前日から群馬。学校リノベーションのときにアーティストインレジデンスのあり方についてインタビューさせていただいてから交流の続いている現代美術家のSさんの研究室を訪ねて、一時帰国のご挨拶。懐かしい地元のファミレスでしゃべってから、市の文学館で開かれる児童画展の会場チェックにも同行させてもらう。スタッフの方が用意した主役よりも目立ってしまっている過剰な飾り付けを、「意図はいいと思うんですよ」と言いながら剥ぎ取っていく。予算も人手もないのでと言いながら、船頭を欠いてお金と時間の使い方を間違えているようである。Sさんが講師をする専門学校では、学生たちは挑戦の場を求めているものの、基本的な技術の習得を重んじる厳密なカリキュラムによって課外活動は制限されているという。活動実績は重ねるも内容は省みられずに過ぎていってしまいがちな県や市の催しと、機会さえ与えられれば一生懸命報いるであろう鬱々としたエネルギー。それをカップリングできる人がいればいいのだが、すれ違っている現状はもったいないと思った。Sさんは、だから学生有志を連れて起業する計画なのだと語る。
午後は母と足利市立美術館に怪獣と美術・成田亨展を観にいった。思うまま自由に描いているものよりも、着ぐるみであることや使い回しであることなど多くの制約を背負って描かれた最初期の怪獣デザインの方がむしろいきいきとして見えた。後進たちはその怪獣デザインを継承発展したが、その始祖たるガラモンやカネゴンは怪獣であると同時にその背景に悲しみや諧謔をもつ造形作品でもあったように思う。
午後は母と足利市立美術館に怪獣と美術・成田亨展を観にいった。思うまま自由に描いているものよりも、着ぐるみであることや使い回しであることなど多くの制約を背負って描かれた最初期の怪獣デザインの方がむしろいきいきとして見えた。後進たちはその怪獣デザインを継承発展したが、その始祖たるガラモンやカネゴンは怪獣であると同時にその背景に悲しみや諧謔をもつ造形作品でもあったように思う。