遊去のブログ

ギター&朗読の活動紹介でしたが、現在休止中。今は徒然草化しています。

期せずして

2013-04-24 14:21:10 | 畑の話
 DKの北側はアルミサッシの掃き出しで、ガラス戸になっています。今、その向こう側は菜の花畑で、黄色い花がたくさん咲いています。実は、これ、白菜です。食事をしながら菜の花を眺められるとは、まったく予期しなかったことでした。冬に白菜は食べられなかったけど、これで十分満足しています。
 秋に白菜の苗をたくさん植えました。100個以上はありました。自分なら10個くらいしか植えませんが、「植えるところがない」といって置いていかれたので仕方がありません。さすがは冬の作物、気温はぐんぐん下がっていくのに成長していきました。まず、外葉を広げ、光合成をするための場所を確保します。人工衛星や宇宙ステーションが打ち上げられて軌道に乗ると、すぐに太陽電池パネルを開いてエネルギー確保の準備をするのと似ています。外葉が増えて成長すると次は内側の葉が立ち上がります。そして、外葉で受け止めた太陽エネルギーを使ってどんどん葉をつくり、結球していくのです。
 その外葉が広がった頃、ムクドリがやってきました。見ると白菜の外葉を食べています。これはまずいと思いましたが、鳥も生きていくには何か食べないといけないし、2,3羽なら仕方がないかと眺めていました。ムクドリは地面に立って外葉の先をつつくのですが、葉の高さがちょうどいいところにあるのです。そして、葉の先は葉脈だけが残って次第に櫛のようになっていきました。ムクドリが株のまわりを回って順々に葉をつつき、一周すると、白菜は大切な葉の外側半分を失って情けない姿になりました。これではもう結球できません。だけど、ひと冬に10個もあれば十分なのでそのまま放っておきました。
 数日後、外を見るとムクドリの数が増えています。ムクドリが仲間を連れてきたようです。そして、日毎に数が増えて、ついに、ひと株に一羽が張り付いて食べ放題の状況。結局、すべての白菜が外葉を食べられてしまいました。こうなったらもう結球はしないので、仕方がない、種でも取るかと考えていたのですが、3月に白菜のことを調べていたら、他の花粉と交雑するので結球するような白菜の種は取れないということがわかりました。そうすると緑肥にするしかないなと思っていたのですが、暖かくなると茎がぐんぐん伸びだして花が咲き、みごとな菜の花畑になったのです。
 食事をしながら菜の花を楽しめて、その向こうにはモクレンの花が咲き(よその家の庭ですが)、さらにその向こうには緑の山と青い空が広がります。これから人生の締めくくりをしようと考えているときにこんないい形の暮らしができるとは、ちょっと話がうますぎるのではないかと疑いたくなります。つくづく、人の計らいというものは高が知れているなと思いました。
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誤算! シイタケ

2013-04-05 11:27:11 | ぼやき・つぶやき・ひとりごと
 3年ほど前、シイタケの菌を打った原木をもらいました。10本くらいあります。「よし」と思ったのですが、それには理由がありました。5,6年、あるいは、もっと前かもしれませんが、図書館で林望氏の料理本を借りて読んだのです。その中に、「マッシュルーム」についての話があって、何でも、イギリスでは相当有名なオルガニストで、料理もうまいという人の言が出ていて、それは「マッシュルームは洗わない」というものでした。うまみ成分はマッシュルームの表面についているので、洗うとそれが取れてしまうというのです。汚れているときには布で拭いて使うといいます。それ以来、このことがずっと気になっていたのです。
 店で売っているシイタケはどのように生産しているのかわからないので洗わないと不安です。それで、原木をもらったとき、これからはシイタケを洗わないで食べられると思って喜んだのでした。採りたての大きなシイタケを、焼いて、生姜醤油で食べる…。先ずはここからでしょう。40年も前に食べたこの味が忘れられません。その日のことを思い出しながら、北側の日の当たらないところに原木を組んで立てました。
 自然では、シイタケの旬は春と秋です。春先、周期的に雨が降るようになるといよいよです。原木からにょきにょき生え出したシイタケはぐんぐん大きくなって、取り忘れると洗面器くらいの大きさになったものも出てきます。この化け物のようなシイタケは切ると、切り口の厚みは3cmくらいもあるのでカレイかヒラメの切り身のように見えます。これをフライパンで焼いたり、スープにしたり食べるのですが、その贅沢な使い方が許されざる調理法のような気がして、初めて食べたときにはちょっと覚悟をしました。
 あるとき、シイタケのカサがぴかっと光っているのを見つけました。すぐにわかりました。ナメクジです。カタツムリもいます。原木の裏の方を覗くといるわ、いるわ。夜中に連中が這い回っているのです。幸いなことに、連中、這い回った後にはちゃんと跡を残しておいてくれるので気をつけていればわかります。が、カエルやトカゲや、ほかの生きものはわかりません。それが自然なのだから仕方がないのですが、シイタケの素性がわかったところで、洗わないで食べるのにはそれなりの覚悟のいることがわかりました。
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