今回は、『癌からの生還 M式免疫療法の秘密』(阿部進:著、三一書房:1997年刊)という本をご紹介しましょう。
この本に登場するM医師は、糖分を極端に制限する食餌療法(糖質制限)と、喘息のワクチンなどの皮内注射、そして、大量の食塩水の摂取と運動によって、余命宣告されたがん患者を多数治療してきたそうです。
この食餌療法の具体的な内容は、べに花油と塩で炒めた緑黄色野菜を主食とし、肉(豚肉や内臓は禁止)や魚は1日100グラム以内で、バターを1日100グラム程度コーヒーに浮かせて飲むというものです。
禁止食材については、砂糖やアルコールが厳禁なのは当然ですが、お米(玄米を含む)、大部分のパン、麺類、牛乳、卵なども禁止です。また、糖分の多い野菜や根菜が禁止なので、野菜の選別には特別な注意が必要です。
そして、M式免疫療法で最も特徴的なのが、大量の食塩水の摂取で、水1リットルに9グラムの自然海塩を入れたものを1日3.6リットル(夏は5リットル)飲む必要があるそうです。これは、体液の塩分濃度(0.9パーセント)に近い水で身体を洗うという考えのようです。
なお、この本では、ミネラル分が約25パーセントの食塩を「自然海塩」とよび、その代表として、「海の精」、「粟国の塩」、そして「最進の塩」を紹介しています。これらの塩は、値段がやや高いのが欠点ですが、それだけの価値がある塩だと思われます。
ちなみに、M医師によると、厚生省が塩をとるなと言ったために大量のボケ老人が発生したそうで、自然海塩の摂取がボケ防止にも役立つそうです。
また、体液の循環を促進するため、運動(特にしっかり歩くこと)が必要で、水をいくら大量に摂取しても、運動しなければ効果がないそうです。
このM医師は、余命宣告された人を大歓迎して治療してくれたそうで、ご自分の治療法に絶対的な自信をお持ちのようです。また、M式免疫療法は、がんだけでなく、糖尿病や膠原病、アトピー性皮膚炎などにも特効があり、がん以外の方も多数受診されているそうです。
ただし、この療法の核心である糖質制限は、以前「糖質制限によるがん治療 」でもご紹介したように、危険を伴うものであり、この本でも、途中で規則を破ると命取りになることがあると警告しています。必ず医師の指導を受けるようにしてください。
また、医師の指導を受けたけれども、毎日の献立をどうしようか悩んでおられる方は、『やせて元気になる食事 糖尿病からの「ズバリ生還食」大公開』(阿部進・藤田佳子:共著、KABA書房:1993年刊)という本に糖質制限食の献立が写真付きで載っているので、参考にしてください。
このM式免疫療法は、有名な「ゲルソン療法 」とはある意味真逆の食餌療法なので、何が正しいのか混乱される方もいるかもしれませんが、様々な治療法があるということは、結局、がんはどうやっても治るということだと思います。治療をお急ぎの方は、M式免疫療法を試してみてはいかがでしょうか?
なお、『糖尿病からの生還 1日25グラムの塩が、僕の命を救ってくれた!』(阿部進:著、新風舎:2004年刊)という本によると、M医師とは、三木一郎氏のことで、M式免疫療法は「三木療法」として有名だそうです。
三木医師は、大阪で活動されていましたが、現在は引退されて、後継者の方が大阪と東京で活動されているようです。場所や連絡先については、「有気っ子倶楽部」というサイトに問い合わせれば教えてもらえるのではないかと思われます。
最後に、ちょっと気になった三木医師の意見をご紹介しますので、よかったら参考にしてください。
◆筍(たけのこ)は糖分が多い、生姜(しょうが)も血糖値を上げる(特に寿司屋の生姜)
◆甘味が欲しいときは、薬局で錠剤のパルスイートを買って使うとよい(粉末はダメ)
◆風呂上がりやマッサージ後に全身がかゆくなるのは、血管炎の特徴 → 要治療
◆足がつったら、水300cc に自然海塩3グラムを入れて飲むと治る
◆セデスを20年も飲むと免疫がボロボロになる
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