くもり空の下で……

アルコールとギャンブル。依存症からの回復と成長を目指しながらの日々の雑感を発信。趣味の渓流釣りなども公開しています。

ある仲間の『今日一日』

2017-07-31 01:24:53 | 日記
深夜、「ギャンブル依存」 についての番組がやっていた。

思わず食い入るようにテレビを観てしまった。


奈良にある中間施設に入所している人達の様子に密着している番組だった。

「治癒はしないが回復はある」 とか 「埋め合わせ」 などの用語が度々使われていたので、おそらく12ステップを活用している中間施設だと思われる。


その番組の中でカメラは、ある男性に密着していた。仮名だとは思うけれど、そのHさんと名乗っていた方はモザイクもかけずにテレビに出ていた。



「スゲーな、この人。

それとも、ただのバカなのか?」





私もそのHさんも、同じ病気(ギャンブル依存症)を持ち、なおかつ同じ自助グループ(GA)に通っている仲間であると思うけれど、私はまだそのHさんのように世間に顔を堂々と見せ、「ギャンブル依存症の○○です。」……などとは私はとても言えない。

………というか、わざわざ「私はギャンブル依存症です。」などと公に晒す必要はないと思うがw


その番組を観ながら、私もHさんと同じ病を持ってはいながらも




「この人重症だわ~。オレはこの人よりはまだマシかも………」




などと不謹慎かもしれんが、正直に言えばそう思ってしまった。




Hさんは長らく迷惑をかけてきた母親に対しての"埋め合わせ"をするため、施設から外出許可をもらい、奈良から関東に住んでいる母親のもとへ出向き"埋め合わせ"(今までの謝罪)を行っていた。

だが、なんと、その埋め合わせを済ませたあと、奈良の中間施設へ戻る途中、取材カメラが密着している最中にも関わらず、Hさんは外からパチンコ屋の中の様子をボーッと眺めていた。
そして、次の瞬間、何を思ったのかなんの躊躇もなく店内に入っていった。


思わず


『おいおい。ダメでしょ、それ。』


………とテレビに向かってツッコミを入れてしまった。


打つこともなく、すぐにそのHさんは店内から出てきた。
密着取材をしていたテレビのスタッフから 「今、店内入りましたけど大丈夫なんですか?」…………と聞かれていたが、Hさんは

『あ、いや、好きな機種があったものだから、回転数が気になって見てきただけですよ、北斗のね。昔よく打っていたんですよ。』



……などと、言っていたが、





私的には
それ、ダメですから✋
完璧にスリップですから〜〜






なんで12ステップを日々やっていながらそんなことも解らねーのよ。
ダメだこの人、やっぱ重症だわ。




………と思ってしまったが、
それよりなによりも、店から出てきたHさんの顔が、母親に埋め合わせをしていたときの顔とは別人のように目つきが変わり、ギラついた目をしていた。
それを見て、
『ゾクッ』……と寒くなるような感じを私は受けた。

まず普通の人(健常者)なら、打たないけど回転数(データ)が気になって店内に入店する………などという人はまず居ないだろう。






多分、Hさんにしてみたら
「打つわけじゃないし、少し店内に入るぐらいならいいだろう……」

という軽いノリだったとは思うけれど、


『その軽いノリで今までずーっと、大ケガしてきたでしょ、アナタも私も。』






…………と、言いたくなった。



普段、日常の生活の中でも、パチンコ(パチスロ)に対する強迫観念は常につきまとう。
その強迫観念はこのHさんに限らず、私にとっても一生消えることはない。
だが、その強迫観念を自ら認めることにより、スリップの危険を回避していくことは可能だと思う。







きっとこの番組がオンエアされて施設のスタッフが見たら、間違いなくステップのやり直しをHさんは言い渡されるはずだと思う。







あるギャンブル依存症の方のブログの中で

「パチ屋のトイレを借りてスリップするぐれーなら、クソ漏らしたほうがマシだわな。」



……と書いてあったが、「まったくその通りだな」と私も同感だった。



・打つわけではないし、少し入ってみるか。
・知人との付き合い(又は待ち合わせ)なだけだし、休憩がてらチョット。
・トイレ借りるだけならいいだろ。



上に掲げた3つの感情。
これは何十年も回復の道を歩いてきた人ならばそういう理性の働きも可能なのかもしれないが、回復の道を歩き始めたばかりの人(私も含めて)には非常に危険な考えだと思う。






ステップ①
私たちはギャンブルに対して無力であり、思い通りに生きていけなくなっていたことを認めた。






「自分はもう大丈夫」





あまり、そんな気持ちは持たないほうがいいような気がする。

なぜなら、そんな自分自身に今まで、何回、いや何十回と裏切られてきたか、身をもって知っているはずなのだから…………














































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