新潟のラジオパーソナリティや司会などで活動中の遠藤麻理さんの、2冊目のエッセイ、「自業自毒 平成とわた史」。
昨年末に発売され、1月になってやっと購入して読むことができたのですが、個人的には1冊目の「自望自棄~わたしがこうなった88の理由(わけ) 」より面白いと感じました。
1冊目の「自望自棄」は、遠藤麻理さんが新潟の雑誌「キャレル」の連載「四畳半日記」、ラジオパーソナリティを務めるFM PORT「MORNING GATE」で毎週金曜日に読んでいる「遠藤コラム」をまとめたものでした。
今回の「自業自毒」でもそれは載っているのですが、それに加えて「平成とわた史」という、平成の31年間を1年ずつ振り返るコラムも書き下ろしています。
遠藤麻理さんの文章の好きなところは、人柄がすごく素直に文章に表れていることです。
昔から失敗ばかりで落ち込んだりひねくれたりしているのに、常に無駄にポジティブで開き直って感情を爆発させていたりするところが人間臭くて、妙に親しみが沸くのです。
どれだけ毒を吐いても、人を傷付けようとする悪意を感じないのでかわいげもあり、魅力的な方だなと思います。
読んでいると、時折悩んでいる人に対する本当に優しさを感じる言葉に感動させられたり、その一方で常にどこかギャグを入れてきて笑わされたり、遠藤麻理さんの魅力が詰まった本だなと思います。
特に、「平成とわた史」を読むと、どんな人の人生にもドラマがあり、さらに一人の人間の人生の向こう側に日本の歴史が見え隠れしていて、人間と世界は地続きなんだと感じさせられたりする、それが本当に僕は素敵だなと思います。
個人的に、僕が一番好きな本は椎名誠さんの「哀愁の町に霧が降るのだ」なんですけど、それに通じる感動があると思いました。
というか正直に言うと、僕が書きたい本ってまさにこういう日常の面白おかしさを切り取ったコラムみたいな本なんですよね。
いつか本を書くことを夢見ている人間として、素晴らしい本に出会えたなと思いました。
ところで、そもそも僕が遠藤麻理さんを知ったのも、シネ・ウインドの人から1冊目の「自望自棄」を勧められたことで、読んだら気になってラジオ聞いたりするようになりました。
その後、遠藤麻理さんが気になるようになり、北書店でやったRYUTistのともちぃとのトークイベントにも行ったんですけど、それもすごく面白かったんですよね。
あとから知ったんですけど、遠藤麻理さん、もともと本を書きたいって夢があったらしく、コツコツ書いてきた雑誌やラジオのコラムの仕事が出版に繋がってるのが夢のある話だと思うし本当に素敵だと思います。
というかまさに、僕が叶えたい夢を先に叶えた人だなあと思います。
そう考えると、僕が今回の「自業自毒」が1冊目の「自望自棄」より面白いと感じたのは、遠藤麻理さんの文章が上手くなったからなのか、俺が遠藤麻理さんのラジオを聞くようになって親しみが沸いたからなのか、どっちなんですかね。
きっとどっちもあるのでしょう。
ちなみに今回も、シネ・ウインドでサイン入りを購入したんですが、平成イラストのステッカーもついてきました。
僕は行けなかったんですけど、遠藤麻理さんが12/28(土)に、「ゾンビ」のアフタートークに登壇された時に販売したサイン入り本の最後の一冊を僕が購入したようです。