超貧乏出身故に初めてインスタントラーメンのチキンラーメンとか福島ラーメンを食べた時の感動を未だに鮮明にシーンごと正確に詳述出来る。
福島ラーメンの汁を吸った付属の海苔の味なんて余りに斬新で感動した事も隠さない……。
もう、ずいぶん前に矢沢永吉が何かのインタビューで語ってた。
『屋台のラーメンって最高だよね❗美味しいよね……』……と。
でもね……美味しいのは帝国ホテルのフルコースも素晴らしく美味しい。そのフルコースを楽しく堪能する力量を以てして言いたいんだよね。
『屋台のラーメンは美味しいよね❗』って。
屋台のラーメンしか知らずに屋台のラーメンの素晴らしさを語っても奥行きがない。様々な『高価な美味しい』を知り、使いこなした上で敢えて『屋台のラーメンは美味しいよね❗最高だよね❗』って俺は言いたいんだ……と。
実に名言だと思った。
『自分の既知を最高の宇宙』として他者を評論批判して悦に入ってる人多く……哀しい思いにさせられる事は多い。
この構図は様々な例を以てしてこのブログに書いたけど……。
『無知の知』……嫌になるくらい使って書いた。『自分には知らない事がある❗』という事実を知っている人の指摘はストンと腑に落ちるものである。
『分を弁える事』という表現も飽きてしまう位使った気がする。
これも『無知の知』って事だけど。
『自分の既知』を宇宙として生きてる人の特徴は『本題に近付けない・気付けない』という特徴がある。
人を観ても、文章を読んでも観劇しても……些末な技術論に流れたり結果的にはその狭小な宇宙のせいで自分の『単なるシッタカさん』をお披露目する事に夢中になる。
商品のコンセプトとか小説、文章におけるモチーフには気付けず仕舞い。
些末なその世界の技術論、テクニック論とかを滔々と語られたりして辟易とさせられるのは決まって『自分の既知に満足して生きてる人』なのである。
ソコは誤魔化しが利かないのである。
語る事は……その語り単体ではなく、その人の生きて来た経験、知識、思考の積み重ねetc……その人の生きて来た歴史全てを『借景とした上で提示される』ものだからである。
常に胆に銘じておきたい矢沢永吉の名言である……。