サンチョパンサの憂鬱

様々の世界の……様々な流儀

流れは様々ある ……奔流、支流、傍流、本流、濁流等々……人の世もこれに似ていて……手出し無用の奔流……大きな集団の本流……ヒネタ連中の傍流、細々地方の支流……。汚れを浄化する清流等々も……。

類は友を呼び、裏切り上手にはペテン師だの詐欺師だのが群がる。
その流れには流れ毎の流儀がある。

ヤ○ザ社会では殺しまでが、さもありなんという常識だし禁欲の寺では女に触れるどころか思念すらする事もままならぬ。

綺麗に生きるも良いが……そのまま悦に入って詐欺師ペテン師業界に迷い込めばいとも簡単に殺されかねない。

少年少女の無垢が良い訳じゃなく、傍若無人の無法が良い訳じゃなく……。
そこはどんな水がどの様に流れているか?それが全ての事の運びを決める。

金魚が海に出て、水が塩辛いとは何事だ!と怒れども聞く耳を持つ者などそこには居ないのである。

水が合う?……だからこそ、そんな言葉も生まれた。
水が合わない流れで幾らもがき足掻いても……文字通り全ては水泡に帰すって運びになる。

魚の世界の流れは整理整頓され混じる所は必然の運びで交わっていく。
だから魚は迷子にはならない。

人の世の流れは縺れ、滞り、混ざり放題なのである。
余程、心の羅針盤と受信機を整備しとかなきゃ命取りとなる。

一年間好き放題使われ……百々のつまりに踏み倒された奴がいる。
彼はとても賢明な選択をした。要りません!と宣言してその流れから遠く離れたのである。

そこはどうやら騙し勝ちのルールだったらしく、何とペテン師を働いた奴は、自分がギャラを断念した途端に笑顔で握手してきたという……。
そしてこれからもまた宜しくと言われたのだという……。

恐るべし!そやつの神経である。
そこは……アマゾンのピラニアの棲息地帯だったのである。
水が云々より彼は命からがら逃げたのだという……。

そのペテン師は僕も知っている。
人を食い尽くしては、食い物にする次の新たな人間を探している?そんな輩である。

ブラックホールそのままに、側によると魔力によって吸い込まれてしまうのである。その笑い、声のトーンも後で思えば……食い付く為のセレモニーの様に不気味だったとなる。
しかし……全ては後の祭りって奴だ。

今この国では標準的正義と常識が通用するエリアは極端に狭まっている。

だからこそ、サンクチュアリの聖域鳥の様にそこを求めて探し回る人は尽きないのである。
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