魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「41」

2018年01月04日 | 百人一首
百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「41」

※英訳については、1909年にWilliam N. Porterが書いた百人一首の本
『A HUNDRED VERSES FROM OLD JAPAN』を参照しています。

和歌番号041 
作者:壬生忠見
author of waka:TADAMI NIBU(NIBU NO TADAMI)

原文
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
(こひすてふ わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもひそめしか)

現代訳
わたしが恋をしているという噂が、もう世間の人たちの間には広まってしまったようだ。人には知られないよう、密かに思いはじめたばかりなのに。

英訳
OUR courtship, that we tried to hide,
Misleading is to none;
And yet how could the neighbours guess,
That I had yet begun
To fancy any one?

This poet was the son of the writer of verse No. 30, and he is said to have composed the poem on the same occasion as is mentioned for No. 40.

The word omoi in the last line is a 'pivot-word' used firstly in connexion with the fourth line, meaning 'I thought' (nobody knew), and also in conjunction with someshi, where it means 'I began to be in love'.

解説
 壬生忠見(みぶのただみ・生没年不明)は平安時代中期の人で、「古今集」撰者の一人である壬生忠岑の子どもで、幼い頃は、名多と呼ばれていました。 
 藤原公任が優れた歌人として選んだ三十六歌仙のひとりでもある壬生忠見ですが、天徳四年の「内裏歌合」で平兼盛の和歌に負け、悶々のうちに病気になって亡くなったとも伝えられています。
 (但し、歌集である「忠見集」からは、その後も歌人として活躍していたようです)

 歌合せへの招待状が届いた時、忠見は摂津国にあったのですが、この和歌は、そのときに思いを寄せていた女性を思って詠んだ和歌だと伝えられています。



★おススメ本★  

A Hundred Verses from Old Japan: Being a Translation of the Hyaku-Nin-Isshiu
Tuttle Pub


図説 百人一首 (ふくろうの本/日本の文化)
河出書房新社


百人一首の歌人列伝(業平、定家に西行…人気二十歌人の面白エピソードと代表歌を知ろう! )
歌林苑


本書は「平成和歌所」のウェブコンテンツ「一人十首の歌人列伝」を再編集したものです。
http://wakadokoro.com/

厳選した百人一首歌人の「おもしろエピソード」と「十首の秀歌」を分かりやすく解説した読み物は、幅広い層の和歌ファンに人気を博しました。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。

そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。

※読みやすい文字サイズ&文章で、約200ページがあっという間に読み終わります!

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