遊去のブログ

ギター&朗読の活動紹介でしたが、現在休止中。今は徒然草化しています。

アゲハチョウの幼虫

2009-08-22 16:35:47 | 畑の話
 畑でニンジンが種をつけています。ニンジンの花を見たことのある人は殆んどいないでしょう。ニンジンが花を咲かせるときには1mくらいの高さまで茎を伸ばします。茎は途中で2つに枝分かれし、それぞれがまた2つに分かれるということを3,4回繰り返して空に向かって伸びていくので最終的に茎の数は10本くらいになります。その先に小さな白い花がたくさん集まった円形の集合体ができるのですが、その周りを緑の葉が取り囲んでいるので、離れて見ると大きな白い花が空に向かって咲いているように見えます。いくつもの丸い花が、腰の高さの辺りに揃い、空を向いてゆらゆらしている様子はやや異様です。
 花はそのまま種になるのですが、直径10cmくらいの一つの集合体に小さな花が百個くらいはあるでしょうか。その真中にアゲハチョウのかなり大きい幼虫が一匹、陣取っていました。
 1本のニンジンからは10本くらいの茎が出ています。そのうちの一本に大きな幼虫がいただけなので、これも自然の形だろうと思ってそのままにしておきました。次の日には幼虫のいた花は殆んど食べ尽くされていました。よく食べるものだと感心していたのですが、その翌日には、どういうわけか幼虫の数が増えていたのです。全部で4匹がそれぞれ一つ一つの茎に張り付いているのです。このままでは全部食べ尽くされてしまうなと思いましたが、盆でもあるし、あまり殺したくなかったのでそのままにしておきました。ところが、その翌日には、畑に行ったら一匹もいなくなっていたのです。
 小指くらいの太さの幼虫が4匹も忽然と消えるというのはどういうことなのでしょう。周りを捜しましたが見つかりません。花を咲かせているニンジンは少し離れて2,3本あるのですが、そこにもいませんでした。というのは、幼虫は食べる植物の種類が決まっているからです。アゲハチョウの幼虫は、普通、ミカンの仲間の葉を食べますが、ニンジンにも付くとは知りませんでした。それでちょっと体を触ってみたら、頭からオレンジ色の角を出したのですが、そのときミカンの匂いがしたから不思議です。何か共通の成分があるのかもしれません。
 オクラにはオクラの、サトイモにはサトイモの幼虫が付きます。何でも食べられれば一番強いような気がしますが、食べ分けをしているということは、進化の過程でその方が有利だったので生き延び、何でもOKな方は消えていったのかもしれません。「特殊化(専門化)」する方が有利ということなら人間社会でも同じことが言えそうです。ただ、私は、何でも自分でやる「自給自足」的スタイルが好きなので、今の社会では「消えゆく方」に属するようで、ちょっと残念です。でも、まあ、それも自分に合わないことをするよりはいいかなと思っています。
 ところで、幼虫ですが、一つの茎の先端で種を食べ尽くした後は別の茎に移らねばなりません。それには一度、茎を降りて、次の茎との分岐点まで行き、そこから別の茎を上り直すことになります。そのとき、その茎の先に種があるのかどうか、どうしてわかるのでしょうか。茎に他の幼虫の匂いが付いているなど、何らかの兆候があるのかもしれませんが、いずれにしても大変な労力が必要です。生きるということは楽ではないようです。
 で、結局、幼虫はどうなったかということですが、鳥に食べられたのか、あるいは、場所が畑の端で、道に面していることもあり、子供が見つけて、夏休みの宿題に取っていったのかもしれないと想像しています。今ごろはケースの中で観察されているのかもしれません。
コメント
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