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湘南空手道連盟OB会

1979年に設立された謎の空手団体

108 失恋①

2015-05-07 22:00:00 | 悲願熱涙編
年明けて初めてのデートだった。

上野動物園の帰り横浜の喫茶店で

久美子さんから別れ話を切り出された。


しょうがないと思った。

好きなんだったらもっと積極的であるはずだ。


十分可愛いので嫌いじゃないのだが

やはり心ここにあらず


がっかりするより申し訳なかった。


数日後 丸山から連絡があり


「ごめんなさい。今知ったの。なにもできなくて」

「いや、俺が情けないだけ。申し訳ないのはこっちです」

「また他の子紹介しようか?」

一瞬まよったが もう俺の心は決まっていた。

「申し訳ないからいい。また頑張るよ」


それまで冷たかった竹生が一転

「えっ、別れたんだ。大変だったね~」

笑顔だ(苦笑)。正直な奴だ。

まあ 野郎同士のこういう会話は逆に助かる(^_^;)。


しかし

数日後さらに追い打ちがかかる。

107 1975年 鎌倉初詣

2015-05-07 12:00:00 | 悲願熱涙編
鶴岡八幡宮に初詣だ。

久美子さんは 

「さすがに夜は~」

ということでダメ。

増田から「鶴岡八幡宮に行くぞ」

と電話があり

竹生・増田そして芦原で

鎌倉に行く。

大きな所へ初詣に行くのは初めてだ。

びっくりしたのが除夜の鐘が

なったとたんに後方から投銭がどんどん飛んでくる。

後頭部にガンガン当たった。

後で見たらコートのバッフルにけっこう小銭が入っていた。

「儲かったか」

と思ったがこれがいけない。この年は本当に大変な年になるのだ。

帰りがけに大倉山で井上や平戸、文夫たちに会う。

むこうはペアペアラブラブである。

見せつけられて とどめに

「僕たち今からお○○こ大会。君たち今からせ○○り大会」

とか言われた。

「お前のせいだ」と竹生が俺に怒りだした。

「いちおう俺 彼女いるんだけど」

「帰れ!」

情けない年始だ。


106 鎖骨骨折

2015-05-06 22:00:00 | 悲願熱涙編
一瞬のスキだった。

飛び込み前転受身 馬10人飛びで失敗 肩からモロに落ちた。

白帯だったら仕方ないが

仮にも柔道茶帯である。何やってるやら。

いろいろありすぎた。

山添がさすがに事態に気がついて

先生に診せてくれた。

「あ、折れた」

すぐ先生に近くの整形外科に連れて行かれた。

「手術しないとダメですね」

断った。

このバタバタしている時に行動制限されるのはいやだった。

先生も賛成してくれた。

地元の志村整形外科に行った。

「大丈夫ですよ。ギプスで3週間我慢して下さい。若いから大丈夫」

ホッとした。おかげで年越す前には完治していた。

夏だったらかゆくて大変だっただろうがある意味不幸中の幸いである。


しかし

さすがに道場は行かず もちろん遊びにも出られない。

おかげで周囲で何が起きているのかわからず困った。


この当時スマホでもあったら(笑)事情はまったく違ったのだろうが。


おかげで何も気がつかないうちに1975年を迎えるのだ。

105 同伴喫茶②

2015-05-06 12:00:00 | 悲願熱涙編
しばらく黙っていた。

実は今でも後悔している。

しかし若すぎたのだろう。

「ふざけるな」

「ふざけてるのは村田だ。お前はそうやって時々逃げるからな」

今思えば正論だ。

「及川には感謝している。でもこれはダメだ」

しばらくして俺を見て

「やっぱりな。でもお前一生結婚できねえぞ」

 『ほっとけ!』

「先に帰るよ。あとは村田の好きにしろ」

とっとと帰ってしまった。

『おい どうしろってんだ?』

けっこう経ってから順子が回復した。

「ごめん、なんか疲れてるみたい」

「送ってくよ」

だがすぐ気がつかれた。

薬の瓶が置いたままだった。

『ヤバい』

誤解されたくなかったがどう説明して良いかわからなかった。

「それ及川の薬じゃん。先帰ったんだ?」

「ああ」

全部見抜かれたようだ。逆に気が楽になった。

川崎から矢向まで距離があったが

フラフラしている順子を肩で支えて歩けたのが嬉しかった。

「ありがとう、及川のこと攻めるなよ」

「うん」

まったく どっちが女なのか。

「年明けたらまた会おうね」

とりあえずホッとしたが気が抜けた。

しかし動揺はぬけていなかった。

とんだ大怪我をしてしまうのだ。

104  同伴喫茶

2015-05-05 22:00:00 | 悲願熱涙編
「ちょっと話がある。人混みは避けたい」

と言って及川から連絡があった。

及川に誘われて順子は嫌がったが3人で同伴喫茶に入った。

アングラな雰囲気でヤバい感じがした。

「さとみの件?」

「まあね」

あれこれ話しているうちに順子が ねむそうだった。

「疲れてんじゃない?」

「少しね。なんかだるい」

そのうち本当に寝てしまった。

『やれやれ、疲れてるのに悪かった』

と思っていたら

いきなり及川が

「村田、やっちゃえ」

「ああ?」

「何言ってんだ。張り倒されるよ」

まだ事態を把握していなかった。

「大丈夫、しばらく起きないって」

もしかして?

「おい?なんかしたのか?」

「これ」

銘柄も何もわからなかったが睡眠薬だというのは
すぐ想像がついた。

可愛い顔して寝ている。

及川が追い打ちをかけた。

「チャンスだよ。好きなんだろ」