サンチョパンサの憂鬱

昼下がりのサンチョパンサ(2)……ディドロ伯爵の緋色のガウン

イイ歳をしたオッサンともなれば……少しばかりは人を計れるようにもなる。

コイツはイイコになる為の最短路線を選んで生きて来てる?……しかし『コレでよし!』とタカを括ってるけれど?
いずれ『毒を知らない事・汚れを知らない事』が大きな障害になるだろうなぁ……とか?

コイツは早くに自分の能力を諦めたに違いない。しかしそれ故、タップリ余った時間で『アレコレ手を出し様々の経験則を実感』して生きてきている。それは使い様によっては大きな財産と言える。
惜しむらくは早くに仕込んだコンプレックスから……自己評価できないんだな……とか?

なぁ〜んて人の長・短所の様々が見える様になれた気がする。


『なぁーるほどね?』という表題で先日書いた……ストレスはそれ自体よりも、ストレスを持ち続ける時間がポイントであると書いたモノがあった……。

これが周辺の人達に何故か?様々の興味を持たれたのだった。
その文章の最後にカッコつけて映画『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラのセリフを書いた。
スタッフやお客様の何人かが実際にビデオで『風と共に去りぬ』を視聴していたことに正直驚いた。

『名作・名品というもの』は時間によって風化することなく『優れた価値観のコア』というモノを当時と遜色なく保っている事を改めて感じたのだった。

考えて見れば……最高の脚本家、最高の俳優陣、最高の音楽、最高の美術、撮影技術……。
どの分野においても妥協を許さないそのレベルは日常の生活では絶対に味わえない『何か』を観る人に刻むのである。

アニメにマニアックな興味を持っている19歳の女子大学生は……80年も前の実写フイルムの迫力について……CGでは出せない魅力を熱っぽく話した。

スカーレット・オハラのように辛くても何かで自立して生きて行きたい!……と彼女が言ったのには驚きもした……。

文学でも映画でも食事でも衣料品でも……何でも良い。ディドロ伯爵に緋色のガウンをプレゼントした友人のように……僕の過ごし来た日々は若い人達に取って然りげ無い切っ掛けとなれば良いのか?……そんなことを思った。

その人の『今迄の暮らしのレベル』に存在しなかった『高いレベルのモノ・コト・文学などの思想などなど……』をプレゼンして現実に体験させて上げること。それが若い人の才能の起爆剤になるのだと感じたのだった。

その人、その人に内在する様々の感覚・感性は『優れたレベルの何か?を体感』すれば必ず自然に反応をするということである。

下手に狭小なノウハウ論とか?個人的経験自慢などをするのではなく……自分の過ごし来た時間、経験の中に埋もれている『様々の上質』を何の作為もなく目の前に置いて上げることなのだと思った。

自分には…ありふれた思い出の映画『風と共に去りぬ』が今になって年下の若い人達には『新鮮な驚き』となった事に僕は驚いたのである。

何時の世も人間の感情は喜怒哀楽。
遥か昔の僅か四時間の物語が一人の人間に与える大きな振り幅……。

微に入り細に入り教えてくれる?様々なセミナー花盛りの時代だけど……。

感動によって呼び覚まされた心の衝動のインパクト。それは自己変革の呼び水となって次々に『自分を上方破壊』していく原動力になっていく。

『内なる力』を発掘していく『ディドロ伯爵効果』……。
コスパ?なるもの、数えられるプライスだけじゃなく、『上質という味わい』のパフォーマンス効果はとても大きく継続していく力を与えるのである。

これからの時代……数えられる世界は嫌が上でもAIが担当していく。
『数えられない質の世界』にしか自然人の活路は無いのである。

『感動する力』は人間の大きな武器。
自分の日常を破る切っ掛けの『コスパ』はとても高く大きくそして……継続するものとなるのである。


※…ディドロ伯爵の緋色のガウンは実話。
友人からプレゼントされた緋色のガウンがそれまでの渋く質素だったディドロ伯爵の趣味・生活を次々に変えいった話。ガウンに合わせてベッド、家具となりしまいには家を立て替えたエピソードから『ディドロ伯爵効果』と呼ばれるマーケティング用語となったのである……

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