夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

魚肉ソーセージ

2014年11月27日 | 食・レシピ


バナナ一本が一時の空腹を紛らわせてくれるように、魚肉ソーセージも重宝する。
料理の素材としてはもちろんの事、ちょっとしたお酒のおつまみになる。

その昔、赤いビニールに包まれた魚肉ソ-セージが素手では開けにくく、アルミで止められた端っこを自らの歯でかじった経験があるだろう。
そんなに苦労して開けてヤレヤレ、今度はあの赤いフィルムに本体ソーセージが「フルベタにくっついている」ではないか。

「嗚呼、もったいない」感が漂う。

ある程度年配の方なら、
このような安堵感と表裏一体のストレスと悲哀を感じながら「魚肉ソーセージ」を召し上がった経験がおありではないか。

ところが近年、なんと、あの赤いフィルムにくっつかない「魚肉ソーセージ」が流通している。

そう、「つるりと」剥けるのだ。

そう、京都出身のあのユニークなバンド「つるり」を思い出す。

そんなことで感心していたら、今度はなんと「どこからでもきれいに剥けます」ソーセージが出ていた。

説明書きのある包装紙を開けると、物議をかもしたあの本体ソーセージ様が出てくる。

大手M社のそれは、もはや赤色エレジーではなくて「透明」のポリエステル風素材で包まれている。

そして過去、ここからは開封不可能であるとされていたあの横長に続く「織りしろ」のような部分にプリント文字がある。
「らくらくOPEN」という意味不明の説明書きは、この「どこからでも開封できますよ」という勝利宣言だった。

このM社の「くるんパック」なる製品、時代を反映している。

「どこからでもきれいに剥ける」要素と
「さらにCaカルシウムアップ、牛乳の4倍」という宣伝

「そのままでもお料理にも」使える手軽さと
「フィッシュソーセージ」の健康的なイメージ

と畳みかけてくる。

「技術開発」とは、ある日唐突に出来上がったようでもあり、何十年もの歳月を経てようやく実現できたのかという印象もある。

「してやったり」という技術者の顔が見えてくるような開発が日本の生きる道か。











黄昏のビギン

2014年11月26日 | 音楽


最近「ビギン」というリズムをあまり聴かなくなったような気がする。
いや沖縄のグループ名の方が通りが良くなったせいかもしれない。

「♪♩♪♫♫」 という軽快なリズムは案外難しくてノリ切れるまで時間がかかった記憶がある。
2拍目にアクセントがあるので無意識にベースをそこで弾いていたらしく先輩に注意された。
ベースは「クう」べきであるのに「モタって」いたのであろう。

このリズム、ギターは割とアップ、ダウンのストロークで「様になる」のだが、ウクレレはやりにくい。

「黄昏のビギン」は1959年、永六輔、中村八大コンビの名作だ。
「黒い花びら」で一世を風靡した水原弘さんの「黒い」シリーズのB面に収録されたという。

今や神がかり的な存在になってしまった「ちあきなおみ」さんの歌が印象的で、そちらがオリジナルかと思った向きも多いだろう。

ウィキによれば共作となっている歌詞のほとんどは作曲の中村八大氏が書かれたとか。
ポールとジョンのどちらが作っても「レノン&マッカートニー」作としていたビートルズを思い出す。

確かに歌詞がもたらす黄昏時の風情と、ビギンという軽快なリズムとのアンマッチが余計に詩情を掻き立てている。

「♩雨に濡れてた 黄昏の街♩」
「♩あなたと逢った 初めての夜♩」

「♫ あなたの瞳に映る星影 ♫」
「♩ 並木の影の初めてのキス ♫」

「C C6 CM7 C6」という明らかにメジャーの曲なのに、サビがマイナーにいってまたメジャーに戻るのもドラマチックな構成だ。

生まれて50年以上たつこの作品をカバーする人の多いこと。
挑戦しても思うように表現できないような、それだけ難しい楽曲だと思う。

名曲は永遠に残る。




また逢う日まで

2014年11月24日 | 音楽


とあるライブ会場での出来事。
ピアノをバックに詩の朗読が始まり、オリジナル曲の披露、スクリーンにショートコント風の映画まで上映され、芸達者が集う。

音楽ジャンルを強要したり腕前をひけらかすことなく、政治的な狙いも金儲けの匂いもしない一般市民の発露。
初めてお邪魔したカフェバーで繰り広げられたローカルな社交の場は、地方都市のライブスポットの雰囲気にも似ている。

爽やかで心地よい空間を感じられたのは「全てが押し付けがましくないから」だろう。

ロック少年そのままで齢を重ねてきたと思われるお二人がエレキギターを抱えてロックナンバーを歌う。
ベースもドラムスもなく、弾きながら歌うサイドギター氏とリフを繰り返す相方氏とで数曲が披露される。

そして「2年前に亡くなった稀代の歌手のこの歌を歌います」とイントロが始まった。
オリジナルとは似ても似つかないギター2本のイントロは新鮮だった。

尾崎さんの「また逢う日まで」だった。

おそらく歌詞もコードも諳んじているであろうその演奏は、尾崎さんを、楽曲をいつまでも愛し続けてきた少年の心そのものだった。

歌った彼を楽屋に訪ねると

「あの当時ボクは小学生でした」
「以来、ボクの心のなかでは(尾崎さんは)ずーっと英雄です」と。

「いきなりピースサインを掲げて登場する尾崎さんはかっこよかった」
「この1曲しか、知らないんです」

そして「これからも機会があれば歌い続けます」
「呼んでくれればボク、(尾崎さんのように)マイクを持って歌います」とまで。


尾崎さんと三度ご一緒する機会があった私に、彼は親戚に会ったように打ち解けてくれた。
そして「もうああいう人は現れないだろう」と。

期せずして、こうした尾崎さんファンが日本中にいることを実感した一夜だった。

さて追悼の何かを考えなければ。








ケルトナーのタイム感

2014年11月14日 | 音楽



「リズム&ドラム・マガジン」2014年9月号は、ジム・ケルトナー特集、当に永久保存版だ。
インタビュー形式で綴られた8ページの記事に、人との出会いと音楽観の形成など彼の音楽史が語られている。

1941年オクラホマ州タルサに生まれたケルトナーは、ドラマーの父からセットを与えられミュージシャンへの道を歩む。
ゲーリー・ルイスとザ・プレイボーイズのレコーディングに参加して以来、これが自身の仕事だと直感したという。

同郷で同じイニシャル「JK」になるドラマー「ジミー・カーステイン」とのデラニー&ボニー移籍にまつわるエピソードも興味深い。
大がかりなドラムセッティングを命じられたカーステインがこれを拒否して、ケルトナーが抜擢された。
ゲーリー・ルイスにジミー・カーステインが、デラニー&ボニーにケルトナーがと、イニシャルが同じ二人がトレードされた。

このドラム・セッティングの話は、ケルトナーがシンプルなプレイに落ち着く音楽的な変遷という因果関係につながる。
二刀流の宮本武蔵が巌流島で佐々木小次郎との対決にあたって艪を削った木刀を使用した逸話と一緒にしたら叱られるだろうか。

ケルトナーが、ドラミングは「シンプルであるべき」と悟るきっかけも新鮮だ。

そしてインタビューの核心でもある「あなたのタイム感はどのようにして形成されたか」の質問に対して
音楽に対して長い時間をかけて触れ合う時間が必要だとの認識が深い言葉だ。
演奏には自分自身が出る、両親がどのように育てたかまでが音楽に現れるという。

若い頃、初心の頃、どんな楽器でも「どう演奏するか」のテクニック論に終始する。
そしてそのテクニック論をマスターしたところで何年か何十年か経った頃、またぞろ「壁」にぶち当たる。
結果、わかってくるのは「どれだけその音楽にのめり込んで理解しているか」を問われていることに気づく。

つまり金科玉条の如く頭に刻んでいたセオリーはどうでもいいことであって、もっと重要なことがある。
それに気づいたときに無限大の選択肢の中から最適のフレーズを瞬時に思い描きその音空間を実現する。

それを実現するにあたって何もしないわけではない。
例えばドラムセットの中で必須と思われる「スネア」を外したセッティングを試すなどの試行錯誤をしている。
ただしそうした冒険は「本当に必要を感じたときにやれ」とレジェンドは語っている。

同郷出身で好きだというJJケイルを通じたクラプトンとの関係もユニークだ。
リンゴやジョン、ジョージなどビートルズ御用達のケルトナー、クラプトンがなぜ採用しないのかとライブ映像を見るたびに訝しく思っていた。
「クラプトンからツアーに参加してくれと要請されたけど断った。ツアーに参加して僕は友達を失いたくないから、、」と、なるほど。

アメリカ人の彼が英国のミュージシャン達、ビートルズやストーンズ、クラプトンから「ブルース」を学んだとも。

そしてライクーダーと訪れた日本を愛し、奥様と巡った福島、東北大震災を憂う優しさがまたファンの心をつかむ。













循環コードと曲作り

2014年11月02日 | 音楽


ギター習いたての頃、「C Am F G7」というコード進行に感動する。
いわゆる「循環コード」と言うものでこれを使った楽曲は数知れない。

古いところではピート・シーガーの「花はどこへ行ったの」
いつの時代も古さを感じさせない名曲だ。

沖縄の喜納正吉氏の「すべての人の心に花を」も同じようなコード進行だ。
キーが「C」であれば、「Am」「Dm」「Em」あたりを行ったり来たりするのが、泣かせどころか。
「演歌」ジャンルでも良く出て来る。

最近流行の大勢の少女たちが唄って踊るパターンは好きではなかったが、「恋する、、、、」を聴いていたら、コード進行、リズムアレンジ、等々、楽曲が良くできていることに気がついた。
そこで調べてみたら、伊藤心太郎氏というアレンジャー、作曲家の作品だった。
立教大学ご出身とか、60年代のポップスに精通された方と聞いて納得した。
立教大学は多くの著名ミュージシャンを輩出している。

先日あるミュージシャンと「I Miss You My Hawaii」楽曲が話題になった。
これもケネス・マクアカネ氏ご本人が「15分で作った」と豪語する傑作だ。
16BEATで演奏されるナレオのアレンジを聴いていると、コードの動きを感じさせない印象なのだが、これも前述の循環コードで出来上がっている。

話題のポイントは、この楽曲が循環コードを意識させない出来映えになっていること。
先ほどの「恋する、、、」も同じセオリーで作られているのかもしれない。

量産される音楽が多いこの頃、「歌い継がれていく、感動を与える楽曲」というものに関心が強い。


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YouTube: 恋するフォーチュンクッキー STAFF Ver. / AKB48[公式]


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YouTube: Hawaiian Music - I Miss You, My Hawaii


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YouTube: Joan Baez Where Have All The Flowers Gone


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YouTube: 喜納 昌吉 --- すべての人の心に花を



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