乙女とは京都の外語大学の女子学生たち。
ゼミの教材に「アンネの日記」のオランダ語原文「ヘト アハテルハイス」を使う。
「ヘト アハテルハイス」とは後ろの家、日本語で「隠れ家」。
乙女たちはこの原文「ヘト アハテルハイス」を暗証しスピーチコンテストに出場する。
まだ14歳のユダヤ人、アンネ=フランクが隠れ家で綴った日記。
ドイツからオランダに移民したアンネは怯えながら2年間隠れ家で過ごす。
ユダヤ人に対する宗教の違い、考え方の違い、言葉の違いなどからの人種差別。
15歳のアンネは『どうしたらこの人類が平和になるのか。もし私が長生きすることができたら、私はこの世界と人類の平和のために働きたい』という。
ホロコースト(ヒトラー率いるナチ政権のユダヤ人大量虐殺)でアンネを含むユダヤ人600万人が死んだ。
ただユダヤ人として生まれたということだけで殺されてしまった。
京都の乙女みか子は、原文の暗記を始めるがなかな覚えきれない。
みか子が少女の頃に読んだ日本語訳の「アンネの日記」のアンネは可憐な少女である。
少女の頃の記憶とは全く違う原文のアンネをみか子は必死で暗記し記憶した。
いよいよスピーチコンテストの当日みか子は途中で記憶喪失になった。
バッハマン教授は「乙女の皆さん、アンネフランクを正しく思い出してください」と言った。
みか子は忘れたことと戦い、耳を澄ましアンネの声を聞く。
『今、わたしが一番臨むことは、戦争が終ったらオランダ人になることです!』
自分の言葉でスピーチしたみか子ははっとする。
ジルバーパウアー(隠れ家に踏み込んだナチス親衛隊の下士官)に真実を語ったのは誰か。
密告者だ!
みか子は立ち尽くす。ついに密告者の正体を知った。密告者は私だ。
真実とは乙女にとって禁断の果実だった。
「わたしは密告します。アンネ・フランクを密告します」
みか子は自分の言葉で語る。
「アンネ・フランクはユダヤ人です」
この最後の数ページは私には難解で何度も何度も読み返した
乙女たちに疑われ苦しんだみか子の密告者は誰なのか。
今の成長したみか子には密告者が誰なのか問題ない!?
no problem
重過ぎるアンネ・フランクが女子学生みか子の登場でリンクし興味深く読めた。