舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

2023年映画ベスト10、監督賞、男優賞、女優賞、そしてワースト5を発表!

2023-12-31 19:45:48 | Weblog
2023年もたくさん映画を観てきたので、そんな2023年の映画を振り返って、ベスト10を出そうと思います!



その前に、まずは2023年に観てきた映画の一覧を発表。

【1月】
気狂いピエロ(特集上映)
そばかす
I AM JAM ピザの惑星危機一髪!
泣いたり笑ったり
シネマスコーレを解剖する~コロナなんかぶっ飛ばせ~
恋人はアンバー
フラッグ・デイ 父を想う日
恋のいばら
ドリーム・ホース
PIG ピッグ
あのこと
ひみつのなっちゃん。
やまぶき
モリコーネ 映画が恋した音楽家
ケイコ目を澄ませて
ファミリア
天上の花
非常宣言
ラーゲリより愛を込めて
BAD CITY

【2月】
BODY TROUBLE 男が女になるビョーキ?
親密な他人
ワタシの中の彼女
そして僕は途方に暮れる
パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女
チョコレートな人々

マッドゴッド
生きててごめんなさい
ミスタームーンライト 1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢
かがみの孤城
イニシェリン島の精霊
愛してる!
スクロール
Visualism blue
Visualism white
Visualism black
銀平町シネマブルース
百合の雨音
対峙
みんな生きている 二つ目の誕生日
ガメラ 大怪獣空中決戦(特別上映)

【3月】
離れ離れになっても
Sin Clock
エゴイスト
いちばん逢いたい人
もう、歩けない男
少女は卒業しない
REVOLUTION+1
ワース 命の値段
エンパイア・オブ・ライト
海難1890(特別上映)
エンドロールのつづき
ただいま、つなかん
百姓の百の声
The Son 息子
零落
Winny
君たちはまだ長いトンネルの中
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
フェイブルマンズ

【4月】
ある用務員(特集上映)
ベイビーわるきゅーれ(特集上映)
ベイビーわるきゅーれ2ベイビー
茶飲友達
劇場版 センキョナンデス
津軽のカマリ(特別上映)
世界の終わりから
BLUE GIANT
アウターマン(特集上映)
メグ・ライオン(特集上映)
超伝合体ゴッドヒコザ(特集上映)
干支天使チアラット(特集上映)
ロバマン(特集上映)
ロックンロール・ハイスクール
ノートルダム 炎の大聖堂
シン・仮面ライダー
トリとロキタ
マイヤ・イソラ 旅から生まれるデザイン
ロストケア
丘の上の本屋さん
浦安市場のこと
ビー・ジーズ 栄光の軌跡

【5月】
search #サーチ2
THE FOOLS 愚か者たちの歌
サポート・ザ・ガールズ
マスター 先生が来る!
せかいのおきく
アダマン号に乗って
Never Goin’ Back
午前4時にパリの夜は明ける
GOLDFISH
ヴィレッジ
「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち
突撃!隣のUFO
餓鬼が笑う
ちひろさん
EO イーオー
銀河鉄道の父
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3
妖怪の孫

【6月】
コンパートメントNo.6
バニシング・ポイント
はざまに生きる、春
ナワリヌイ
共に生きる 書家金澤翔子
オマージュ
小さき麦の花
ニューヨーク1997(4Kレストア版)
雄獅少年 ライオン少年
スパイスより愛を込めて
コロニアの子供たち
波紋
最後まで行く
パリタクシー
渇水
猫たちのアパートメント
岸辺露伴 ルーヴルへ行く
紅花の守人 いのちを染める

【7月】
リバー、流れないでよ
光の指す方へ
ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
M3GAN ミーガン
君は放課後インソムニア
怪物
ザ・フラッシュ
たまねこ、たまびと
All the Streets Art Silent
リトル・マーメイド
忌怪島
先生!口裂け女です!
ウィ、シェフ!
アルマゲドン・タイム ある日々の肖像
オレンジ・ランプ
ヒッチハイク

【8月】
Pearl パール
ランガスタラム
裸足になって
アイスクリームフィーバー
セフレの品格(プライド) 初恋
Single8
1秒先の彼
幻滅
イノセンツ
独裁者たちのとき
食人族
セフレの品格(プライド) 決意
地球防衛軍(午前十時の映画祭)
猫が教えてくれたこと
絶唱浪曲ストーリー
ダークグラス
マッド・ハイジ
尾かしら付き。

【9月】
君たちはどう生きるか
バービー
高野豆腐店の春
レッド・ロケット
ウーマン・トーキング
君は行く先を知らない
エリザベート1878
彼女たちの声
ミンナのウタ
リボルバー・リリー
福田村事件
マイスモールランド
ほつれる
スイート・マイホーム
アステロイド・シティ
戦慄怪奇ワールド コワすぎ!
ぼくたちの哲学教室

【10月】
ダンサー イン Paris
aftersun アフターサン
キリング・オブ・ケネス・チェンバレン
PIGGY ピギー
禁じられた遊び
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル トラヴェリン・バンド
まなみ100%
ルー、パリで生まれた猫
658km、陽子の旅
almost people
さよならエリュマントス
世界のはしっこ、ちいさな教室
あしたの少女
ストールン・プリンセス キーウの王女とルスラン
ギルバート・グレイプ
ロスト・キング 500年越しの運命
ファルコン・レイク
幾春かけて老いゆかん 歌人馬場あき子の日々
国葬の日
ハマのドン
クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男
旅するローマ教皇
白鍵と黒鍵の間に
もったいないキッチン
キリエのうた

【11月】
リゾートバイト
ファッション・リイマジン
わたしたちの国立西洋美術館
バーナデット ママは行方不明

ザ・クリエイター 創造者
死霊館のシスター 呪いの秘密
唄う六人の女
愛にイナズマ
ゲキシネ ZIPANG PUNK 五右衛門ロックⅢ
極限境界線 救出までの18日間
アアルト
ムトゥ踊るマハラジャ
おしょりん
花腐し
目の見えない白鳥さん、アートを見にいく

【12月】
コーポ・ア・コーポ
私がやりました
夢みる校長先生
ゴジラ-1.0
翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて
オオカミの家+骨
ほかげ
人生は、美しい
サーチライト 遊星散歩
燃えあがる女性記者たち
隣人X 疑惑の彼女
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)
ぼくは君たちを憎まないことにした
窓ぎわのトットちゃん
市子
NO 選挙,NO LIFE
ヒッチコックの映画術
あの花が咲く丘で、また君と出会えたら。



はい、2023年もかなりたくさん観てきました!2024年はもっと減らそう!



というわけで、2023年映画ベスト10、発表していきます!



2023年映画ベスト10





第1位 そばかす

三浦透子さん演じる他人に恋愛感情を一切抱かない(いわゆるアロマンティック・アセクシャルと思われる)主人公が、周囲と分かり合えなさを感じながら生きていく人間ドラマ。自分は恋愛感情がないわけではないものの、世間一般の恋愛の常識みたいなものが自分に合わずに周囲との分かり合えなさを感じることが多い人間なので、主人公の戸惑いには思わず自分のことのように共感してしまいました。いわゆる性的マイノリティを描いた映画は増えていますが、決して当事者でもなくても、映画を観た人間が自分のことのように考えてしまう、そういう力が映画にはあると思うし、映画だからできる表現だと思う。友達として好きだけど恋愛感情がないだけ、という当人にとっては当たり前のことが伝わらないもどかしさ!さらに主人公はあくまで真面目な人間で、好きな映画の話をしているのに周囲の雑な映画トークに反論してしまう場面も思わず共感!さらに、元同級生の元AV女優の役で前田敦子さんが出てくるのですが、彼女の当たり前のように主人公のことを肯定してくれる存在感には救われる気持ちに。最後まで周りと分かり合えない主人公の前に、共感してくれる人物が現れてちょっとだけ救われるラスト。人生、捨てたもんじゃない。こんなにいい映画を、なんと新潟では年末年始の1週間しかやらなかったのだ!何でだよ!2023年最初に観た映画がそのままベストになりました!





第2位 戦慄怪奇ワールド コワすぎ!

白石晃司監督のフェイクドキュメンタリー(と言いながら無茶苦茶やりまくる)ホラーのシリーズの最新作。この映画を観るために全シリーズを観てから映画館に行ったので、あの「コワすぎ!」ワールドが大スクリーンで観られて感激!物語は、とある廃工場で幽霊を撮影してしまった少年少女と共に現場検証に向かったコワすぎ!一行が予想を超える体験をする。渋すぎる霊能力者とハイテンションギャル霊能力者のキャラ濃すぎな2人組と共に、何度も時空をジャンプしながら超常現象に戦いを挑むホラーアクション。それを編集の技術で「ワンカット」と言い張る面白さ。本当にワンカットで撮影した「カメラを止めるな!」のロケ地で撮影しているのも完全に狙ってますよね。それだけでもぐっとくるのに、この映画、感動もする。というのも、ずっと悪霊だと思っていた幽霊は、実は過去に悲しい体験をした一人の登場人物の親友だった。だから、どんなに幽霊だろうとちゃんと守るコワすぎ!一行の優しさ。また過去に戻った場面で幽霊になった彼女が敵に襲われる場面も、歴史が変わろうがやっつけろ!な熱い想いに思わず涙。さらにそんな敵キャラの正体は、主人公、工藤の中にあった暗部が具現化したものだった。これまで散々誰彼構わず暴力的だった工藤が、最後は自分の中にある暴力性と決別するべく何度だってぶっ殺す!ハイテンションホラーでも、人間らしさを忘れないいい映画だと思います。





第3位 銀平町シネマブルース

妻と離婚し家も仕事も失った元映画監督が、小さな映画館に出会って住み込みで働くことに。そこでは映画館の従業員も常連客も個性豊かな人物ばかり。映画好きのホームレスのおじさんは映画に救われる。そして、新人映画監督の女性は夢を抱いてやってくる。そんな彼らが力を合わせて、映画館の再起をかけた一大イベントを開催。そこで主人公の映画は上映され、別れた家族とも再会。たとえ一日だけの再会だったとしても、また彼は歩き出す。他にも登場人物一人一人にドラマがある群像劇になっていて、観ると全員が好きになる。みんなの個性や力を合わせて映画館のイベントを盛り上げたこの物語のように、たくさんの俳優さん達がこの映画を作り上げたんだろうなあと思うと、とても温かい気持ちに。映画が好きで良かったなと思える映画。さらにシネ・ウインドというミニシアターで観られたのも嬉しかった。これからも映画館に行こう。





第4位 Single8

「スター・ウォーズ」に憧れた特撮大好き男子高校生たちが、一夏かけて特撮の自主映画の撮影に挑戦!そこで登場するアナログ特撮の技術の一つ一つが、CGが当たり前になった時代に見ると「こんなやり方を工夫しているのか!」と面白いし、そこに少年達が挑戦する姿が生き生きしていて思わず応援してしまう。だからこそ、最後に映画が完成して上映する場面では、あの撮影がこの場面に!と感動。映画に出演してくれた女の子とちょっといい感じになるのに、最後は何事もなかったように彼女は離れていってしまう、そのほろ苦さもいいんだよね。それでも腐らずに、これからも映画を撮るぞと燃える主人公。いいぞ、そのガッツ!そもそも、この映画は監督の少年時代を描いた自伝的な物語らしい。こんな青春を送り、こんな自主映画を撮った少年が大人になり、その思い出を元にこんなに素敵な映画を撮った。素晴らしいと思う。





第5位 ベイビーわるきゅーれ2ベイビー

女の子二人組の殺し屋コンビの超絶アクションとニートのダラダラしたキュートな日常のギャップ、そして熱い友情にグッとくる「ベイビーわるきゅーれ」の第2弾。今回も2人の社会不適合者すぎるダメダメな日常はもはや他人とは思えないレベルであまりに愛おしすぎる。そして今回は2人の命を狙う殺し屋の兄弟も登場するのだが、彼らも彼らで殺し屋として生きて行くには金がなさ過ぎるから、あの2人を殺して名を上げようとしていたのだ。そう、殺し屋ではあっても彼らには彼らの事情があるのだ。そんな両者の思惑が複雑に絡み合いながら次第に接近していく下りをスリリングかつコミカルに描くからどんどん引き込まれる。そしてそんな両者がついに最終バトルで激突するクライマックス。アクションに引き込まれながらも、もし彼らが敵同士ではなく味方だったらきっといい仲間になれたんだろうな…と思うと号泣。殺し合いの中で築かれる友情もあるんだな。終わってほしくなかった戦い、終わってほしくなかった映画でした。





第6位 ほかげ

戦後、趣里さん演じる体を売って生きている貧しい女性の家に、食べ物を盗むために忍び込んだ少年。さらに、客として上がり込んだはいいが疑似家族を築いてしまう帰還兵の男性。しかし、そんな幸せは長続きしない残酷な現実。さらに、少年はずっと拳銃を隠し持ち、その拳銃を使って森山未來さん演じる帰還兵の男と行動を共にする。彼は戦場で自分達を苦しめ仲間を殺した上に戦後は裕福な暮らしをしていた上官への復讐を企てていた。その現場を目撃した少年は女性の元に戻るが…戦争が終わってもすぐに誰もが平和になるわけではなく、誰もが貧しく、憎しみや苦しみを抱えて生きていた戦後の現実。しかし、その憎しみの連鎖を断ち切り、どんなつらい想いをしても暴力ではなく誠実に少年は生きていけるのだろうか。彼の存在こそが日本の未来に残された数少ない希望であり、その可能性は現代を生きる私達一人一人に突き付けられている。





第7位 ケイコ目を澄ませて

岸井ゆきのさん主人公は、聴覚障碍者にもかかわらずボクサー。聴覚を持たない分、視覚を研ぎ澄ませて生きている。その常に世界と全神経で対峙している主人公の存在感が凄まじい。そして、そんな常に臨戦態勢のような彼女にも、人間らしい悩みや感情もあり、それが真剣な表情の下に見え隠れする。そもそも主人公は言葉も発しないのだが、台詞なくても人間はここまで感情を表現できるのかという感動がある。さらに、視覚も聴覚も健康な自分がこの映画を観ていると、視覚も聴覚も研ぎ澄まされていくような気持ちになり、あらゆる音や映像にも敏感に察知できるようになってしまう。なんというか、こちらの感覚まで研ぎ澄まさせる映画。映画はここまで色々なものを表現できる豊かなものだと、今まで見過ごしていた大切なものにもちゃんと目や耳を向けようという気持ちに。





第8位 I AM JAM ピザの惑星危機一髪!

俳優の辻凪子さんが活弁の面白さを伝えるために、監督、脚本、主演を担当して、活弁映画を現代に蘇らせる。僕が観た回は実際に活弁師さんをシネ・ウインドに呼んで上映していたので、無声映画に目の前で声で物語を吹き込む活弁映画が、こんなに面白いのか!と感動。そして物語はまるで手作りの人形劇や紙芝居のような夢いっぱいのファンタジーの世界で、手作りの温かさに溢れている。さらに物語も「オズの魔法使い」のように冒険して夢を叶えるという希望に溢れている。さらに活弁上映では辻凪子さんが映画に合わせてスクリーンの前でパフォーマンスまで!映画全体から、活弁という映画の歴史を大切にする想い、そして子供も大人も幸せにしたいという気持ちが伝わり、心から幸せになりました。





第9位 翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて

埼玉県をはじめ関東の都道府県の自虐的ネタを無駄に誇張させた前作の続編。今作は、埼玉県に海を作るべく和歌山の海岸を求めて旅立った彼らは、大阪、兵庫、京都が滋賀、奈良、和歌山を支配する関西の勢力争いに巻き込まれていく。今回は関西のあらゆる府県のご当地ネタ、特に自虐ネタや、名物、方言などを誇張しすぎてイジり倒すので、敵と味方に別れてはいるがどの県も嫌いになれない。基本的はバカに徹した茶番劇なので、ここまで下らないことを全力でやるのかと感動する。戦争みたいな展開もボケ倒してパロディ化することでイデオロギーや人間の死という重さ抜きで描けるのかという発見が。また、支配されていた弱者が支配している強者に立ち向かうという実は王道の熱い物語でもある。さらに、郷土愛は人を救うが、その郷土愛が衝突すると争いが生まれるという、実は深いテーマも描いている。そんな実は深い映画を、あくまで茶番劇として全力でボケ倒して表現している。日本のコメディ映画はここまでやれる!





第10位 先生!口裂け女です!

不良グループとつるみ、原付泥棒をしていた悪ガキ高校生グループは、うっかり口裂け女(普通にアパートに住んでいる)の原付を盗んでしまう。そこで襲ってくる口裂け女。そこで悪ガキと口裂け女のバトルが始まるアクションホラー映画か…と思いきや、なんと友情を築いてしまう!そう、あらゆる都市伝説では恐怖の対象だった口裂け女だが、本作では愛する者に傷付けられた悲しい過去を持った(故に口が裂けている)という設定。そう、口裂け女だってただの妖怪じゃなくて必死に生きている人間なのだ!この優しさは「戦慄怪奇ワールド コワすぎ!」の幽霊にも通じるものがありますね。しかし、口裂け女よりも悪く怖いのは人間…そう、不良グループが主人公達を襲ってくるのだ。さらに主人公を守るために矢面に立とうとする父親さえも…そんな中、助けに来てくれたのが、そう口裂け女!最後は悪い奴等を口裂け女がやっつける超絶アクション!「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」に並ぶ、激熱アクションでした。



こんな結果になりました!
今年は偶然にも全部日本映画になりましたね。



今年は面白い映画を本当にたくさん観たので、10本だけに絞るのにかなり悩みました。
せっかくなので、20位くらいまで載せておきます。




第11位 あしたの少女
第12位 658km、陽子の旅
第13位 共に生きる 書家金澤翔子
第14位 ナワリヌイ
第15位 さよならエリュマントス
第16位 花腐し
第17位 劇場版 センキョナンデス
第18位 Winny
第19位 非常宣言
第20位 愛にイナズマ




ちなみに、監督賞、男優賞、女優賞は以下の通り。

監督賞 辻凪子
(「I AM JAM ピザの惑星危機一髪!」で活弁映画に挑戦したガッツを称えて。あとシネ・ウインドに来てくれて嬉しかったから)

男優賞 中島歩
(「銀平町シネマブルース」の売れないイケメン俳優もいいけど、やっぱり「さよならエリュマントス」のハイテンションのクズアイドル運営が最高すぎたので。でも「スイート・マイホーム」みたいな渋い演技もいいね)

女優賞 さとうほなみ
(「銀平町シネマブルース」の主人公の別れた妻、「花腐し」の2人の男性の元恋人。どちらもとても魅力的な女性でありながら、しっかり自分の意志を持っていたり、人間らしさを持った人物を演じていたのが素晴らしかった)(ちなみに、「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」「セフレの品格(プライド)決意」「Single8」の髙石あかりさんと最後まで悩みました!)



と、ここまでは面白い映画について語ってきましたが、せっかくなのでワースト5も発表しておきます。
去年は面白くない映画をあえて友達と観に行く遊びをしたのでワースト10くらいまで出していましたが、今年は面白くなさそうな映画は極力観なかったので大体面白い映画でしたが、その中でもこれは期待外れだったなというものを5本出します。





ワースト5位 少女は卒業しない

え!?これがワースト!?ベスト10に入れている人もいるのに!?と驚いた人も多いでしょう。確かに、4人の女子高生それぞれの卒業式の前後を描いた人間ドラマは深く作り込まれていて、4人の俳優も演技が非常に上手く、完成度の高い映画だとは思う。ただ、どうしても納得いかないのが、これだけ色々な人物が登場する群像劇なのに、全員が「卒業は切ない」という気持ちを抱えていて、「こんな高校さっさと卒業させろ!」という葛藤を抱えた人物が一人も登場しないのだ。そこに大きな違和感がある!何故なら僕がそういう高校生だったからだ!こんな卒業ドラマ納得できるか!共感度0だよ!というわけで、評価が高い映画でもこういう意見を持つ人間もいるのだ、という意志を示すためにワースト5位。





ワースト4位 銀河鉄道の父

宮沢賢治の子供時代、青春時代を父親の立場から描くのだが、展開の一つ一つが取ってつけたような不自然なものにしか見えず、まったく物語に引き込まれない。それなのに「はいここで感動してください」みたいな場所が安直すぎて興ざめする。さらに戦前の東北地方なのに全然夜も暗くないし冬も寒そうじゃない、あの現実感のなさは致命的。個人的に宮沢賢治が大好きなのでかなり期待して観に行ったのにかなり期待外れ。役所広司、菅田将暉、森七菜、坂井真紀、田中泯などいい俳優ばかり集めてこんなに面白くないってどういうことだよ。





ワースト3位 あの花が咲く丘で、また君に出会えたら。

2023年は面白くなさそうな映画をあえて友達と観に行く遊びをほとんどしなかったのだが、一年の最後に観に行ったそういう映画。現代の女子高生が戦時中にタイムスリップすることで、戦時中の狂った現実を批判的に描く、というテーマは悪くないのだが、戦時中の描写の完成度があまりに低い(誰も食べ物に苦労していない、特攻隊の背景や感情描写が雑、空襲を受けた翌日なのにどこも燃えていない、等)。結果、女子高生の特攻隊員の恋愛という展開の違和感だけが際立ち、ただ戦争をネタにした感動ポルノという戦争を描く上で一番やっちゃいけないものにしかなっていない。テーマはダメでもエンターテインメントとしてはどうなのかといえば、主人公が現代に戻りたがる描写や戦時中に戸惑う展開の描き方がほとんど描かれずに不自然なので、そこも面白くないという。やっぱりダメでした!





ワースト2位 ゴジラ-1.0

いや、ゴジラの映像はいいんですよ。特に海がから襲ってくる場面とか迫力ありました。ただ、いい俳優ばかりなのに台詞が説明的すぎてかえって気持ちがまったく伝わってこない人間ドラマ、物語全体が説明的すぎて先の展開が読めすぎて驚きや感動がないなど、あまりに勿体ない。山崎貴監督っていつも、お金もかかって映像に力も入っているのに、「もっとこうすれば面白くなるのに!」があまりに多すぎる勿体ない映画ばかり作りますよね。さらにセットには力が入っているのに戦後を生きた人間のリアルな存在感がないし、反戦的な台詞も一応あるのに物語から戦争を本気で反省している作り手の気持ちがまったく伝わってこない。「ほかげ」「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」「窓ぎわのトットちゃん」を見習ってほしい。「あの花が咲く丘で、また君に出会えたら。」同様に、戦争を描くならちゃんとやってくれ。





ワースト1位 シン・仮面ライダー

初期の仮面ライダーを現代で表現した映画なのだが、「仮面ライダーをやりたい」以外の描きたいテーマがまったく伝わってこない。何だその映画。初期の仮面ライダーのオマージュにこんなに力かけてます…じゃないんだよ。これは映画なんだ。物語を描いてくれ。つまらない映画なのに過去作のオマージュだけでオタクが内輪ノリで盛り上がる、はっきり言ってクソすぎる。一応、最初の方が力を持ってしまった主人公が正義とは何か、力とは何か…みたいに悩む場面もあるのだが、最後までまったくそれが描かれない。さらに、敵キャラが一体何をしたいのかが、一応軽く台詞では説明するだけなので、まったく見えてこないし危機感も伝わらない。だから、ヒーロー映画なのにヒーローが頑張る目的も見えてこなければカタルシスもないという、本当に致命的な映画だと思う。個人的に庵野秀明監督の「シン」シリーズは、「シン・ゴジラ」も「シン・エヴァンゲリオン劇場版」も好きなのだが、これにはがっかり。庵野脚本で樋口真嗣監督の「シン・ウルトラマン」も正直微妙ではあったが、これに比べれば全然面白かった。オタクよ、庵野秀明を甘やかすな。



以上の結果となりました!
ただ、面白くなかった映画に限って考察したりしたくなるので、あとから自分にとってかけがえのない一作になる可能性もある…



はい、そんな感じで2023年も色々な映画が観られて楽しかった!
2024年も映画が楽しみだ!そして見逃した映画はどこかでまた!
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