shining's ブログ 「音楽と旅と珈琲と」

音楽大好き男の徒然なる日記

冷戦時代の発想からの脱却なくして、日本の未来はない~中国留学生の偉業と「銀の匙」

2013-09-20 | 日記
最近のニュースやマンガにて思ったことです。

先日の台風18号による豪雨で水かさが増した大阪・淀川でおぼれた男の子を、中国から来た青年が救出したニュースをご存じだろうか。

「男児救助で中国人留学生に感謝状 大阪府警」
                      東京新聞 2013年9月18日 12時07分
『台風18号の影響で増水した川に転落し、溺れていた小学4年の男児(9)を救助したとして、大阪府警大淀署は18日、大阪市北区の中国人留学生・厳俊さん(26)に感謝状を贈呈した。
(拍手ぅー)

 大淀署によると、男児は16日午後、同区の淀川に足を滑らせて転落。自力で泳いで岸まで戻ることができなくなったところを、厳さんがジョギング中に発見した。
 厳さんは救助を試みたが、流れは予想以上に激しく、一度は失敗。約350メートル下流で再び川に飛び込み、岸から約10メートル離れた場所で男児を救助した。
 同署は「厳さんがいなければ男児は亡くなっていた可能性が高い」と贈呈を決めていた。

そして水曜日、お楽しみの「少年サンデー」にて連載中の「銀の匙」“冬の巻”では、放浪のバイク旅をして突如八軒勇吾の前に現れては困らせて去ってゆく八軒の兄・慎吾が、またも彼の前に現れた。 しかし今度は慎吾の妻となったロシア女性・アレクサンドラさん(美女)を伴なって! また、彼は彼なりにひとつの方向性を見つけていた。
(詳細な内容はコミックス第10巻収録の「冬の巻・その23・24」をお読み下さい)

ロシアと中国。 
国名のイメージだけでは、殆どの人は悪いイメージのほうを浮かぶだろう。正直、自分もそうだった(韓国語・中国語は今でも文字を見たり会話を聞いてるだけで頭痛がする)。
しかし、時代はとうにグローバル化して個人での来日者が多く、人の個性が“イコール国家”なわけがない。 
かつて自分がいた職場でも日本語が堪能で誠実な中国出身の人と良い仕事ができたし、来日者の多くは日本を愛してくれている筈だ。
御茶ノ水で韓国から来た人に日本語で道を尋ねられたり、北大で勉強している中国からの人と英語で話したりした。
彼等の日本滞在が充実したものであって欲しい。
(シベリア鉄道を経由してハバロフスクの日本人墓地を墓参りして、ポーランドのアウシュビッツ強制収容所跡を見学して、ロンドンまで鉄道で旅するのが自分の夢のひとつだ)

対して日本のメディアや為政者の視点は“変わった”と言いきれるのか?
たぶんNoだろう。
本屋に足しげく通って本を見ていると、中傷だらけの週刊誌を発行している出版社の多くは両国への偏見がまだ強く、自分でさえ辛辣さに耐えられなくなる事がある。
人件費削減の発想で工場をアジア諸国に出しておきながら、「中国人の正体」だの、優れた日本人に対して奴らは劣っていて、カネに異様に執着している……というその発想は「レッドパージ~冷戦時代」そのものではないのか。
意図的に敵を作って内向きに結束してきたばかりに、失ったもののほうが圧倒的に多かったのではないのか?

かつて1960年の「所得倍増計画」から高度経済成長期にかけて、画期的な発展してきた日本。
しかし、そのインフラと制度はとうの昔に朽ちてしまっている。
'90年代後半の規制緩和以降は雇用・生活保障・コミュニティ・品格ある文化など「大切なもの」を次々とぶち壊してきた。
薄利多売、経済偏重、対米偏重、原発、新幹線、巨人、君が代、自民党。
ソ連みたいにマンモス化して、そのシステム維持のために犠牲になった人生や人命も多い。 犠牲者まで出して回転させるシステムはもっと減っていいはずだ。
すがって来たものを解体して新しい価値観を生み出せるか否かに、日本の未来はかかっているのだろう。

ご清聴ありがとうございました。

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