日本人は聖徳太子の時代より
寛恕と和を基調として相手を思いやることを第一として
全体の調和を第一として生きることを理想としてきた。
自分より家族 家族より家
家より主君とその全体を護る思想は拡大し
その集大成として天皇に対する尊王思想が完成した。
それは例えば水戸学としてまとめられ
西郷隆盛は「敬天愛人」を座右とするし
吉田松陰は「大和魂」と呼んだ。
しかしこの思想は拡大し最終的には敗戦により解体された。
戦後教育として平和民主主義が理想とされてきたが
これも戦後60年を経て日本人にほぼ根付いたように思える。
しかしそれが新たな問題となってきている。
神霊界からの警告とは結局のところその問題の核心を突いてきている。
理想は常に現実に裏切られる運命にあるかのごとく
いろんな理想が現実の前に敗れてきたが
今我々の前に存在するのは恐ろしいリアルである。
今回、地震と津波による福島原発事故が発生した。
今まで地元の人間には潜在的危険を背負わせて
その利益を関東圏の人間が享受してきたことが浮き彫りとなった。
そして関東圏の利益はめぐって日本全体に寄与している。
この福島の原発が承認されたのは50年前である。
老朽施設であったことは間違いない。
しかしそれを隠しながら使うしかなかった事実が存在する。
今後日本の電力はどうまかなうのか?
日本原子力産業協会JAIF作成ホームページの
『日本で建設中、計画中の原子力発電所』は現在封鎖されている。
たぶん福島原発の再開は困難だと思うが、
だからといって関東圏に代替地も見つからないだろうと思う。
当面は火力発電に戻り休眠中の火力発電所を含めフル稼働で発電することになるだろうが
それは将来設計としては継続不可能な話である。
CO2削減も含めるとガス発電という選択肢等でどれだけのロードマップを描けるのだろうか?
原子力先進国のフランスでは原発反対デモ行進が勃発している。
フランスでは第三世代原子炉のラマンヴィル(2012年稼働予定)と
パンリー(2017年稼働予定)が現在建設中である。
今回の事故の世界に対する影響は大きい。
原子力推進派のノーベル賞受賞者のアル・ゴア氏にとっても
『最も不都合な真実』となってしまった。
公共の福祉のために人権が制約されることは憲法にも述べられているが
公共の福祉のために生命の安全が脅かされることが許されるのかが問われている。
民主主義の世界では当然許されないはずである。
あと20年後の世界では世界の全ての電力を太陽光発電でまかなうことも可能である。
砂漠地帯に超大型の太陽光発電を設け高温超伝導ケーブルで世界を繋ぐ
『GENESIS計画』がある。
これは現実的な技術の範囲にある。
しかし我々工業立国の日本人はそれまで待てない。
すぐにでも大きな決断に迫られている。
ここしばらくの関東圏の電力計画停止はしかたないにしても
24H電力を必要とするような例えば半導体工場にとっては致命的である。
茨城県ひたちなか市にあるルネサスエレクトロニクス那珂事業所などは
永久に操業不能となってしまう。
急激に日本の工業が衰退する可能性が目の前にある。
今の政権にこの試練を乗り切ることは困難だと思うが
だとすると何も決められずに、
だらだらと国債を発行し続けた後に国家破綻する。
かといって民主主義的手法で原子力発電の継続は出来ない。
神霊界から突きつけられた試練である。
生命の安全を含めた人権相互の矛盾衝突を調整するための
(お金に頼らない)システム構築は
今の日本人には受け入れることが出来ないであろう。
しかし日本の歴史を見るとアポトーシス的思想を受け入れていた
時代が存在している。
しかしそれは全体主義体制に繋がってしまった。
これ以上書くことが辛くなってきたが、
世の中というものは少なからず犠牲の上に成り立ってきているし
さらに思いやりと感謝と全体のために犠牲となる勇気が求められている。
私が感じているこの神霊界の試練を回避して
科学的知恵と工夫で最大限に犠牲と被害を最小にして
乗り越えることが出来ることを切に願いそして祈っている。