の自室も、
グロテスクな解剖シーンも、緑溢れる南国の楽園風景も、どれもとてもかっこよかった。
視覚的には一見の価値あり、と思います。

でも、まるでスクリーンの中で解剖に没頭する浅野忠信に、
観客であるはずの自分の後頭部まで切り開かれているかのような、理不尽な心の痛みが残ります。
観ているうちに、自分の心の中の不健康で後ろ向きな部分を無理矢理露呈させられるような、やや不快感が残りました。

何というか、素晴らしいことはよくわかるんだけど、心に突き刺さりすぎて、
作品として引いて観ることができない。……というくらいインパクトが強かったです。

というか、
基本的に「かわいそう」なストーリーは好みではないです。
だから戦争物には近づかないし。
逆に言えば「かわいそう」系作品が好みの方には良いかもしれません。


映画の感想って口に出すことに比べて文章にするのって、難しいですね。
あ、映画に限らず、ですけど。

次は、ひたすら能天気であろう「インストール」に行こうと思っています。

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