備忘録として

タイトルのまま

The Bucket List

2008-05-11 11:51:15 | 映画

シンガポールへ行く機内で観た。英語字幕がなかったので英語版と吹替え版を繰り返して観た。
”最高の人生の見つけ方”(原題The Bucket List) ロブ・ライナー監督 ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン主演 2007年作品
センスのない邦題は置いとくとして、余命半年から1年の人間の”Bucket List すなわち to do List before dies (kicks the bucket)"のお話である。あらすじは映画評に譲るとして、病室で出会った大富豪エドワード(ジャック・ニコルソン)と機械工カーター(モーガン・フリーマン)二人のBucket Listとネタばれは、以下のとおり。

  1. Witness something truly majestic 秘書のトーマスによってエベレストの山頂に二人の遺灰を入れたインスタントコーヒー缶が並べられて叶えられる。ただし、これはillegalである。
  2. Help a complete stranger for the good カーターの葬式でエドワードが弔辞を述べ、”3か月前二人はcomplete strangerだったが、いっしょに最高の最後の日々を過ごした”ということで叶えられる。
  3. Laugh untill I cry エドワードの大好きな最高級コーヒーであるKopi Luwak(インドネシアのスマトラコーヒーの一種)はコーヒーの実をジャコウネコが食べて排泄することで風味が付け加えられているという知識を、カーターが手術前にエドワードに伝える場面で叶う。
  4. Kiss the most beutiful girl in the world エドワードはけんか別れしていた離別状態の娘の子供(孫)にキスすることで叶う。カーターはやはり奥さん。
  5. Get Back in touch エドワードがけんか別れしている娘と会うようにカーターがリストに書き加えるのだが、エドワードは余計なことはするなと消してしまう。カーターの葬式のあと叶う。
  6. 以降は、スカイダイビングをする。Tatooを入れる(カーターは頑なに拒む)。ムスタングに乗ってレースをする。エジプトのピラミッドに上る。最高級レストランでキャビアを食べる(イタリアのどこか)。南アフリカのサファリでライオン狩りをする(ライオン狩りは諦めるがライフルを一発ぶっ放す)。インドのタージ・マハールを訪れる(14人目の子を産んで死んだ妃を愛する王様が建てた話をカーターが語る)。万里の長城をバイクで駆ける。エベレストを観る(悪天候で叶わないが死後叶う)。香港でシルクのスーツを仕立てる(途中で戻る)。

余命わずかな時間をコメディータッチに描きながら、人生について考えさせられる映画だった。人生の後半戦にある者としては、★★★★★

Bucket Listの旅から帰ったエドワードが会議の場で、”Have you read Divine Comedy by Dante, journey in the hell?”と突然言い出す。ダンテの神曲が英語でDivine Comedy(神の喜劇)というのを知らなかった。人生の最後をComedyタッチで描くこの映画に符合させているのか、それともエドワードとカーターの遺灰をエベレスト山頂に置くことと、ダンテが神曲の煉獄山の頂上でベアトリーチェ(ダンテの初恋の人で夭折した)に会い天国に入ることと符合させているのだろうか。

ダンテの神曲には忘れられない思い出がある。それは、高校1年の国語の授業で、教科書に”これが地獄篇の始まり”というくだりのある詩が出てきた。先生が”この地獄篇とはなんだ?”と質問したのに対し、級友のHが”ダンテの神曲です”と答えたのである。ダンテの神曲は中学の世界史に出てくるので知ってはいたが、読んでる奴がいたということに衝撃を受けた。もちろんすぐに買ってきて読んだが、訳もわからず地獄篇から煉獄編へ読みすすめ、煉獄の途中で放棄した。Hは早稲田の政経を出たあと今徳島の寺で住職をしている。

スマトラコーヒーは、スマトラのパレンバンで仕事をしていた時に地元の人間からふるまわれた味が忘れられない。粗挽きのコーヒー豆に熱湯をそそぎ豆が沈むまで待って飲むのだが、その時は習慣を知らずせっかちにコーヒーをすすり口の中が豆だらけになった。しかしその味は絶品だった。その後、インドネシアに行くたびにトラジャコーヒーなどの市販品を試したがあの味には未だ出会えないでいる。Kopi Luwakというのは知らなかったのでシンガポールで探してみよう。

エドワードの秘書トーマス(ほんとうの名はマシュー)がいい味を出している。エドワードの毒舌に負けない切り返しが見事である。

遺言について考えたことはあったけど、死んだあとの話より、遣り残しがないようにBucket Listを作らなければ。


最新の画像もっと見る