あまりにも理不尽だ……
IOCの決定事項に抗議することもできず、
多くの関係者の抗議もかき消され、
勝手に進む東京オリンピックマラソン競技 in 札幌。
一方的な“鶴の一声”で決められたイベントに、振り回される人々を思う。
-------------------------------------------------------------------------------------------------
まず、地元の声から。
北海道新聞 2019年11月4日付記事
「五輪マラソン『辞退すべき』『泥棒』札幌市に意見200件 市長に『笑わないで』、市幹部が進言」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/360866/
2020年東京五輪のマラソンと競歩の札幌開催が正式決定した11月1日、
札幌市内で報道陣の取材に応じた札幌市の秋元克広市長と鈴木直道知事に笑顔はなかった。
「東京で準備してきた方の気持ちを考えると、大変重い決定だ」と口をそろえた2人。
急転直下で決まった札幌開催で準備への不安だけでなく、
「棚ぼた」を受けた形の札幌市に、批判が相次いでいるためだ。
「極めて異例。時間がない中で進めないと」。
1日に札幌で行われた両自治体幹部による行政懇談会(道市懇)。
秋元市長が鈴木知事にこう切り出すと、知事は「大会成功に向け、緊密に連携したい」と応じた。
本番まで9カ月。
コース設定や警備、イベントとの調整や経費の負担など、課題は山ほどある。
道市懇で知事と市長は、道と市が連携し、五輪への体制を強化することで一致したが、
道側は「道財政は厳しく、負担は抑えたい」のが本音。
札幌市が、道庁の支援をどこまで受けられるかは不透明だ。
道市懇後の報道陣への対応で、道と市が最も気にしたのが、知事と市長の表情と、
東京都への配慮をにじませるコメントだ。
「カメラの前で笑わないでくださいね」。
道市懇直前、市幹部は秋元市長にこう進言。
知事と市長は終始、報道陣の前で笑顔を見せなかった。
非公開の道市懇でも、市長は知事に「都民の気持ちを大切にする取り組みをしたい」と切り出し、
知事も「私も元東京都職員。努力した都民の思いを受け止めたい」と応じた。
背景は、国際オリンピック委員会(IOC)のトップダウンで、マラソンと競歩を逃した東京への世論の同情だ。
市によると、IOCによる札幌開催案が報道された10月17日以降、
市広報部には、電話やメールなどで延べ約200件の意見が寄せられている。
7割は札幌開催に反対で「札幌は辞退すべきだ」「札幌は泥棒」などがあるという。
道市懇の直後、知事と市長が報道対応したのに重ね、
道と市が「東京都のこれまでの努力に応えられるよう、万全の対応を取る」
などとした知事と市長の連名のコメントを、それぞれあらためて配るほどだった。
ある市幹部は、札幌市が置かれた状況について、こう評す。
「『マラソンをやりたい』なんて一言も言っていないのに、世間には横取りしたと思われ、
札幌が悪者になっている」
(文章執筆:中村征太郎、竹内桂佑)
繰り返しますが、本当に、なんて理不尽な決定事項なのか。
こんなことなら、「2020 TOKYO」なんて決まらなければよかったのでは、とさえ思う。
札幌が「泥棒呼ばわり」されるなんて、自分だってものすごく悔しく不快な話だ。
ただ、1年以上も前から高いホテル代や交通費を予約してマラソンを期待していた人の無念さも理解できるのだ。
こうなったら、札幌のマラソン競技や選手の宿泊などに関わる方には、自分なりの激励と提言を考えてみました。
まず、「1:黒子に徹する」
決めたのはIOCであって、間違っても札幌市の方々ではない。
ならば、あくまでトラブルの発生しないよう、また目立たぬよう、黒子に徹するしかないのだと。
参加者が不快にならないように「気配り&サービス」に目を配るのです。
大通公園の「ビアガーデン」は大会開催日にぶつからないよう1日だけでも休んだり、
シティーホテルはヨーロッパのホテルを見倣って「メッセ価格」(通常価格の3~5倍)を設定して
通常より1週間から3日でも時期をずらせるイベントというイベントは変更していただき、
期間中の観光客には函館・旭川・帯広・北見・釧路など、札幌圏以外に宿泊できるよう「サービス待遇」を
JR北海道・道内バス会社・旅行代理店で協議して設ける。
また、マラソン大会前後3~4日間は札幌市内入りするすべての観光ツアーは受け付けない。
また、国賓来日時の東京都内のように、高速道路はともかく、
札樽自動車道札幌西ICから道央自動車道札幌南ICまでと、道道720(通称・五輪通)の
市街地内側において、一般車の通行を段階的に規制する。
そして、「2:イベント経費や財政にはシビアなチェックを怠らない」
今までもイベントのたびに予算オーバーを繰り返してきたはずだ。
今回の件でまた「億単位」の予算オーバーが発生してしまった場合、本来札幌が推進してきたはずの
「2030冬季オリンピック」に慎重論が加熱膨張し、最悪撤退に至る事になるかもしれない。
ただでさえ財政に余裕はない筈でしょうから、くれぐれも経費のチェックは怠ってはいけません。
さらに、「3:成功の暁には、欧米との国際線定期就航の確約をとりつける」
(札幌・ニセコを中心に)外国人観光客の激増で確実に海外でも北海道の定評は広がりつつある。
そこで、マラソンの成功の暁には、アジア路線に偏っていた新千歳空港の「国際線」も
アジア偏重から欧米諸国にも拡げるべきではないでしょうか。(週1往復でいいんです)
ロンドン・ニューヨークなどの巨大都市ではなくて、開設予定のヘルシンキ(フィンランド)のほか、
スウェーデンのストックホルム、アラスカのアンカレッジやカナダのモントリオールなどの
「北方圏都市」などが良いかと思います。
(あくまで独断で恐れ入りますが)
そして、当の選手たちは……
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朝日新聞 2019年11月6日付記事
「『急に札幌と言われても』無念の瀬古さん、泣かせた言葉」
https://digital.asahi.com/articles/ASMC60HF1MC5UTQP01Z.html?pn=4
東京五輪のマラソンが札幌で開催されることになったのを受けて、
日本陸連の強化委員会が5日、東京都内で記者会見した。
会見の中で瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは
「急に札幌と言われても切り替えられない。
ただ、IOC(国際オリンピック委員会)という力の前にはどうしようもない」などと、
時折言葉をつまらせながら語った。
また、瀬古リーダーは
「IOC理事会の決定は絶対だ、と聞いた。そこで我々が東京開催を主張したら、
IOCから『じゃあ、マラソンはやめましょう』と言われるのではないか、と思い、意見するのを抑えた」とも。
そんな瀬古リーダーを泣かせた言葉があった。
「瀬古さんのモスクワ五輪のようにボイコットになるわけではないので、
札幌でも走れるので僕は幸せです」
9月のマラソングランドチャンピオンシップで2位に入り、
五輪代表に内定している服部勇馬(トヨタ自動車)の言葉だった。
3日に開催された全日本大学対抗駅伝の前夜、解説者同士の打ち合わせでの会話だった、という。
瀬古リーダーは「涙が出そうになりました」と打ち明けた。
服部はこれまでも札幌移転問題について
「一時は感情的になったが、決められた舞台で結果を出すのが一流のアスリート」などと
報道陣にも冷静に対応していた。
苦しい胸の内を吐露した瀬古リーダー。
そんな服部の言葉にも支えられ、
会見後は「今日で切り替えられた。札幌に向けてやっていく」と明るい口調に戻っていた。
美しい考えです。
それならば、選手たちを応援するのが私たちの役目だと思います。
そして、負けるな札幌!
非力だけど、僕はあなたの味方です。
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2019年11月 6日付訪問者数:250名様
2019年11月10日付訪問者数:240名様
お付き合いいただきありがとうございました。
IOCの決定事項に抗議することもできず、
多くの関係者の抗議もかき消され、
勝手に進む東京オリンピックマラソン競技 in 札幌。
一方的な“鶴の一声”で決められたイベントに、振り回される人々を思う。
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まず、地元の声から。
北海道新聞 2019年11月4日付記事
「五輪マラソン『辞退すべき』『泥棒』札幌市に意見200件 市長に『笑わないで』、市幹部が進言」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/360866/
2020年東京五輪のマラソンと競歩の札幌開催が正式決定した11月1日、
札幌市内で報道陣の取材に応じた札幌市の秋元克広市長と鈴木直道知事に笑顔はなかった。
「東京で準備してきた方の気持ちを考えると、大変重い決定だ」と口をそろえた2人。
急転直下で決まった札幌開催で準備への不安だけでなく、
「棚ぼた」を受けた形の札幌市に、批判が相次いでいるためだ。
「極めて異例。時間がない中で進めないと」。
1日に札幌で行われた両自治体幹部による行政懇談会(道市懇)。
秋元市長が鈴木知事にこう切り出すと、知事は「大会成功に向け、緊密に連携したい」と応じた。
本番まで9カ月。
コース設定や警備、イベントとの調整や経費の負担など、課題は山ほどある。
道市懇で知事と市長は、道と市が連携し、五輪への体制を強化することで一致したが、
道側は「道財政は厳しく、負担は抑えたい」のが本音。
札幌市が、道庁の支援をどこまで受けられるかは不透明だ。
道市懇後の報道陣への対応で、道と市が最も気にしたのが、知事と市長の表情と、
東京都への配慮をにじませるコメントだ。
「カメラの前で笑わないでくださいね」。
道市懇直前、市幹部は秋元市長にこう進言。
知事と市長は終始、報道陣の前で笑顔を見せなかった。
非公開の道市懇でも、市長は知事に「都民の気持ちを大切にする取り組みをしたい」と切り出し、
知事も「私も元東京都職員。努力した都民の思いを受け止めたい」と応じた。
背景は、国際オリンピック委員会(IOC)のトップダウンで、マラソンと競歩を逃した東京への世論の同情だ。
市によると、IOCによる札幌開催案が報道された10月17日以降、
市広報部には、電話やメールなどで延べ約200件の意見が寄せられている。
7割は札幌開催に反対で「札幌は辞退すべきだ」「札幌は泥棒」などがあるという。
道市懇の直後、知事と市長が報道対応したのに重ね、
道と市が「東京都のこれまでの努力に応えられるよう、万全の対応を取る」
などとした知事と市長の連名のコメントを、それぞれあらためて配るほどだった。
ある市幹部は、札幌市が置かれた状況について、こう評す。
「『マラソンをやりたい』なんて一言も言っていないのに、世間には横取りしたと思われ、
札幌が悪者になっている」
(文章執筆:中村征太郎、竹内桂佑)
繰り返しますが、本当に、なんて理不尽な決定事項なのか。
こんなことなら、「2020 TOKYO」なんて決まらなければよかったのでは、とさえ思う。
札幌が「泥棒呼ばわり」されるなんて、自分だってものすごく悔しく不快な話だ。
ただ、1年以上も前から高いホテル代や交通費を予約してマラソンを期待していた人の無念さも理解できるのだ。
こうなったら、札幌のマラソン競技や選手の宿泊などに関わる方には、自分なりの激励と提言を考えてみました。
まず、「1:黒子に徹する」
決めたのはIOCであって、間違っても札幌市の方々ではない。
ならば、あくまでトラブルの発生しないよう、また目立たぬよう、黒子に徹するしかないのだと。
参加者が不快にならないように「気配り&サービス」に目を配るのです。
大通公園の「ビアガーデン」は大会開催日にぶつからないよう1日だけでも休んだり、
シティーホテルはヨーロッパのホテルを見倣って「メッセ価格」(通常価格の3~5倍)を設定して
通常より1週間から3日でも時期をずらせるイベントというイベントは変更していただき、
期間中の観光客には函館・旭川・帯広・北見・釧路など、札幌圏以外に宿泊できるよう「サービス待遇」を
JR北海道・道内バス会社・旅行代理店で協議して設ける。
また、マラソン大会前後3~4日間は札幌市内入りするすべての観光ツアーは受け付けない。
また、国賓来日時の東京都内のように、高速道路はともかく、
札樽自動車道札幌西ICから道央自動車道札幌南ICまでと、道道720(通称・五輪通)の
市街地内側において、一般車の通行を段階的に規制する。
そして、「2:イベント経費や財政にはシビアなチェックを怠らない」
今までもイベントのたびに予算オーバーを繰り返してきたはずだ。
今回の件でまた「億単位」の予算オーバーが発生してしまった場合、本来札幌が推進してきたはずの
「2030冬季オリンピック」に慎重論が加熱膨張し、最悪撤退に至る事になるかもしれない。
ただでさえ財政に余裕はない筈でしょうから、くれぐれも経費のチェックは怠ってはいけません。
さらに、「3:成功の暁には、欧米との国際線定期就航の確約をとりつける」
(札幌・ニセコを中心に)外国人観光客の激増で確実に海外でも北海道の定評は広がりつつある。
そこで、マラソンの成功の暁には、アジア路線に偏っていた新千歳空港の「国際線」も
アジア偏重から欧米諸国にも拡げるべきではないでしょうか。(週1往復でいいんです)
ロンドン・ニューヨークなどの巨大都市ではなくて、開設予定のヘルシンキ(フィンランド)のほか、
スウェーデンのストックホルム、アラスカのアンカレッジやカナダのモントリオールなどの
「北方圏都市」などが良いかと思います。
(あくまで独断で恐れ入りますが)
そして、当の選手たちは……
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朝日新聞 2019年11月6日付記事
「『急に札幌と言われても』無念の瀬古さん、泣かせた言葉」
https://digital.asahi.com/articles/ASMC60HF1MC5UTQP01Z.html?pn=4
東京五輪のマラソンが札幌で開催されることになったのを受けて、
日本陸連の強化委員会が5日、東京都内で記者会見した。
会見の中で瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは
「急に札幌と言われても切り替えられない。
ただ、IOC(国際オリンピック委員会)という力の前にはどうしようもない」などと、
時折言葉をつまらせながら語った。
また、瀬古リーダーは
「IOC理事会の決定は絶対だ、と聞いた。そこで我々が東京開催を主張したら、
IOCから『じゃあ、マラソンはやめましょう』と言われるのではないか、と思い、意見するのを抑えた」とも。
そんな瀬古リーダーを泣かせた言葉があった。
「瀬古さんのモスクワ五輪のようにボイコットになるわけではないので、
札幌でも走れるので僕は幸せです」
9月のマラソングランドチャンピオンシップで2位に入り、
五輪代表に内定している服部勇馬(トヨタ自動車)の言葉だった。
3日に開催された全日本大学対抗駅伝の前夜、解説者同士の打ち合わせでの会話だった、という。
瀬古リーダーは「涙が出そうになりました」と打ち明けた。
服部はこれまでも札幌移転問題について
「一時は感情的になったが、決められた舞台で結果を出すのが一流のアスリート」などと
報道陣にも冷静に対応していた。
苦しい胸の内を吐露した瀬古リーダー。
そんな服部の言葉にも支えられ、
会見後は「今日で切り替えられた。札幌に向けてやっていく」と明るい口調に戻っていた。
美しい考えです。
それならば、選手たちを応援するのが私たちの役目だと思います。
そして、負けるな札幌!
非力だけど、僕はあなたの味方です。
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2019年11月 6日付訪問者数:250名様
2019年11月10日付訪問者数:240名様
お付き合いいただきありがとうございました。