
真似して、母も娘を「もじゃさん」と呼んだりする。「もじゃ」は、髪の毛がもじゃだから。大学生になり、しばらくは髪をストレートにしてたが、夏休みにパーマをかけてカールさせると、本当に「もじゃもじゃ」の長い髪になった。
母が言えば、怒る娘も、兄に「もじゃもじゃ」と言われても、「ふん!」と大事な長い毛先を指に絡ませています。
「もじゃさん」一人前になったね。すっかりおとなになったあなたを、母は少しの戸惑いと不思議な気持ちで見ています。私の背中にいた赤ん坊のあなたと、小学生のあなた、中学生、高校生のあなたがいて、そして今のあなたがいる。
だんだん、母の知らないあなたがいるようになった。
あなたは、赤ん坊のとき、とても髪の毛の薄い赤ちゃんだったよ。ふわふわの茶色の髪があるくらいで、地肌が見えていた。だって、七五三の3歳のとき、髪飾りを留める髪があるかと心配したくらいだから。
私は知らないけど、父である夫は、あなたがほんに小さかったとき、髪の毛の薄いハゲた男の人に「つるっぱげ」と言ったことがあると言います。夫があなたを抱いていた頃の話です。よほど夫は、かなん思いをしたのでしょうね。「つるっぱげのお前がそんな言葉を人に言って、本当にどうしようと思った。」と言います。幸い、言われた方はまだ、小さいあなたなので、苦笑いされたとか。
もじゃさんのあなたを見てふふ、と思う母ですよ。