くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

狼おとこ(14)

2022-02-22 19:48:38 | 「狼おとこ」
「だから――」と、バードはちらっと奥をうかがった。「おれに仕事をまかせて、こっちに出てこないんだ。出てきたら、手足がおぼつかなくなってるのがわかっちゃうからね」
 クックックッ……と、二人はまた笑った。
「手伝うよ」と、そう言ってグレイは、バードと一緒に道具を運び、ひとまとめにするのを手伝った。
「よしっと。馬車は裏だから、用意してくるよ」
 バードは立ちあがると、表から外へ駆けていった。グレイは待っていた方がいいか迷ったが、マサカリの束を背負うと、よろけながらも外へ出て、バードが駆けていった方へ回って行った。
 裏へは、狭い路地を通らなければならなかった。
 マサカリの束はかさばって、背負っていてさえひと苦労だったが、ほとんど横向きになって進むので、束をおろして両手で持つしかなかった。
 ようやく出口にさしかかると、にわかに騒がしい声が聞こえてきた。人をけなすような、そして恐いような気配が漂っていた。
 グレイが顔を出すと、バードが裕福な身なりをした四人組の学生に取り囲まれ、尻をしこたま蹴り上げられていた。
 バードは、手を出したいのを、歯を食いしばりながら我慢しているようだった。往来は、表ほど人通りは頻繁ではなかったが、それでも多くの道行く人の姿があった。すぐ脇を通っていったご婦人。紳士の姿もあった。けれど、いずれもこちらの姿は見えていたが、何事もなかったように見て見ぬふりをして、足早に通り過ぎていった。
 グレイは、彼の外見からは意外に思えたが、マサカリを放り出すと、学生達に突っかかっていった。どう見ても、バードよりは年下だったが、グレイよりも年上の四人組は、背丈でも、力でもグレイに勝っていた。
 割って入ったグレイは、案の定、頬をゲンコツでぶたれ、よろりと地面に倒れこんだ。

「なんだよ、このチビ」

 学生の一人が、吐き捨てるように言った。
「物乞いのくせに、紳士にたてつこうなんて、身のほど知らずだぜ」と、四人の学生のうち、一番体格のいいやつが言った。
 細面の一人が、倒れ伏せているグレイの横腹を蹴り上げた。グレイは、腹を抱えてうずくまった。

「おまえら――」

 バードは、その細面の学生を突き飛ばすと、素早くマサカリの一本を引き抜いた。
「死にたかったらかかってこい」と、そう言ってマサカリを高く振り上げた。学校の帰り道、ただ面白半分にからかって楽しんでいた彼らは、バードが本気だと気がつくと、吊り糸が緩んだ人形のような、けたけたと気持ちの悪い笑みを浮かべながら、逃げ去った。
「大丈夫か、おい」と、バードはグレイを助け起こした。
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よもよも

2022-02-22 06:14:13 | Weblog
やれほれ。

ついこの間大雪で泣かされたと思ったら、

まただよ・・・。

昨日だけかと思ったら、またぞろ今朝も吹きだまって

わや。。

いつもより早く目が覚めて覗いて見れば

車のフロントはすっきり雪も無し。。

風が強かったし、こんなもんかなと思ったら、

後ろ側に膝上まで吹きだまってて、しかも重いしさ、

ついさっきまで雪はねしてて、

体が重ったるくて仕方ない。

はぁ。もうこれで勘弁してくれXXX
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