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湘南空手道連盟OB会

1979年に設立された謎の空手団体

113 さとみとの再会

2015-05-10 12:00:00 | 悲願熱涙編
「とにかくキチンと卒業しよう」

とりあえず3年に進級しならなければ話にならない。

おかげで倦怠感は完全に消えていた。


そんな時

女から電話があった。

『順子か?』

受話器を取ったら

「お・ ひ・ さ・ し・ ぶ・ り」

なんと さとみだった。

「時間ある?」

「あるよ」

「どこで会う?」

「横浜珈琲」

「OK」


やっぱりいい女だ。

順子とは正反対独特の虚脱感がいい。

「順子さん、九州行っちゃったんだね」

「よくご存じで」

「及川も落ち込んでるみたい(笑)」

「えっ、だって さとみさんがいるじゃん」

「まあ続いてるけどね」

『面白くねえ~』

「まあそれはどうでもいいんだけど」

「何?」

「小松とか渋谷たちとは縁切ったから」

「それは良かった。切った方がいい」

「で、証人になってほしいんだ」

「何の」

「私は不良じゃなかった、って」

「なんだそりゃ」

就職が内定したそうだ。



112 失敗

2015-05-09 22:00:00 | 悲願熱涙編
心地よかったのはそこまでだった。

1時間は経っていないと思う。

「き、気持ち悪りい!!!」

もの凄く気持ち悪くて目が覚めた。

とにかくガンガン吐き出した。

「げえええ!」

何回でも吐かないとおさまらない。

しまいに吐くものがなくなった。

でもダメだった。

考えている暇はない

ザッパーン。

池に飛び込んだ。

ぬるぬるメチャクチャだったが

池の水を飲んだ。

「ぐええええ~」

指を突っ込む必要もなかった。

気持ち悪いので

どんどん吐けた。

「ゴクゴク!」

「ゲロゲロゲロ~!」

の繰り返しである。

どのくらい繰り返しただろうか?。

なんとかおさまったので

また陸上に戻った。

メチャクチャ寒いが気持ち悪いよりはずっとましだ。


 『ああ~、死ぬかと思った 』


クソ寒い真夜中、バイクで低速で家に帰った。


これ以後 二度とバカな考えを起こすことはなかった。


111 自殺

2015-05-09 12:00:00 | 悲願熱涙編
数日後 

新横浜に博多行き最終列車お見送り。

「来てくれたんだ」

及川も洋子ちゃんもいなかった。

「卒業したら九州に就職するよ」

「突っ張らないの。でもありがとう」

握手するのが精一杯だった。


俺には必ず始点に戻ろうとする困った癖がある。

順子を新横浜で送った後

三ツ池公園にいた。

バイクに乗ったままぼっとしていた。

あれこれ考えてきたが万策尽きていた。

スィングトップに及川が置いて行った睡眠薬ビンが入っていた。

『これ全部飲むと死ぬのか』

衝動的に飲んでいた。

『凍え死にか』

しばらくして朦朧としてきた。

『どうでもいいか』

『享年17歳か、終わったな』

不思議と心地よかった。


110 失恋② また九州

2015-05-08 22:00:00 | 悲願熱涙編
順子から呼び出された。

いきなりとんでもない話しをきり出してきた。

「叔母さんのウチに行く事になったの」

「どこ?」

「大分」

何にも言えなかった。

「今まで本当にありがとうね」

『そんなの嫌だ!』

とか言えれば良かったと今でも後悔している。

ショックが強いと動きが止まる。

ずっとのちにして気がつくのだが
親父が他界した時も
赤坂がなくなった時も涙は出なかった。

しばらくしてガクッとくるのである。

 そのままあれこれ事情を聞いて

「そうか」

「さびしくなるけど頑張ってね」

『まったく落ち着いたそぶりしてる場合じゃないだろ』

いたしかたない。

俺も大したことはない。


109 菊名乱闘

2015-05-08 12:00:00 | 悲願熱涙編
「おい、みてんじゃねえぞ!」

一応ツッパリなんだろうがただのデブだ。

相手していなかったが

よってきて あ~だこ~だ言ってきた。

絡まれるのは9カ月ぶりくらいか

久しぶりだ。

とりあえず殴らせた。

そのままパンチを上下に突き数発

そのまま左足刀でけっ飛ばした。

線路に落っことした。

あとはお決まり通り逃げようとした。

駅員がとんできた。

「何してんだ!」

俺に怒鳴ってからすぐにデブを助けに行った。

「君が絡まれたのが先なのは見ていたが やりすぎだ!」

「見てたんなら早く止めて下さいよ」

我ながら態度が悪い。ふてくされていた。

「今度またやったら捕まえるよ!」

「ありがとうございます。このデブにもキチンと言っておいて下さい」


しかし見られていたようだ。

翌日部室で

「お前また暴れてるんだって。そんなことやってると卒業できねえぞ」

森田部長に怒られた。

本間も心配してくれている。

申し訳ないが かなり荒んでいた。