乙女的日記*B

永遠の乙女を目指す日記。(B面)

【グラスホッパー】伊坂幸太郎

2007-09-14 | 
 
 【グラスホッパー】伊坂幸太郎

 ようやく読了。

 飽きずにこんがらがらずに
 ドキを胸胸させながら(ダイノジネタ使ってみた)
 楽しめた。

 小説・映画・音楽それぞれに影響される
 魅力的な殺し屋達。

 目の前で繰り広げられる非情な光景が
 映像で浮かぶ巧みな表現なのに
 どこか静かな目で見ている自分だった。

 描写が上手なので面白かったからかな。
 いや。私の中には【鯨】みたいな
 空洞の真っ黒い目があるんだと思う。

 妻の復讐を企んだ事で、
 どんどん巻き込まれる一般人、鈴木。

 私は、最後まで彼だけ好きになれなかった。
 死んだ妻の事も。

 理由は・・まぁ色々なのだな。
 
 結局、鈴木の思うとおりに
 寺西も馬鹿息子も【令嬢】も
 この世から姿を消した。
 
 鈴木は、ホントに分かってるのかな。

 妻の仇を討つために
 誰かの未来を葬ってきた事とか。
 
 指輪を探している場合か?
 愚かな男だ。

『鈴木、いいからこの本最初からちゃんと読んで。』
 と、言いたくなるけど
 自分の愚かさなんて、
 同時進行形でなかなか分かんないんだよね。

 つーか、鈴木が我々の姿なのだな。
 あーあ。


 一番カッコよかった殺し屋は、槿だなー。


 
 * 今日のメモ帖

  『そして、誰よりも自分をうまく欺せる者が、
    誰よりも楽しく暮らせるってわけですよ。』

  【鯨】の愛読書【唾と密】より。