吹田工場の公開で、国鉄の汎用的主電動機であったMT54が展示されていた。
通勤用途以外の全ての車種に適合させているわけだが、実際問題としてそれらの能力はギア比を変える事で容易に得られる。MT55であってもギア比を変えれば特急形から通勤形まで使える。
ただ、MT55は通勤形で使う為に低速トルクを増したので、筐体が大きくなり動輪直径も大きくなる。車体に付けるものだから、できるだけ小さい方が良いに決まってる。だから、MT54があるのにMT55を特急形に使うなんて、そんなバカなマネはしない。
そんなことで、MT54のギア比を変化させる事で対応したわけだが、鉄道ファンの知識というか、趣味誌に掲載される解説文もそうなんだが、MT54だから汎用的に使えた的な感じで思ってる人も多いようだ。
そういう人達は、きっとこういう主電動機特性曲線図などを見て検討などしておらず、単に「え、僕はそう思ってたんだけど」だけで執筆している。怖い話だ。
たぶんMT55で特急形なんて言ったら、多くの人が目を白黒させるんじゃないかなぁ(笑)「MT55は高速特性が無いから特急形なんて無理だよ」なんて思い込んでるんじゃないかな。こんな事を言った途端に「アウト!」なんだが、単に「○○は▲▲用」みたいに丸暗記的に覚えてるもんだから、どうしようもない部分じゃないかと思う。
計算上の話なんだけど、MT54を動輪径860mmに歯車比22:77(1:3.5)で使った場合、全界磁一時間定格速度は71.8km/hで40%弱め界磁定格速度は116.0km/hだが、MT55を動輪径910mmに歯車比19:87(1:3.42)で使った場合の全界磁一時間定格速度は59.3km/hで35%弱め界磁速度は114.1km/hとなる。
ただし、回転力の違いがあるのと出力が120kWと110kWの差があるので、高速の特性自体はMT55はMT54よりも下だが、それでも国鉄特急形に使う分には特に問題無い程度の能力かな。
こういう差をきちんとシミュレートしてくれたら良いんだけど、なんていうのかMT55は低速用モーター、MT54は特急にも使えるモーターというような、なんか妙な感じで思い込まれてる節がある。
いや、それは間違ってないんだが、ギア比などを変えたら変わるんだってことを理解した上で語ってくれていたら良いんだけど、そこが無いわけで。
高速特性ってのは、主電動機の特性領域の性能に関わる問題で、特性領域ってのは弱め界磁最終段以降の能力になってくる。これは出力が大きいほど有利だが、この出力の部分は界磁を弱める事でも同じような効果を得られる。
界磁を弱めると、電機子反作用というのがモーターで起こってしまい、ちょっと困った事になるんだが、それを補正するために補償巻線というのがある。界磁のいたる所に補正用の電磁石を配置したようなものだから、構造が複雑になるが、電機子反作用を完全に補正できるので大幅に界磁を弱める事ができる。
補償巻線が無い場合、MT55の35%弱め界磁が限界と言われているが、補償巻線を設ければ101系回生ブレーキ試作車用として製造したMT50の15%弱め界磁程度までは使う事ができる。民鉄などでは一つの形式で通勤形から特急形まで使うケースが多かった事から、低速性能と高速性能を両立させる必要があり、高速性能については界磁を極端に弱める事で対応する事が多かった。もちろん、そのためには補償巻線を設けたモーターを使う事になるのだが、国鉄の場合は大量にモーターの保守をする必要もあり、補償巻線はタブーとなっていた。
んなことで、性能ってのは非常にあれこれ深く突っ込んで比較しないと判断付きにくいし、それをするためには多くの性能図を見比べる必要がある。
そういう部分をきちっと行ってもらいたいんだが、なんて言うのか、読者側にそこまで求める感じが無いんで執筆者側も適当な表現で終わらせてしまうんだろうなぁ。
通勤用途以外の全ての車種に適合させているわけだが、実際問題としてそれらの能力はギア比を変える事で容易に得られる。MT55であってもギア比を変えれば特急形から通勤形まで使える。
ただ、MT55は通勤形で使う為に低速トルクを増したので、筐体が大きくなり動輪直径も大きくなる。車体に付けるものだから、できるだけ小さい方が良いに決まってる。だから、MT54があるのにMT55を特急形に使うなんて、そんなバカなマネはしない。
そんなことで、MT54のギア比を変化させる事で対応したわけだが、鉄道ファンの知識というか、趣味誌に掲載される解説文もそうなんだが、MT54だから汎用的に使えた的な感じで思ってる人も多いようだ。
そういう人達は、きっとこういう主電動機特性曲線図などを見て検討などしておらず、単に「え、僕はそう思ってたんだけど」だけで執筆している。怖い話だ。
たぶんMT55で特急形なんて言ったら、多くの人が目を白黒させるんじゃないかなぁ(笑)「MT55は高速特性が無いから特急形なんて無理だよ」なんて思い込んでるんじゃないかな。こんな事を言った途端に「アウト!」なんだが、単に「○○は▲▲用」みたいに丸暗記的に覚えてるもんだから、どうしようもない部分じゃないかと思う。
計算上の話なんだけど、MT54を動輪径860mmに歯車比22:77(1:3.5)で使った場合、全界磁一時間定格速度は71.8km/hで40%弱め界磁定格速度は116.0km/hだが、MT55を動輪径910mmに歯車比19:87(1:3.42)で使った場合の全界磁一時間定格速度は59.3km/hで35%弱め界磁速度は114.1km/hとなる。
ただし、回転力の違いがあるのと出力が120kWと110kWの差があるので、高速の特性自体はMT55はMT54よりも下だが、それでも国鉄特急形に使う分には特に問題無い程度の能力かな。
こういう差をきちんとシミュレートしてくれたら良いんだけど、なんていうのかMT55は低速用モーター、MT54は特急にも使えるモーターというような、なんか妙な感じで思い込まれてる節がある。
いや、それは間違ってないんだが、ギア比などを変えたら変わるんだってことを理解した上で語ってくれていたら良いんだけど、そこが無いわけで。
高速特性ってのは、主電動機の特性領域の性能に関わる問題で、特性領域ってのは弱め界磁最終段以降の能力になってくる。これは出力が大きいほど有利だが、この出力の部分は界磁を弱める事でも同じような効果を得られる。
界磁を弱めると、電機子反作用というのがモーターで起こってしまい、ちょっと困った事になるんだが、それを補正するために補償巻線というのがある。界磁のいたる所に補正用の電磁石を配置したようなものだから、構造が複雑になるが、電機子反作用を完全に補正できるので大幅に界磁を弱める事ができる。
補償巻線が無い場合、MT55の35%弱め界磁が限界と言われているが、補償巻線を設ければ101系回生ブレーキ試作車用として製造したMT50の15%弱め界磁程度までは使う事ができる。民鉄などでは一つの形式で通勤形から特急形まで使うケースが多かった事から、低速性能と高速性能を両立させる必要があり、高速性能については界磁を極端に弱める事で対応する事が多かった。もちろん、そのためには補償巻線を設けたモーターを使う事になるのだが、国鉄の場合は大量にモーターの保守をする必要もあり、補償巻線はタブーとなっていた。
んなことで、性能ってのは非常にあれこれ深く突っ込んで比較しないと判断付きにくいし、それをするためには多くの性能図を見比べる必要がある。
そういう部分をきちっと行ってもらいたいんだが、なんて言うのか、読者側にそこまで求める感じが無いんで執筆者側も適当な表現で終わらせてしまうんだろうなぁ。