CLUB103 (103系電車好きの独り言)

CLUB103ブログは、管理人の独り言をアップグレードしたものとお考え下さい

3m目の計算

2012年03月15日 13時18分43秒 | 鉄道運転理論学会
多忙ゆえ、なかなか手をつけれなかった3m目の計算だが、距離が決まっている関係で、中身をいじることになってくる。

距離=4.28×(終速の二乗-初速の二乗)÷加速力

この中で、距離は2mから3mまでの1m進むだけなので、常に1が入る

よって
1=4.28×(終速の二乗-初速の二乗)÷加速力

を計算で求めることになる。
で、2mの時点での速度はいくらだっただろうか?
5.37km/hだったわけだから、上の式の初速の二乗は5.37×5.37となる。
計算すると28.837かな。

で、今回も加速力は一定で考えてみる。
と言うのは、まず手順を確定させたいからだ。

だから、103系2M2Tの加速度が2.0km/h/sであることから、加速力は61.8(2×30.9)で計算しよう。

上の公式がどうなったかというと。
1=4.28×(終速の二乗-28.837)÷61.8

では、終速の二乗はいくらかと言うと61.8÷4.28=14.44
これは、今までの計算でも( )内は14.44になればよいんだねと言うのと同じことなんですが、本当は速度に応じて加速力の61.8という数字が変わってくるから、例えば加速度が1.5km/h/sになっていたら、加速力は46.35kg/tなわけだから、46.35÷4.28=10.83という数字が( )内で求まればよいことになる。

ということで、今は加速力一定で計算するから、終速の二乗を求めるには、28.837+14.44=43.277 のルート。。。
6.5785という数字になった。
要は、3m目の速度は6.5785km/hだと言うことだ。

で、時間だね。
時間の計算は

時間=(終速ー初速)÷加速度

なわけ。
まぁ、加速度のところは、厳密に言えば平均加速度を入れることになる。
今回は、加速度一定なので、ここは2.0km/h/sだから2.0となる。

時間=(6.5785-5.37)÷2.0

時間=0.60425秒

ということで、2m目までに2.69秒かかってるので

3m目の速度は6.5785km/hで、ここまで3.29秒かかると・・・・


これを繰り返し計算でしていけば順々に求まっていきます。

次に考えなければならないのは、加速力の増減です。
今は、計算手順を考えてるところなので、加速力は一定で計算していますが、速度によって加速度が変わってきます。

ですので加速度というのは別ロジックで計算して、それを代入するような形になります。
このあたりで若干の誤差が出てくるのは仕方ない部分かなと思ってます。その辺は、どの程度の誤差になるかとかも含めて考えてみたいと思っています。

今考えているのは、とりあえず速度ごとの加速力テーブルをもうけて、1m目などの計算で出てくる現在の速度と比較します。この速度とテーブルの近似速度から、加速力をテーブルから参照するという感じでどうなのかと思ってます。
この際に、テーブルの速度を1km/h単位で作成するのか、0.1km/h単位で作成するのかなどで、誤差の幅は狭まるかなと思ってます。

ただ、ここで言う加速力テーブルは、厳密に言えばMT55を910mm動輪で歯車比1:6.07で使う場合の引張力テーブルです。
走行抵抗データとはまた別に考えています。
というのは、モーターの素の性能では電流値を入れればその値は一意です。
それに対して、走行抵抗は条件(編成やMT比、乗車効率)によって変わります。
ですので、引張力テーブルに走行抵抗を別計算で求めて、それらを併せて、加速力として算出するほうが、計算回数が減るかなと、まぁそういう感じですね。

ま、このあたりは、今後の課題ですから、一歩ずつやっていきます。

とりあえず3m目でした。

動き出してからの時間と距離。。。

2012年02月24日 05時41分56秒 | 鉄道運転理論学会
運転曲線を作成していくにあたり、実際の線形に合わせて勾配抵抗などを加味する必要があり、その場合の計算の単位は1mごとに列車がどういう動きをしているか見てる方が楽だ。

そんなことで、今迄は時速XXkmまで何メートルで何秒かというような計算が主だったわけだが、少し1m動くとどうなるかを検証していきたい。

facebookにこれまで書いた内容を転記してみる。

====
電車が動き始めて1m移動する時間ってどの程度だろうかって計算式を考えていたんだけど、うーん。。。。

距離=4.28×(終速の二乗-初速の二乗)÷加速力

で、起動時の加速力は電車の場合は一定(本当は起動時に起動抵抗がごっついかかるけど)だし、起動時は初速は0km/hだから
 1m=4.28×終速の二乗÷加速力

ってことは、終速の二乗=1m×加速力÷4.28

103系2M2Tの加速度は2.0km/h/sだから、加速力に直すと61.8kg/t
これで計算すると、1m後の速度は3.8km/h程度か。。。

等加速度なので、時間は1.9km/hで1m動く時間だから、1時間に1900mなわけで、1mだったら3600÷1900でいっか。。。1.894秒になった。。。

まぁ、なんか、それっぽい値になったな。
起動加速度2.0km/h/sの電車が1m後に進むのは、1.894秒後でその時の速度は3.8km/hだったと。。。

これで良いのかなぁ。。。なにせ、計算とか苦手だからkmもmにかみ砕かないとわからんタイプやし。
もっと簡単にならんかな。。。
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計算がちょっと違うかな。1時間に1900mだったら、1mで動く時間ってに動く距離って1900÷3600かな。0.52m/秒だから1mだと1.894秒くらい。。。最初の計算とあまり変わらんなぁ。
===

さてと、昨日は電車が動き始めて1m進んだから、今日は2m目だな。

距離=4.28×(終速の二乗-初速の二乗)÷加速力

をそのまま使えばいいわけだけど、加速力が61.8kg/tというのがわかってるわけで、距離を1mにするんだから、カッコの中の数字は起動時からの値と同じ。
つまり、ここは14.44になればよいわけ。

すでに動いているから、初速が14.44なわけだから、終速が28.88になっていれば、カッコの中は14.44だよね。
てことは、電卓で28.88ルートと押せば5.374・・・・
これが、2m目の時の電車の速度になるわけで。。。。

時速2687mで2m動くのに要する時間か。。。。
うーんと、時速1343.5mで1m。。。
3600÷1343.5=2.69秒?

1343.5m÷3600s=0.373m/s
1÷0.373=2.68秒。。。

加速度2.0km/h/sの電車が動き始めて2mの地点を通過する時間は2.69秒で、そのときの速度は5.37km/h

こんでえーのかな?
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5.374÷2.69=1.99776  おー、限りなく2.0km/h/sに近いじゃん。
ってことは、あってるんだね。

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ここまでfacebookで書いた内容だけど、facebookだと長文を書いても途中で途切れるので、ブログの方でその後の計算をしようと言うことになった。
次は3m目からなんだけど、2m目の時の時間ってのが、等加速度運動をしている際の時間の求め方(速度を半分にして必要な距離を動く時間を計算)だったので、ここを加速度を元に計算するような形にしなきゃと思う。
時間(s)=終速(km/h)-初速(km/h)÷加速度(km/h/s) なので、この式に当てはめて計算しようじゃないかって事。
2mの時点での計算だと、終速は5.37km/hで、初速は3.8km/hなので、この差である1.57km/hを加速度である2.0km/h/sで割った0.785sだから、1m時点の1.894sと足して2.679s・・・
なぜこの式にしていくかと言うと、速度が上がるにつれて走行抵抗が関係してくるから。

走行抵抗は速度に応じて増えていき、103系6M4Tの定員乗車時だと100km/hくらいだと確か6kg/t程度の走行抵抗がかかってきていたと記憶する。
加速度換算だと0.2km/h/s程度だけど、それでも誤差として扱うには大きい数字。
また、2m地点で曲線が始まって曲線抵抗が加味されるという場合も計算がしやすい。
もともと、1m単位で計算しようとしているのが、曲線や勾配の抵抗をきっちり線形通り計算したいというのがあるからだから、その地点での走行抵抗を求めて、加速度に反映していく事が大事かなと。。。

んなことで、次の3m目からは、上の公式を使って計算していこうと思う。

年内に勾配曲線データを作成

2011年11月27日 22時19分59秒 | 鉄道運転理論学会
コミケ81では、檀上さんとのコラボで、運転曲線が見れるようなソフトをと思っていたのだけど、8月末からの超多忙のせいで、全く進めることができませんでした。

ただ、その構想自体は継続中ですので、とにかくやれることからやっていくことにしました。
まずその一つが、実際に運転曲線を書く場合には、路線のデータというのが必要になってきます。
私は今まで、そのあたりの計算を割愛するために「平坦線」を走ってる場合に限定して計算していましたが、実際の路線データを合わせる方がより親密度が増す事はまちがいありません。
そこで、年末までに1974年の山手線路線図を使って、どの位置に「どの程度の勾配があるか」「どの程度の曲線があるか」をデータ化します。

基点を0.000kmとして
0.000 勾配 0
0.000 曲線 C
0.125 勾配 25
0.175 勾配 00
0.200 曲線 R 1200
0.350 曲線 C
0.515 勾配 -4
0.530 勾配 0
0.650 曲線 L 880
0.700 曲線 C

という感じ。
曲線はRで右カーブ、Lで左カーブ Cは曲線終了
勾配は数字の‰分の上げ下げ、マイナスは下り勾配。

列車の加速度を1mごとに計算しますが、その際に走行抵抗の増減を加味するのに、これらのデータを見ます。
このデータを活用するために、加速度計算のロジックの中に、現在の勾配、現在の曲線、現在の速度制限という変数を持たせます。0.000の時点でこれは0を代入して初期化しています。
最初1m移動(0.001)した時点では、路線データには何もないですから、勾配・曲線などの変数は0のまま、つまり列車抵抗の補正はなしですね。

125m移動した時点で変化が現れます。
勾配曲線データに0.125の時点で25‰登り勾配の情報が記されています。よって、勾配変数に25を代入します。
よって、125mでの加速度計算の時には(加速力-勾配変数)の補正が必要になります。
次の126mでの計算の時、変数に変化はないので、過速度計算の際には125mでやったときと同じ補正を行います。
50m進んだ175mの時点で、勾配変数は25から0に戻るので、補正は行いません。

補正を行わないといっても、計算式は(加速力-走行抵抗-勾配抵抗-曲線抵抗)となっていて、勾配抵抗が0で計算するので補正が無いと言ってるだけです。
こういうのを続けていけば良いのかなと思ってます。




方向別運転とか

2011年10月08日 21時24分26秒 | 鉄道運転理論学会
近年、いろんな線区の改善案を並べたような書籍が川島令三さん他多く出されるようになったが、その中でも良く引き合いに出される「方向別運転」と「線路別運転」だったかな。
まず、何の為に線増を行ってるかという事を考えなきゃならない点がある。方向別運転の利点は当然同一方向への乗り換えが便利だと言う事。
誰もが疑ってやまないとは思うが、ラッシュ時を想定してみて、ホームへの入場制限までかけられる事が多々あった頃に、ホーム自体をパニックにさせる同一ホーム乗り換えが果たして良いものだろうか?
その視線が一つと、仮に複々線のまま終端駅まで行ったとしても、折り返しに要する運行形態が煩雑になる。

常識で考えたら誰でも思いつく話だ。例えば京浜東北線と山手線が上野以南しかなく、上野が終端駅だったとしよう。1番線は京浜東北線北行の線路。2番線は山手線北行の線路。3番線は山手線南行の線路。4番線は京浜東北線南行の線路。さて、京浜東北線北行が1番線に到着しました。折り返すときはどうしましょう。2分30秒ごとにやってくる山手線の線路を横切って1番線と4番線に交互に入りますか?
だから方向別にするには、終端駅問題が必ず発生し、終端駅手前で線路別に配線をやりなおして終端駅では線路別になってる必要がある。首都圏の民鉄系で方向別に出来る線区があるのは、終端駅の手前で地下鉄に乗り入れるように出来るから。つまり、4線あったうちの内側2線が途中で終端駅になるからだ。
そのあたり、方向別運転をするには条件というのがいろいろ必要で、単に乗り換えがしやすいだけの理由では、そういう設備にするわけにはいかんのじゃないかなと思う。

まぁ、この辺はあまり興味ない部分なので、何も調べずに書いてるけど、乗り換えしやすさという面だけ強調されていて、ラッシュ時の定時運行の妨げにならないかどうか、ダイヤ作成上のボトルネックは発生しないか等々も加味して考えなきゃとは思う。

設備が運転に与える影響

2011年10月08日 21時07分53秒 | 鉄道運転理論学会
103系の事を詳しく知ろうとしていけば、101系がなぜダメだったかという所を知らねばならない。

101系がダメになった理由は、単純な話で設備が整っていなかったとうい事と、仮に設備が整っていたとしてもオール電動車編成が、コストに見合う輸送力増加ができなかったという点であろう。
設備面は、趣味誌段階ではほとんど語られないのだが、多くの説明では「電力事情」と言われる。
線路も架線も信号設備も含めて、電車列車を動かす仕組みというのは数多くあるのだが、その単体では説明されたりしても、それをまとめてどうなのかという実運用で語られる事はほとんどない。
変電所の能力と言うような話を聞いたとしても、私が思ったのは「変電所の何がまずいの、容量って電気を送る能力なの?」とかまだまだ不明点は多い。
で、どうすれば、それは改善されるのかとか、そんな話はのとんど出ない。
出るとしたら、例えば昭和37年に山手線の渋谷変電所増強(3000kW)とか書いてあっても、それが増えたからどうなったのかがわからない。要は効果がわからないということは、その設備の持つ必要性を認識できないという事だ。

そういう事が多々ある。もちろん、専門の方だったらわかる話だろうが、もう少しこんな話をしてくれる人が増えたらなと思う。趣味誌という中では興味の薄い部分だろうから難しいだろうけど、電車なんてのは動けなければタダの箱。いくら試験の時に3.2km/h/s出たとか、スペック上はこうだとか行っても、走れなかったら意味が無い。
今の趣味誌は、試験でどうだ、スペックはどうだが多すぎるような気がする。

ただ、ここで体感的にどうだというのを入れ込むとちょっと話がややこしくなるので省いて欲しいのだが、こういうスペックで作られたが実際にはこうこうこういう設備の事情でそのスペックは出ず、それを出すには、この程度の設備増強が必要だった。とか、こういう話を聞きたいな。

101系が駅間の長い線区向けという嘘

2011年09月13日 09時50分19秒 | 鉄道運転理論学会
片町線淀川電車区の放出移動に伴い、城東貨物線の一部ルートが変更になる関係で、片町線電車の方向転換が行われた。そのときの1コマ。クモハ100とクモハ101が並んだシーン。


クモハ100とクモハ101 四条畷駅 1985.-2.28


未だに根強い人気がある101系電車だが、この電車に「駅間距離が長い路線向け」というような説明がなされたのはいつ頃から言われたのだろうか?
鉄道ピクトリアルの1968(昭和43)年4月号「高性能通勤電車特集」に沢柳健一氏は「単に駅間距離を物差しとすれば常磐線は101系でよく、総武線は103系で良いといいうような不合理も見受けられる」というような表現から、101系が駅間が長く、103系が短い路線向けという観点から書かれたことは明らかである。
なお、沢柳氏は現在は高齢のためか執筆活動も少なくなってきているようだが、旧型国電研究では第一人者の方で、国電関係の記事も多数手がけてます。

鉄道ピクトリアルでは1964(昭和39)年4月号で「国鉄通勤電車」という特集を組んでいるが、このときには101系が駅間距離が長く、103系が短い路線向けという記述は出ていない。

単行本に目を移してみると、1965(昭和40)年6月に刊行された「国電の手引き」という本がある。国鉄運転局列車課の口信氏が執筆者で、鉄道ピクトリアルを出している鉄道図書刊行会が発行したものだ。
その中の103系の部分を抜粋してみるとこのように書かれている。
「もともと32年に新製された101系電車は、オールモハ編成が一つの前提であったが、その効果はともすれば発揮できず、必ずしも満足できる電車といえない面があったのである。すなわち、101系電車は初期の目的を変更し6M4T(電動車6両+付随車・制御車4両の意)とされたため、この編成で運転できるよう見合った電車が考えられた。つまり101系電車は駅間距離の長いものに適し、また短いものに適したものがこの103系である。101系を駅間距離の短い山手線に使用するのは性能発揮もできず、機器類(モーターなど走り装置)への頻度は永続性のない割に高くなり、言い換えれば、山手線でこの101系電車を使用することは必ずしも当を得たものといえない。いうなれば、これらを解結したものが103系電車なのである」

101系電車を6M4Tで走らせる場合、主電動機の熱容量の関係で、駅間距離が短い路線では使えないというのは1959(昭和34)年の中央線での101系MT比1:1での試験で熱容量不足が明らかになった。RMS電流という計算を行うことで、実際にモーターに流れる電流が許容範囲かどうかを見ることができるのだが、その計算によっても、実車による試験によってもモーターに電流を流す時間が長すぎて、モーターが必要以上に加熱する事がわかった。
要は、そういう条件だと走らせる事ができないというわけだ。

これを裏返すと101系電車を6M4Tとして走らせるには、駅間距離が長い区間でないと無理であるとなる。
本来は、こういう意味で101系電車は駅間距離が長くなければ走れないと言われてきたし、口氏の国電の手引きでも説明自体にはブレはない。

101系がそういう理由なので山手線などの駅間距離が短い路線には特に103系という熱容量に余裕があり、駅間距離が短い路線でも走れる103系を設計したのだが、ここで大きく誤解をするファンが出始める。
要は、101系が駅間距離が長い路線に適している。103系は駅間距離が短い路線向けに設計された。じゃぁ103系は駅間距離の長い路線には向かないんだという誤解が。
その誤解が、今のファンが103系を見る際のデファクトスタンダードになっている点は非常に残念だ。
昭和40年代~60年代にかけて、運転理論をもとに車両性能を測るスキルを持った方が趣味誌に執筆していたら、どれだけ変わっただろうかと思う。

なお、101系が駅間距離が長いという嘘というタイトルであるが、101系オールM編成とそれに見合う電力設備があれば何の問題も無く山手線であろうが駅間距離が短い路線であろうが走れる。
走れないというのは、単にオールMで設計されていたものを中間にトレーラーを挟んだ6M4Tにしたから駅間の短いところでは走れないと言ったまでだ。
現に山手線でも101系4M3T当時は加速度を抑えていたので旧型国電より低性能だったが、6M2Tになってからは高加速運転もできるようになっている。
6M2Tで電力設備にも余裕があれば、何の問題もなく駅間距離の短い山手線でもフル性能を出せるのだ。。。
大阪環状線に入った101系も4M2T(8連の場合は6M2T)というスペックなので、問題なく駅間が短くても走れた。

そう考えると、6M4Tの101系が駅間距離が長い路線でないと本来の性能を発揮できないというだけで、103系が短い路線向けで101系が長い路線向けというのは全くファンが勝手に勘違いしただけの大きな誤解であると言える。

ちなみに、103系を駅間距離が短い路線に適した車両と説明した記事は多いが「駅間距離が長い路線には不適」と説明した記事はデビュー当時は全く無かった。
これも、ファンが勝手に「駅間距離が短い路線に適してる=駅間距離が長い路線には適さない」と決めつけた妄想であろう。。。



檀上さんと運転曲線プロジェクト

2011年09月10日 15時54分55秒 | 鉄道運転理論学会
なかなか、時間を取れないのですが、夏コミの後、冬コミに向かって檀上さんとこのプロジェクトを進めようという事を宣言しましたし、とにかく少しの合間などを見計らって進めていきたいと思っています。


とりあえず、多くを望めない部分もありますから、運転曲線を表す条件というのは、当初はあらかじめ決まったものとします。
線形も平坦線で、曲線抵抗や勾配抵抗という別の要素を加味しない、一番簡単でかつ基本の条件からスタートしたいと思っています。

荷重については103系という通勤電車の運転曲線ですからラッシュ時の状態をシミュレートするのがスジですが、このあたりも空車・100%・満車(250%又は300%)という条件を与える予定です。
なお、満車については、細かい条件が趣味誌に掲載されている事が少なく、昭和47年の運転局の資料では250%が満車であるような書き方ですが、103系が設計された頃の基準は満車は300%という記述が多いです。
また、このあたりはいろいろ書かれていて、400名乗車を満車とするというような書き方も多いのですね。140名定員の車両に400名と言う事は250%以上300%未満という値ですが、ロングシートの通勤形とセミクロスの111系などの近郊形で同じ400名という条件は使えないので、やはり定員×乗車率で示す荷重を使う方が実用的だと考えています。

また、進捗につきましてはこの場で報告させて貰います。

電車の消費電力量を計算する (この記事には誤りがあります)

2011年07月01日 11時52分01秒 | 鉄道運転理論学会
節電だ節電だと、近頃オイルショック時代に戻ったかのように電力などに対しての見方が変わってきた昨今、鉄道の電力消費量もたまに言われるようになってきた。
が、電力消費量ってどうやって計算するのかというのが、あまり趣味者の間でも知れ渡っていない。
まぁ、鉄道工学の中の運転工学というジャンルなので、なかなかたどり着きにくい部分ではあるが、電車の性能などを比較する際には必ずと言って良いほど出てくるのが消費電力量であり、これに回生によるリターン電力量を差し引いて、正味の消費電力量が求まる。
そういう解説を趣味誌がきちっとしてくれたら良いのだが、こういう構造で回生ブレーキが作用するというような説明はあっても、こういう状態でこの程度の回生効果が得られるという説明はあまりない。

なくてあたり前なのである。
だって、状況によって変わるものだから一概には言えないからだ。
もちろん、今まで実車による積算などで一部区間などではデータが得られているが、それはあくまでもそのダイヤでその車両が運転した場合に、その日その日の他の電車の運転状況があって初めて結果として表れるものであり、そのデータがあるから他の区間の列車に対しても同じような値を期待するというのはかなり乱暴な理論になる。
そういう一面もあるから、なかなか簡単に「回生ブレーキによる効果はこれだ」と言えないわけで、だから危うきに近寄らずで、多くの執筆者はそれについて書かない。
いや、書けるけど書いたら主観になるだけの話だ。
ただ、近似値としての扱いは出来るので、それをどう活用するかだが、勢い鉄道ファンは雑誌などに書いてある事を鵜呑みにする傾向がある。
だから、執筆側もあえて書かないのかも知れない。

少し前置きが長くなったが、電車の消費電力量を求めるには、回生については条件が多様であるからここでは説明できないが、力行についてはその時点時点での電流値をもとにして求めていくことになる。
例えば、乱暴な書き方だが、4M4Tの電車が起動電流350Aにより起動加速度2.0km/h/sで40km/hまで加速する場合を求めてみる。(1500V)
簡単に計算するために、起動加速度2.0km/h/sが40k/hまで一定で出せるとしよう。
つまり、この電車は350Aの電流を20秒間流して40km/hまで加速した事になる。
消費電力量は1.5(kV)×350(A)×20/3600(秒)×2(ユニット)=5.83kWh

電気代が1kWhで23円ほどですから、上記の編成が40km/hでノッチオフして自駅まで走るとすれば、この区間の動力費は5.83×23=134円という事になります。ただ、実際には室内のサービス電源用に交流電源を編成のMGを用いて作っていますから、若干上乗せする必要はあります。
このサービス用電源の査定も結構難しいんですよ。クーラーもAU75BとAU75Eでは消費電力量が違いますから、当然MGに対しての負荷が変わってきます。つまり、冷房装置の型番の差だけでも消費電力量が変わってくると言う事です。
だいたい、一般家庭が1日に消費する電力量が10~15kWhとの事ですから、この列車の2編成分ですね。まぁ実際には40km/hでノッチオフしてしまう路線など少ない訳ですから、もっと電気代はかかるんですけどね。

この計算を見て「おや?」っと思った方も居るのではないだろうか?実は、モーターの出力はどうでも良かったりする。出力は、ある電流値を一時間連続して流して絶縁破壊が起こらない最大値だが、起動電流は短時間定格になるから一時間定格を元にして示す出力による制約を受けない。
100kWのMT46Aを用いた中央線101系は、限流値が380Aであり、起動時の電流は400A~405A程度。それに対して110kWのMT55を用いた103系は限流値が定員時で約350Aで、起動時の電流は370A程度。
103系が省エネと言われるゆえんは、101系よりも加速度が高いのに、起動電流が少ない点にある。よって同じ加速度で運転する場合の消費電力量は少なくて済む。
これを、101系は2ユニットで800kW,103系は880kWだから103系の方が消費電力量が多いと単純に比較してしまうと間違いであるから注意する必要があるとは思います。

簡単でしたが、消費電力量の計算でしたが、もう一度お復習いしておきます。

電圧×電流×使った秒数/3600×ユニットの数

これが、基本式です。電圧は基本的には1500Vですが、昔は1350Vで計算していました。電流は実際にモーターに流れている電流です。だから、限流値を高めて起動時の電流を大きく取るような形式は消費電力量が大きくなると言う事です。
使った秒数ですが、その電流を何秒流したかということで、起動時は電流一定なので計算しやすいのですが、速度があがるにつれて電流が落ちてきます。そのあたりは区分求積という感じで計算していきます。
例えば、4M4T編成で
0→40km/h 加速度2.0km/h/s 平均電流350A  走行時間は40÷2=20秒
40→70km/h 加速度1.5km/h/s 平均電流380A 走行時間は30÷1.5=20秒
70→80km/h 加速度1.0km/h/s 平均電流300A 走行時間は10÷1=10秒

だとすれば、
0-40km/h 1.5×350×20÷3600×2= 5.83kWh
40-70km/h 1.5×380×20÷3600×2= 6.33kWh
70-80km/h 1.5×300×10÷3600×2= 2.50kWh
----------------------------------------
合計 14.66kWh

という案配です。これは実際の運転曲線を元にして、この区間では何キロまで力行するのか等のデータにより1区間ごと計算していくことになります。
電車の運転速度を落とせば消費電力量が落とせるのは、上記の式を見れば一目瞭然という事ですね。ただし、回生ブレーキというものがありますので、幾分は改善されますが。。。

その昔MySQLを使って検索できるようにしたページ

2011年04月30日 13時13分23秒 | 鉄道運転理論学会
なにぶん試験的要素が強かったので、サンプルをそのままあてがって作ったようなものだったのだが、一応動いたので気をよくしていたが、そこから全く進展がなく、本来ならもっと有益な情報を発信できているはずなのに、このページすらトップページからリンクが張られていないというありさま。

2004年の秋に作ったみたいだから、6年以上放置状態で、その間にスキルも上がってないし、自分として何も出来てなかったのかと少し恥ずかしい部分もあるが、今回の運転曲線などに向かっては、こういうのを用いてもテストしてみたい。

ちなみに、冷房改造の日とか延命工事の日などが検索できます。
こちら