がんに克つ

父のがんを治すためにがんを研究しました。がんは意外と簡単に治ることを知ってもらえたら、亡き父も喜んでくれると思います。

国立がん研究センターとは?

2023-05-14 08:47:41 | 健康・病気

みなさんは、国立がん研究センターについてどのようなイメージをお持ちでしょうか? もし、がんを治療する際の「最後の頼みの綱」などとお考えでしたら、それは大きな勘違いです。

今回は、その誤解を解くため、『医療詐欺 「先端医療」と「新薬」は、まず疑うのが正しい』(上昌広:著、講談社:2014年刊)という本の内容をご紹介したいと思います。

なお、この本の著者の上昌広(かみまさひろ)氏は、東京大学医学部卒業後、東大病院や国立がんセンター(現在の国立がん研究センター)で勤務した経歴の持ち主です。

上氏によると、国立病院というのは、「先端医療をおこなう施設」でも「治療が難しい重症患者を受け入れる施設」でもなく、「国の政策医療」を推進する施設なのだそうです。

そして、厚生労働省は、国立がん研究センターを「新規治療の開発のための臨床研究の推進」を最大の目的とする組織として考えているそうです。また、「臨床研究」とは、長い時間をかけて患者の経過を観察していくことが必要な研究だそうです。

したがって、「臨床研究」をおこなうためには、症状の軽い患者をできるだけたくさん集めることが大切であり、臨床研究に参加できない患者、すなわち、「進行がん」によって全身が衰弱していたり、すでに腎臓や肝臓の機能が低下している患者は、重症患者ということで門前払いをされてしまうそうです。

そのため、国立がんセンターはあまりに多くの「がん難民」を生み出していると報道され、国会でも批判されたそうですが、「患者切り捨て」の判断は医師が個々に下しているわけではなく、組織として上から「受け入れるな」という指示があるということです。

実際、上氏自身も、「合併症が多い重症患者を受け入れるな」と医師たちに指示をしている上司の姿を何度も目にしたそうです。また、これは東大病院や国立がんセンターに限った話ではなく、日本中の国立病院でごく当たり前のようにおこなわれていることなのだそうです。

以上、国立がん研究センターの実情をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか? とんだ勘違いをしていたという方が多かったかもしれませんね。

ところで、勘違いといえば、日本政府の経済政策についても大きな勘違いをしている人が多くいるようなので、ついでにご紹介しておきましょう。

次の図は、2010年度から2022年度までの日本銀行(日銀)の資産の変化をグラフ化したものです。

日銀のバランスシート:資産
【日銀のバランスシート:資産】

なお、このグラフにおける貸出金とは、具体的には「共通担保資金供給」とよばれるものです。

これを見ると、黒田東彦氏が日銀総裁に就任した2013年3月には、日銀が保有する国債は125兆3556億円でしたが、今年の3月には581兆7206億円(約4.6倍)に増加していて、これを政府や日銀は「異次元の金融緩和」だと称しています。

そのため、多くの人が、政府や日銀は景気を良くするために頑張っていると思っているようですが、日銀の負債の変化をグラフ化すると、これは大きな勘違いであることが分かります。

日銀のバランスシート:負債
【日銀のバランスシート:負債】

これを見ると、日本銀行券(すなわち、一万円札などの紙幣)は、2013年3月に83兆3782億円だったものが、今年の3月には121兆9550億円(約1.5倍)に増えているわけですから、確かに金融緩和をやってはいるのですが、増加率は年約4%ですから、とても「異次元」とよべるレベルではありません。

一方、当座預金(民間の金融機関が日銀に預けているお金)は、2013年3月に58兆1289億円だったものが、今年の3月には549兆781億円(約9.4倍)まで増加しており、これは、日銀が民間の金融機関から買い上げた国債の代金が、ほとんど市場に流出することなく日銀の内部に蓄えられているということを意味します。

これは言い換えると、日銀が民間の金融機関から莫大な借金をして国債を買っているということですから、日銀が本当にやっているのは「異次元の国債買い支え」であり、景気が良くならないのは当たり前だということです。

こういった勘違いは、医療にしろ金融財政にしろ、専門家に任せておけば大丈夫だと思い込んでいる人ほど激しいのではないでしょうか?

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