伊藤比呂美さん
西日本新聞でお馴染の伊藤比呂美さんがサンメッセ鳥栖に登場された。
鳥栖市主催の男女共同参画フォーラムの講師として招かれた。
若い人、中年の人、老若男女で会場は立ち見が出る超満員だ。
来場者は受付に悩みを書いた用紙を投函する。
アメリカと熊本を行ったり来たりの生活の比呂美さんは、その質問の用紙を読みながら明快な答えを出していく。
さばさばとしているが詩人でもあるので読みは深いのだ。
次から次とそれぞれの悩みにやさしく明るい答えを出す。
私も人の悩みを聞くには私の悩みも言わなければと投函していた。
「さて次は貧しくなる日本を心配している60代女性ですね」と私の文章を読み始めた。
「ハンサムなのに38歳の息子は結婚しません。少子化の日本に未だ独身なのは子育てが悪かったのか悩んでいます。今さら手遅れですね」
会場が笑いに包まれ比呂美さんもユーモアたっぷりに答えられた。
「いいえ、人生は結婚だけではありません。38歳ハンサムな息子さんなんですね。おめでとうございます」の答えにドッと会場が湧いた。
深刻な悩みの中で、私の軽い質問は申し訳なかったなと思いつつ暖かい答えにホッとした。
2時間がアッという間に終了し、ロビーに比呂美さんの著書が並んでいた。
「とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起」は読んでいたので、新刊の読み解き「般若心経」を購入した。
なんにも誰にもすがらない日本人は何かにすがっていいのでは?と言われた。
比呂美さんの宗教、仏教、お経の本を読んでみよう。
買った本にサインをして下さるというので行列に並んだ。
間近な比呂美さんは魅力的な美人だった。
「ハンサムな38歳独身の母親です」と言うとあらっと笑いながら「ハンサムという言葉の文章に感じてました」と立ち上がりしっかり握手して下さった。
列に並んだ方々からも笑いが起こり「おめでとうございます」と声が掛かった。
まあ皆さま明るい方々でそれぞれ悩みはあっても楽しく豊かに生活されているのでしょうね。
兼ねてから一目逢ってみたかった比呂美さんとフレンドリーな握手もでき、心ほのぼのサイン入りの本を抱きしめ離れた駐車場に向かった。
しばる厳寒の釧路の長男に思いを馳せ、悔いのない人生をねっと願った。