遊去のブログ

ギター&朗読の活動紹介でしたが、現在休止中。今は徒然草化しています。

リフォームは大変だ!

2016-03-15 08:48:15 | ぼやき・つぶやき・ひとりごと
 今回のリフォームでは風呂とトイレがメインでした。それに伴って給湯器も電気からガスに替えます。給湯器にはそれまで井戸水を使っていたのですが、ガス給湯器の場合は水道水じゃないとだめだということで配管も新しくすることにしました。湯は台所でも使うので、つまり、水回り全部のやり替えになります。今後のことを考えれば、大変でも、今やっておくのが一番だと考えました。
 去年の11月からその打ち合わせが始まりました。まずは給湯器です。1ヶ月ほど前から電気給湯器に異変が出ていたのでこれを一番先にするのはよかったのですが、見積書を見ると「壁掛け型」となっていました。これは「据え置き型」の方がいいだろうと思いました。ガス給湯器を設置するには専用の配管が必要になるのでボンベを設置しているJAの担当者に来てもらって話を聞くと、給湯器は法律でプロパンガスのボンベから2m以上離さなくはいけないことになっているといいます。確かめて良かったと思いました。そのとき「壁掛け型」の話をすると、この壁では強度が足りないといいます。そこで納入業者にその話をすると、もう品物が来ていて返品できないというので、仕方なく補強をして設置することにしました。
 ガス給湯器からの配管を台所に入れようとしたとき、その位置に雨戸の戸袋があってうまく行きません。そこで、とりあえずこれまでの配管につないで使うことにしました。春になり暖かくなってから全部まとめてやり直そうということですが、本当にできるのか不安がありました。難しいものを先送りしても易しくなることはありませんから。
 12月2日、ユニットバスの納入業者と風呂の打ち合わせ。5日に風呂場解体。私は簡単なことだと思っていましたが、風呂場の床を破るのは1日がかりでした。いや、「1日でできた」というべきです。それは電動ハンマーを使ったからですが、兄貴は自分の家の風呂を破ったときには鏨(タガネ)とハンマーでやったので1週間かかったと言っていました。その経験から、今回は知り合いの会社で電動ハンマーを借りてきてくれたのでしたが、それでもコンクリートを割るのは大変です。こんなに硬いものとは知りませんでした。
 生まれて初めて電動ハンマーを使いました。ダダダダーッとやれば床はバリバリッと破れるものと思っていましたが、全然です。1時間もすると、もう重くて抱えていることすらできなくなりました。しかも、風呂場は一度リフォームしてあり、古い床の上にさらに新しい床が作ってありました。つまり、床が二重になっていたのです。一重でも大変なのに、もうトホホの気分です。機械を使えば何でも簡単にできると思ってしまう傾向がありますが、これ以来、道路工事でダダダダーッとアスファルトを破っているのを見ると大変だなあと思うようになりました。
 夜になって気付いたのですが、台所も居間もあらゆるものの上に砂埃が積もっていました。この日、家の中の各部屋の戸は開けたままにしていたのです。砂埃は2階にまで上がっていました。電動ハンマーを使うと粉塵が出ることを知らなかったのです。掃除機で吸うと目詰まりするし、雑巾で拭くと墨流しのように塗り付けたような状態になります。これでは床に磨き砂を撒いたようなもので、上を歩けば床は傷だらけになります。おかげで掃除も1日がかりになりました。
 庭には割った瓦礫が山積みになっています。こんなに出るのか、どうする、これ。結局、処分場を捜し、有料で廃棄しました。約200㎏ありました。処分場で話を聞くと、それは砕石業者に出し、粉砕して、また道路建設などの材料として使うそうです。それを聞いてほっとしたのですが、あとで、処分場は砕石業者に瓦礫を有料で出すのか、それとも有料で引き取ってもらうのかが気になりました。
 翌、6日、コンクリートで床作り。こんなにいるのかと思うほどセメントと砂と砂利がいります。それをスコップで練っては入れ、練っては入れで、またもやへとへとです。その晩、銭湯に行ってたっぷりの湯に浸かっていると、つい、だらだらしていたくなり、長い時間、泡のぶくぶくの中にいたら気分が悪くなってきました。これはいかんと思って上がったのですが、落ち着くまでには少々時間がかかりました。おまけに帰りの車を運転中には眠くなってくるし、何でもほどほどにしておかないといけないものだなと思いました。
 ガス給湯器に切り替えて一段落したと思ったのですが、すぐにあちこちおかしくなってきました。水が漏れ始めたのです。井戸水はポンプで汲み上げているのですが、ポンプの圧力は水道より弱(低)いのです。ガス給湯器に切り替えたときから、水圧が水道のものになりました。40年近く使ってきた配管は劣化していて、特に継ぎ目の部分の接着剤は効き目がなくなっていました。圧力が高くなると同時に水が漏れ出し、ついに栓が吹き飛ぶところが出て来ました。というのは、配管をやり替えるのにこれまでの配管がどうなっているか調べるために土を掘っていったのです。
 「何だ、こりゃ!」、姿を現した配管は蟻の巣か、プレーリードッグの地下通路のように入り組んで、まるで迷路のような状態です。どうしてこうなのか、実は、この家の前の持ち主は水道屋でした。それで必要に応じて、その都度、自分で付け加えたり、切ったり止めたりしていったのでしょう。迷路はその結果でした。どれがどうなっているか調べなければならないので配管は埋戻さず、そのままにしておきました。
 配管が劣化していても上に土の圧力がかかっている間は何とか保っていたのですが、土の重量による圧力がなくなったとたん、継ぎ目の部分がゆるみ始めたのだろうと思います。その上、朝には氷が張るようになってきていたので、昼と夜の温度差も災いしたのでしょう。おかしくなるたびに水道の元栓を止めては応急処置の繰り返しで、やはり、今、水回りの配管をやり直すという判断は正しかったことがわかりました。
 ユニットバスの出入り口は、設置するとき、洗面所の床の上に乗ることになります。そうなると、その部分はもう動かすことができません。そこで、その前に洗面所の床も張り替えることにしました。
 床をはがすと木組みの風呂に面した部分がかなり腐って土のようになっていました。洗面化粧台の後ろの配管の辺りの板も腐っていて、ここで水が漏れていたこともわかりました。これまで、水を使っていないのにポンプが回り出すということが日常的にあったので、どこかで水が漏れているなと思っていましたが、調べようがなかったのです。ホームセンターに材料を買いに行ってその日のうちに床を張り替えることができました。大きなムカデが2匹出てきて、ここに巣のあったこともわかりました。
 14日の夜、7時にユニットバスの納入業者が風呂の床の具合を確認に来ました。17日が設置予定です。洗面所に入るなり「あ~~~~~っ!」と叫べました。「低い、低い~~」と言いながら図面を出し、メジャーで測り出しました。『測るまでもない』という雰囲気ですが、どのくらいダメか、どう手を打てばいいかを考えているようでした。「5cm低い、5cm…。言い方が悪かったのかなあ」見ている私の方が気の毒になるような有り様でした。しかし、私は不思議でなりませんでした。打ち合わせのとき、兄貴と二人で図面を見ながら細かい寸法まで話をしていたのです。私は、当然、兄貴は全部わかっているものと思っていたので余計な口は挟まない方がいいと思い、二人の話を聞いていました。
 ユニットバスには6つの足があって、その6本の足で床に立つようになっています。
「足は高さの調節、できるんやろ?」「はい、できます」
横で、その会話を聞いていて不安な感じがしたのを覚えています。どうしてそんなことを聞くのかと思ったのです。ユニットバスのことを全部知っていたら聞くはずがないのです。そして、私の勘は的中しました。兄貴は、ユニットバスの足の長さが10cmくらいあるのを知っていたので、10cmくらいは調節できると思い込んでいたのです。それで、床のコンクリート面を図面の位置より5cm低くしたのです。ところが、足は10cmくらいあるものの、その調節範囲は±2cmだったのです。結局、厚さ5cmの煉瓦を足の下に置くことにしました。それだけではありません。6本足の着く位置も違っていました。私にはさっぱり訳が分からないのですが、兄貴は図面を見ながら何度も何度も確認していました。それなのにどうして10cm近くもずれるのか。足の立つ位置はきれいな平面になっていないときちんと煉瓦を置くこともできません。結局、その日のうちにセメントを練って足場の位置を大きく、広く盛り上げ、きちんとした平面にやり直すことになりました。
 「9時、9時、9時、…」私はそればかり考えながら一人で作業をしていました。風呂に入るためには9時に家を出なければなりません。7時過ぎに始めたセメント補修は3時間かかり、とうとう風呂には入れませんでした。この寒い時期に風呂に入れなかったらぐっすり眠れないじゃないかと悲しい気分になりました。仕方なく、いつものように少し純米酒を飲み、布団に入ると意外にもすぐに眠ってしまいました。
 朝になるといつもと何も変わりません。風呂に入らなくても疲れが残っているわけでもなさそうです。考えてみれば、子供の頃は風呂を毎日焚くということはなかったし、学生の頃は銭湯代がなくなることもありました。風呂に毎日入れるようになったのは風呂のある家に住むことができるようになってからで、20代後半からです。今回の一件で、風呂に毎日入れるということは、それだけですごいゼイタクなことなのだとわかりました。しかし、夜の待ち遠しいことといったらありません。夕方になると飛んで行って、誰もいない銭湯に浸かりながら、砂漠の民が日本の銭湯の溢れるような湯を見たらきっと腰を抜かすだろうと考えていました。
 17日! 7時半に業者到着、ついにユニットバスの組み立て・設置工事開始。みるみる作業は進み、午後3時半には作業終了。さすがに本職は違うなと思いました。今晩は風呂に入れると思っていたのですが、最後の説明で接着剤が乾いていないので明日からにしてほしいと言われ、最後の銭湯に行きました。
 今、風呂は快適です。風呂に浸かりながらよく考えます。私自身はかなりいい加減な人間ですが、その私が今回のリフォームの進捗過程を見ていて、こんな行き当たりばったりなやり方で風呂場は完成するのだろうかと思いました。ただ、だめならまたやり直せばいいだけで、銭湯に通う期間がさらに延びるだけのことですから、その腹積もりはしていました。大筋の計画はあっても、進むに従い次々に問題が発生し、行き違いがあったりして、どれを取っても、1日ずれたら大変面倒なことになることばかりです。それにも拘らず、すべてすれすれで解決して、何とか風呂場はできました。その風呂に浸かりながら思うことは、人生も、また、そんなものだな、ということです。
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