
復路:7月30日(日) 東京→成田空港2:快速エアポート 成田空港2→東京:快速エアポート(グリーン) 東京→八王子 :中央特快 運賃:青春18きっぷ2回分+¥510+¥750
【前編より】
夜行列車を東京で降りたら、長い長いエスカレータを昇り、中央線ホームへと向かうのが常である。しかし、まだ朝の5時である。今から八王子へ戻っても、町は眠っている。
ちょうど、京王八王子バスターミナルと、ボーダフォンショップに用があるのだが、一度、東京宅に戻って、出直すのも、これまた面倒な話である。
そこで、ムーンライトながらを降りた足で、成田空港へ行ってみることにした。
と言うのも、JALみんなの夏空キャンペーンに乗じて、休暇中の家族旅行で貯まった搭乗半券を使ってBLUESKYでタダ同然の買い物をしようという魂胆である。
それなら、何も成田でなくとも、羽田でも神戸でも関空でも良いのだが、せっかく青春18きっぷが使える機会を利用して、15年ぶりに成田空港に行ってみようと思い立ったのだった。
東京駅から成田空港まで約1時間半ほどかかるが、その間、睡眠補充(二度寝)ができるなら、時間の無駄にはならない。それに、何よりも空弁ファンとしては、是非とも下総ちらしと蒲焼穴子寿司を試してみたい。

5時4分、列車は定刻に発車。
初めての鉄路なので、車窓が楽しくて、とても眠ってはいられない。錦糸町を過ぎたあたりから、列車はかなりのスピードで走行する。体感的には関西の新快速を彷彿とさせる。
あっという間に千葉に到着し、ここからは、ローカル色が濃くなってくる。
そして、成田を過ぎると、頓挫した成田新幹線用の高架を走る。なんと、単線である。途中には、信号所らしき場所も見受けられる。日本を代表する国際空港に接続する鉄道が単線とは、いったいどういうことなのだろう。線路の幅が異なる京成電鉄と線路を分け合わないといけないのは理解できるのだが、それなら、箱根登山鉄道のように、線路を2重にして互いに複線とする工夫はなかったものか?
その点、関空は、南海とJRとは、たまたま線路の幅が同じだったので、りんくうタウンで合流して全線複線となっている。だが、使えるものはできるだけ有効に活用するという、関西人のセンスから言うと、たとえ、線路の幅が異なっていたとしても、きっとなんとかしていたことだろう。

改札を出て、空港に入るときに、検問があるのには驚いた。入港の目的を聞かれ、証明書の提示を求められる。さすがに、BLUESKYで買い物とは言いにくく。とっさに、"空港で人に会いに..."と誤魔化した。BLUESKYの店員には会うのだから、嘘にはならないはず。そして、免許証を提示してようやく通してもらう。テロ対策なのだろうが、いくらでも抜け道はあると思われ、効果の程は些か疑問である。

次にエスカレータで3Fに昇る。ここは、国際線の出発ゲートがある。間もなく7時ということもあって、結構人が多い。これを見ると、多少は、日本の空の玄関という感じはする。天井の高さを除けば、関空と似たような感じである。



そうこうしているうちに、7時をまわったので1Fに降りてBLUESKYへ向かう。一応、開店は7時となっているのだが、まだ、商品陳列中である。ウロウロして不審がられても不本意なので、ひとまず退散して、残った2Fを探検する。


なんだかんだと予定より大幅に時間が超過してしまった。できれば、新装開店した成田第1ターミナルも見学したかったのだが、7時59分発の快速エアポートを逃すと、1時間以上待たなくてはならない。残念ではあるが、またの機会ということにして、JRの駅に戻る。

この時間帯、到着便が少ないせいか、乗り込んだグリーン階下席には誰もいない。さっき通った単線区間を東京方面に戻る訳だが、信号所で4分間も対向列車を待つ。まるでローカル線である。はるかに比べると遙かに見劣りのするNEXと交換後、ようやく発車。その頃、グリーンアテンダントのお姉さんがやってきて、入鋏し、頭上のランプをグリーンにしてくれた。これでようやく安心して眠ることができる。はず。

耳栓と、アイマスクで武装して、眠りにつこうとするが、ムーンライトながらで計算外に熟睡してしまったようで、なかなか寝付けない。千葉を過ぎたあたりから、グリーン車の乗客が増えてきた。こんなこと、関西では、まず、考えられないことである。
結局、その後も、眠れないまま、終点東京に到着。いつものように、長い長いエスカレータを昇って中央特快に乗って八王子へ。
八王子到着後、予定通り、ボーダフォンショップへ寄り、京王バスターミナルで夜行バスチケットを発券し、買い物をして東京宅へ。何カ所も寄り道をして11時前に到着。色々と雑用を済ませることが出来たのは良かったのだが、車中、全く眠れなかったのに、今更ここで睡魔がやってきて、ベッドに倒れ込んでしまう。他にやるべきことがあったのに、予定が狂ってしまった。
なかなか、計算通りには事は運ばないものである。下総ちらしと蒲焼穴子寿司はいずれも、予想以上に美味であったので、多少は報われた気分になったのだが。



