(秘)
整理番号
申 立 書
(1)氏名
(2)住所
(3)連絡先 電話 XXX-XXXX-XXXX E-mail:
(4)氏名、住所、連絡先の秘匿 希望する ・ 希望しない
(今後の手続きにおいて氏名、住所、連絡先の秘匿を希望するかどうか○を付してください。)
※ 氏名の秘匿を希望されない場合においても、公正研究委員会・予備調査委員会・不服審査委員会内のみで氏名が公表されるだけで、大学内部やマスメディアに対して申立者本人の許可なく氏名等の公表はしません。
氏名の秘匿を希望される場合には氏名が弁護士事務所から外部に出されることはありませんが、十分な事実関係の調査が不可能となることをご了解下さい。
2.
調査対象者(一人目)
(1)氏名 ****
(2)所属
・ 不正の大部分が行われた時点での所属は、名古屋大学大学院生命農学研究科 分子生体制御学研究分野 です。(1992年3月に京都大学大学院農学研究科博士課程を中途退学し、1992年4月から名古屋大学農学部に助手として採用され、2004年6月まで名古屋大学に在籍していました。)また、****氏の現所属研究室(食品機能化学研究教育分野)のホームページ(http://www.bio.mie-u.ac.jp/~n-aoki/)の情報によると、1995年~1997年の間は、Max Planck Institute of BiochemistryのMolecular Biology部門のAxel Ullrich氏の研究室に留学していたとされています。
・ 2004年7月から、現在の所属でもある、三重大学 生物資源学研究科 生物圏生命科学専攻 生命機能科学講座へ移籍し、現在は准教授です。
調査対象者(二人目)
(1)氏名 ****
(2)所属
・名古屋大学 大学院生命農学研究科 応用分子生命科学専攻 応用生命化学講座 分子生体制御学研究分野
3.不正行為の内容
告発者は、名古屋大学大学院生命農学研究科(分子生体制御学研究分野)、及び、三重大学大学院生物資源学研究科(生物圏生命科学専攻生命機能科学講座)での下記(I)~(IV)の公的研究費を用いた研究において、「捏造および改竄したデータを用いた論文投稿」を確認しています。不正は、10報の論文および66の項目にわたります。また、そのうちの一つの論文(論文#8)の捏造・改竄画像については、青木氏が筆頭著者や責任著者ではない論文(論文#11)の画像とも酷似しており、「盗用」にあたる研究不正行為が行われた可能性もあります。また、不正行為に基づく研究業績を元に新たな公的研究費を獲得した可能性もあります。被告発者は、不正が疑われる論文10編の筆頭著者もしくはコレスポンディングオーサーである 青木直人 氏 と、青木氏が以前所属していた名古屋大学大学院生命農学研究科の分子生体制御学研究分野の研究室責任者である 松田幹 氏です。松田幹 氏は、研究不正と関連する公的研究費(IV) の研究代表者でもあります。
1. 「不正行為に関係する公的研究費の名称」
(I): 科学研究費補助金、研究課題番号:18052007、特定領域研究、研究機関:2006年度~2007年度、
研究課題名:「脂肪細胞より分泌される機能性膜小胞の解析」
(II): 科学研究費補助金、研究課題番号:15580075、基盤研究(C)、研究機関:2003年度~2004年度、
研究課題名:「分泌タンパク質MFG-E8を介した細胞外分泌膜小胞の生成機構および機能解析」
(III): 科学研究費補助金、研究課題番号:13660340、基盤研究(C)、研究機関:2001年度~2002年度、
研究課題名:「プロテインチロシンホスファターゼによるプロラクチンシグナリングの制御機構の解明」
(IV): 科学研究費補助金、研究課題番号:10660121、基盤研究(C)、研究機関:1998年度~2000年度、
研究課題名:「小腸冊子縁膜との相互作用を指標にした乳脂肪球膜糖タンパク質の生理機能解析」
2.「研究不正行為が行われた時点での被告発者の所属について」
公的研究費(I)を用いた研究は三重大学で行われ、公的研究費(II)を用いた研究は三重大学と名古屋大学の両方で行われ、公的研究費(III),(IV):を用いた研究は名古屋大学で行われたと推測されます。
3.「不正行為の態様及び不正行為とする科学的根拠について」
「不正行為の態様及び不正行為とする科学的根拠 (概要)」
については、次ページ以降において説明します。
「不正行為の態様及び不正行為とする科学的根拠 (詳細)」
については、別紙1において説明します。
「不正が疑われる論文の名称と割り当て番号(論文番号)」
については、別紙2において説明します。
「”論文番号”と”関連する公的研究費”の対照表」
については、別紙3において説明します。
「”論文番号”と”指摘項目番号”の対照表」
については、別紙4において説明します。
4.「回答依頼について」
告発者は、三重大学及び名古屋大学に対して、以下の3つの事項①②③ について回答依頼を求めます。
①論文 10報(1996年~2010年)、66 事項に対する不正行為の事実確認
② 当該行為がいかなる状況、事由により発生したか。
③ 当該行為がなぜ長期に及び、また発生初期に防止できなかったか。
また、研究不正行為が行われたと調査委員会により判断された場合、関連論文の撤回や、関連する公的研究費の返還などの適切な処置を取っていただくよう、希望致します。
____________________________________________________________________
「不正行為の態様及び不正とする科学的根拠 (概要)」
以下、研究不正の概要について述べます。
(1) 不正に関連する公的研究費と文献について
(I): 科学研究費補助金、研究課題番号:18052007、特定領域研究、研究課題名:「脂肪細胞より分泌される機能性膜小胞の解析」の2007年度研究実績報告書(http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/18052007/2007/3/ja)に発表文献として記載の論文#2において画像の流用(データの捏造・改竄)が疑われます。
(II): 科学研究費補助金、研究課題番号:15580075、基盤研究(C)、研究課題名:「分泌タンパク質MFG-E8を介した細胞外分泌膜小胞の生成機構および機能解析」の2004年度研究実績報告書(http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/15580075/2004/3/ja)に発表文献として記載の論文#3において画像の流用(データの捏造・改竄)が疑われます。
(III): 科学研究費補助金、研究課題番号:13660340、基盤研究(C)、研究課題名:「プロテインチロシンホスファターゼによるプロラクチンシグナリングの制御機構の解明」の2002年度研究実績報告書(http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/13660340/2002/3/ja)に発表文献として記載の論文#4において画像の流用(データの捏造・改竄)が疑われます。
(IV): 科学研究費補助金、研究課題番号:10660121、基盤研究(C)、研究課題名:「小腸冊子縁膜との相互作用を指標にした乳脂肪球膜糖タンパク質の生理機能解析」の2000年度研究実績報告書(https://kaken.nii.ac.jp/ja/p/10660121)に発表文献として記載の論文#6、論文#8、論文#9において画像の流用(データの捏造・改竄)が疑われます。
(2) 不正行為の種類について
本件の疑義は、 電気泳動像及び顕微鏡像の「流用」 の研究不成行為に対するものです。 「流用」とは、一つの実験データまたはオリジナル画像を複写し、別の目的のためにデータや画像として使用することであり、「捏造」と「改竄」及びそれらの複合に当たります。本件においては、画像サイズ、コントラスト、縦横比などが異なる場合があるものの、泳動像の歪み、泳動位置のズレ、バックグラウンドの汚れ等が複数の画像で酷似しています。仮に、これらの類似が極めて低い確率で偶然に生じ得るとしても、それが一つの画像のみならず複数の画像で同時に生じること、また、複数の論文に跨って生じることは極めて不自然であり、合理的な説明は不可能です。さらに、複数の画像において、画像をソフトウェアを用いて切り貼りした編集の痕跡も確認できます。これらのことから、本件は、一つの実験データ・画像を複数の実験図で流用したものと判断されます。よって、申立者は、三重大学および名古屋大学の調査委員会における画像データの類似性解析によるデータ流用の事実調査を求めます。また、論文#8の流用画像については、青木氏が筆頭著者や責任著者ではない論文(論文#11)の画像とも酷似しており、「盗用」にあたる研究不正行為が行われた可能性もあります。よって、「盗用」の有無についての調査も希望致します。
(3) 学術的・社会的影響について
本件の研究不正の疑義に該当する論文は、Endocrinology誌や、The Journal of Biological Chemistry誌などの学術専門誌に公刊されていますが、いずれも本分野では評価の高い国際学術雑誌であり、これらの学術雑誌に対して、10論文68項目もの多岐にわたり不適切なデータを掲載したり二重投稿を繰り返したことは、貴学のみならず関連学会の真摯な学術研究活動に対する信頼を大きく失墜させるものです。科学実験は、結論を導く過程に真摯な自己検証を必要とするものであり、結果を改ざんすることや他の実験のデータを流用することは決して許されることではありません。研究不正に基づく結論の学術的な価値は皆無であり、今回の研究不正は本学術分野全体の発展を阻害するものと言わざるを得ません。また、このような不正行為は、科学者に対する社会からの信頼を著しく損なうものでもあります。
(4) 不正行為に基づく研究業績を元に公的研究費を獲得した可能性について
告発対象者が発表した公的研究費に関連する研究以前の研究で、本研究課題に関連した論文についても、捏造、改竄が疑われる事例が多数あります。従って、不正行為に基づく研究業績を元に科学研究費補助金の交付を受けた可能性も考えられます。よって、申立者は、研究不正行為の事実調査に加え、研究計画調書や交付申請書(文部科学省及び日本学術振興会の科学技術研究費)などに、不正行為に基づく研究業績が記載されていないかについて事実調査を求めます。
(いつ頃の事案か、事実経過、疑義の要点等をご記入下さい。また客観的な根拠があれば併せてご記入下さい。)
4.関連書類
資料番号 資料名
資料番号6
科学研究費補助金、研究課題番号:15580075、基盤研究(C)、研究課題名:「分泌タンパク質MFG-E8を介した細胞外分泌膜小胞の生成機構および機能解析」の2004年度研究実績報告書(http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/15580075/2004/3/ja)の写し
資料番号7
科学研究費補助金、研究課題番号:13660340、基盤研究(C)、研究課題名:「プロテインチロシンホスファターゼによるプロラクチンシグナリングの制御機構の解明」の2002年度研究実績報告書(http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/13660340/2002/3/ja)の写し
資料番号8
科学研究費補助金、研究課題番号:10660121、基盤研究(C)、研究課題名:「小腸冊子縁膜との相互作用を指標にした乳脂肪球膜糖タンパク質の生理機能解析」の2000年度研究実績報告書(https://kaken.nii.ac.jp/ja/p/10660121)の写し
資料番号9
論文#1~論文#11
の11文献分全ての写し
資料番号10
画像流用箇所(66指摘項目)についての解説図
資料番号11
告発者の身分証明書(運転免許証)のコピー
(添付の参考資料の通し番号及び資料名をご記入下さい。)