『浮世の画家』・・・『浮世絵』の画家ではありません。
まだ30歳の若き時代にカズオ・イシグロが書いた小説です。
まるで昭和の時代に日本人が書いたような小説でした。
主人公の小野マスジは、小津安二郎映画のように静かにタンタンと語ります。
読み終えて、分かったような解らないような?すっきりしません。
訳者あとがきを読んで初めて少し合点しました。
翻訳家飛田重雄は次の通りに書いています。
カズオ・イシグロは『浮世の画家』と『日の名残り』で、挫折を味わった老人の孤独、
自己呵責、その克服と新しい前向きの人生の探求という、内面的葛藤のドラマをみごとに
描ききった。
その底に流れる著者の温かい人間愛は実に感動的だ。
カズオ・イシグロも翻訳家も超すごいですね~
その凄さに今度は「充たされざる者」に挑戦です。
上下巻ある長編ですが、さて読み終えるのでしょうか(*^^)v