くもり空の下で……

アルコールとギャンブル。依存症からの回復と成長を目指しながらの日々の雑感を発信。趣味の渓流釣りなども公開しています。

閉ざされた時間

2018-02-11 19:03:05 | 日記





今日は半日だけ仕事。


午後はとくに予定もなかったので病院へ行ってきました。




お見舞いに。





最近は私自身がミーティングへあまり行っていないせいでもあるのか、AA、GAについての記事も減ってきていますね。
これがいい傾向なのか、悪い傾向なのかは自分自身でもよく解りませんが、このブログ自体が断酒、断ギャンブルへ向けてのブログでもありますので極力脱線しすぎないように心がけてはおります。

趣味の渓流釣り、ハンドメイドルアーなども綴ってはおりますが、やはり依存症、AA,GA関連のブログと、趣味に関してのブログは別々に完全に分けておく方がいいのかもしれません。
ブログ移転も思案中です。




今日は私がかつて、2年前のちょうど今頃にアルコール依存症で入院していた病院へ行ってきました。
最近では、外来通院ですら昨年の10月以来行ってはいなかったので約4ヶ月ぶり。

病院のすぐそばには大きな川があります。
堤防道路に車を停めて、2年前のことを思い出していました。


病棟の窓からこの景色を眺めていた2年前……




「もうオレはダメなのかな………
社会には戻れないのかな………

もう、釣りもできないのかな………」





そんなことを考えながら病棟で過ごしていた2年前。


あれから2年経った現在、少しずつ、ホントに少しずつではあるけれど、あの頃よりも夢も希望も、そして…欲も出てきた。









今日はKさんのお見舞いへ。



病院へ来る途中にあるスーパーで、彼の好きなかりんとうとジュースを買ってから病棟を尋ねました。

Kさんは昨年の11月から入院している。
私にとってはAAの仲間、かつて私が入院していた頃にはKさんと同じ病室でもあった。

退院してからはお互いに同じグループのAAミーティングへ通い、私にとっては仲間でもあるけれど"同士"のような存在でもあるKさん。




そんな彼の突然のスリップ、そして連続飲酒へ……

昨年の11月。私的にはかなりショックな出来事だった。
(Kさんに関する過去記事⤵)
Kさん - くもり空の下で……




あれから三ヶ月。
そろそろ冷静に自分自身のことを考えられるようになっている頃、もしかしたらすでに退院しているかも……と思いながら精神科病棟のインタホンを押しました。

看護師:
「はい。」

私:
「あの、Kさんいらっしゃいますかね?
○○といいますが、面会できましたらお願いしたいのですが。」


看護師:
「あー、居ますよ。チョット待っててくださいね。」



しばらくしてから閉鎖病棟の扉が開いた。

すぐに通してもらえるとは思ってもみなかった。
普通、精神科病棟に入院している患者に対しての面会は、患者本人に確認した上で成り立つものだと私は考えていた。
そうしないと、患者、看護師、面会者の間で何かとトラブルになるケースも多い。
なので看護師は細心の注意を払っておかなければならないはずなのだが、あまりにアッサリだったので少々面食らってしまった。

私もかつては入院していたこの病院にはアルコール依存症以外にも様々な病気を抱えている人たちが入院している。
アルコール依存症、うつ病、拒食症、OD(オーバードーズ)、統合失調症、その他……

そんないろんな人が入り乱れている中でも、アルコール依存症の患者は比較的おとなしい存在。(あくまでも私目線で)
酒が入るとタチが悪い人はアルコール依存症者でなくとも世の中にはいっぱい居ると思う。
飲まなければ借りてきた猫のように穏やかなのに、一旦酒が入ると人格が変わったように怒って乱暴になってみたり、泣きまくったりするような人。
もしかしたらアナタの周りにも一人ぐらい居るのではないでしょうか。

Kさんはまさにそんなタイプ。






看護師に部屋まで案内され、久しぶりにKさんと対面した。以前にAAミーティングで会って以来だったので約半年ぶりの再会。
私が思っていたよりは元気そうなKさん。



私:
「Kさん、思ったより元気そうじゃん。
酔っぱらって電話かけてきたの覚えてます?、スリップした言い訳を延々とオレにしてましたよ(笑)」




と私が聞いてみると、Kさんはバツ悪そうに「えっ?そうだっけ?」……と笑っていた。




…………
…………
…………

それから、しばらくKさんといろんな話をしてから私は病棟を出てきました。


私:
「じゃー、また。」



Kさん:
「うん、ありがとね。それじゃ。」







『ガチャン』というロックされた音と共に再び閉ざされた空間。






私:
「退院したら、またミーティング行きます?」





Kさん:
「うん。
………行く、つもりだけどね。」







私:
「いやー、スゲーっすね。
オレはスリップはしてないけど、もしスリップしてしまったのなら………

多分……オレなら、もうミーティングには行かなくなっちゃうかもしれないですね。」






……………この先、KさんがAAミーティングに戻ってくるかどうかは分からない。
でも、もし断酒して生きていきたいという想いがあるのなら、きっと戻ってくると私は思っています。




AAは、


「戻ってきなさい。」


と強要するようなことは言いません。






それは当事者本人が決めるべきこと。






閉鎖病棟に三ヶ月。
未だにKさんは院外への散歩すら許可されてはいない。




どうでもAAなどに戻って来なくてもいい。



けれど、


あの狭い、閉ざされた空間の中だけでいつまでも過ごす日々だけでは、なんだか勿体ないな。。。



私もかつては、出たくとも出ることのできない "あの空間" にいたからよく分かる。





時間は待ってはくれない。






外界と交わることのほとんどない閉鎖的環境。
あの閉ざされた空間の中だけは、いつまでも時間が止まったまま。