座敷ネズミの吉祥寺だより

吉祥寺って、ラッキーでハッピーなお寺ってこと?
中瀬の吉祥寺のあれこれをおしゃべり。

筆と文字

2018-01-11 | おしゃべり
新年早々 来年の話をすると 鬼が笑うといいます。

ならば、去年の話はどうでしょうか?(笑)



去年(正確には 一昨年の暮頃)、
私は
毛筆をやりたい、と思いました。

「習う」とか「習いに行く」とか「練習する」
とかではなく、
墨と硯と筆とで、紙に字を書きたい、と思ったのです。

習字でも書道でもない。

ただ、墨の匂いと 紙の手触りと
下手でも筆の文字とを 身近に感じたかったのです。






「下手でもいい。

 手書きの文字の方が、断然、美しい。」

そう最初に聞いたのは、
当時 葬儀社に勤めていたベテラン男性社員さんからでした。

その時 本堂に居て
住職と三人で目にしていたのは、
境内に ずらりと並んだ花輪でした。

花輪の下には お供えした人の名前が大書してあります。

その中に、
パソコンで打ち出したらしい
クッキリとした印刷の物があったのです。

初めて目にした私には とてもキレイに見えました。

だから、感心して見ていたのです。

ですが、そのベテラン社員さんには
その周りの あまり上手とも言えない手書きの名板の方が
美しいと言うのです。

パソコンの文字の名板を 見慣れていたようでした。

見慣れてしまうと、
どんなに下手でも 手書きの方が 数段キレイに見える、
と強調していました。

その後 その方は 退社してしまったそうですが、
とても頼りがいのある方だったので
経験を生かして 別の葬儀社に移ったに違いない
と思っています。






それから何年も
あるいは 何十年もして、
名板はパソコンの文字が普通になり、
更に
花輪よりも生花が増えました。

様変わり、という訳です。

そして 年賀状を含めて
「手書き」の物が 
だんだん 周囲から消えてきています。

そして
「下手でもいいから、手書きの文字が 美しい」
という事を 実感するようになりました。






人間が古くなったから、
昔のものが 恋しくなったのでしょうか?

もしかしたら そうかもしれません。

そうかもしれませんが、
手書きの文字は やっぱり 
下手でも美しいのではないでしょうか?

だったら、少しでも上手に書ければいいな、と。

そう思ったのです。






文字に関しては
子どもの頃から 劣等感しかありませんでした。

字が下手だったのです。

中瀬に来てからも
文字を書く事は すべて 住職に任せてきました。

自分で字を書く必要は ずっとなかったのです。

だから、でしょうか?

文字を手で書きたい、そう思うようになったのです。





結論。

去年 とうとう 書きませんでした!(笑)

一文字も書かなかったのです。

でも。

良いものですよね? 紙って。 墨って。 筆文字って。

今年も 同じ事を思っています。

毛筆をやりたいです。

書きたいです。



あ、書いちゃった。

書いたら、やるかしら?(笑)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿