岩湧の森

大阪府河内長野市の岩湧山の四季の風景

夏の岩湧の花々 その1 初夏から夏へ  2022年6月~7月

2022-08-20 23:45:27 | 岩湧の森の四季の風景

初夏から夏にかけての岩湧の花々をまとめてみました。

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その1 6月から7月

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一薬草(いちやくそう)です。文字通り薬草だそうです。

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6月中旬になると 森の中や植林帯の中で 樹木の下、薄暗い場所でひっそりと咲きます。

少し前まで 岩湧の登山道のあちこちで見かけましたが 年々減り続け私の知る限り

一か所になりました。

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6月中旬を過ぎると 山頂の南斜面で 一斉に咲きだします。山焼きでも死なないのですね。

この花は秋の雰囲気ですが(季語も秋の季語、秋の七草にも入っています)初夏から真夏の花なのですね。

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照り付ける夏の日差しの中、風に揺れている桔梗を見ると 「夏が来たなあ」と思ってしまいます。

秋が来たとは思えません。

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トンボソウです。ラン科の植物です。

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近くで見ると「トンボの姿に似ているから命名された」と言うのがよく分かります。

この花も年々減り続け、今は一か所しか分かりません。

数年前に「見晴らしの道」の人に踏まれそうな場所に生えていたので 踏まれないように丸太を集めて

囲い 花壇のようにしたのですが 誰かがそれが気に食わないと、丸太も取り除かれてトンボソウも引きちぎ

られていました。希少な山野草の保護も難しいですね。

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蛍袋(ほたるぶくろ)です。この中にホタルが入り 光ると幻想的な雰囲気でしょうね。

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河原撫子(かわらなでしこ)です。昔から大和撫子とか撫子ジャパンと 日本で親しまれてきました。

単に撫子と言えば この河原撫子を言うそうです。「撫で」とは愛撫したくなるほどかわいらしい

という意味だそうです。

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岡虎の尾です。虎の尻尾に似ているので 名前はすぐ分かります。

海藻の仲間の「海虎の尾」と区別するために 「岡」とついたそうです。

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蔓蟻通し(つるありどおし)はアカネ科の低木蟻通しのつる性の植物という意味だそうです。

一つの茎に二輪ずつ花を付け、赤い実をつけます。この植物の別名が一両というのだそうです。

「千両」や「万両」などと共に おめでたい植物のなかまだそうです。

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鳥足升麻(とりあししょうま) 升麻とは漢方薬のことだそうです。

赤升麻とか山吹升麻と非常に似ています。ただ赤升麻は もう少し花が太く枝分かれが少ないような

気がします。

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朱鷺草です。絶滅危惧種の朱鷺草(ときそう)の仲間だそうです。この花はすこしずつ増えてきました。

登坂道わきに無造作に生えています。どうか盗掘されませんように。

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6月に入ると登山道のあちこちで「山アジサイ」が咲き始めます。この花は湿地帯を好むそうですが

岩湧の登山道の「きゅうさかのみち」、「いわわきのみち」、「行者の道」などほとんどで見かけます。

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急坂の道で見つけました。ガクのない小紫陽花(こあじさい)です。

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立浪草(たつなみそう)です。少し前まで 岩湧の登山道に沢山咲いていました。

特にダイトレ東峰付近の群落は見事でした。しかし今はほとんど消えました。

浮世絵の波頭に似た姿と言うのが名前の由来だそうで 優雅な名前ですね。

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ダイトレの急登丸太階段に咲いていた立浪草です。今にも踏まれそうです。

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6月と言えばやはり笹百合です。

10年ほど前に ダイトレや山頂付近で 笹百合の球根を植えている方にお会いしました。

私がほとんど毎日この山を歩いているというと「それなら手伝ってください」と言い 球根をどっさり

いただきました。家の庭に球根を植えれば球根が増えるので それも岩湧に植えてください。

と言われて家の庭に少し植えたのですが あくる年に小さくてしょぼい花が一輪だけ開き後は花が咲かず

ほとんど枯れてしまいました。笹百合と言うぐらいだから やはり笹とかススキの多いところが

生育適地なのでしょうね。適度な日当たりとか酸性土壌とか難しい条件があるようです。

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山頂付近にはこのような濃いピンクの花も咲きます。

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その2へ続く

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夏の岩湧の花々 その2 盛夏  2022年7月~8月

2022-08-19 11:29:20 | 岩湧の森の四季の風景

その2 7月から8月

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7月半ばになると山のあちこちで姥百合(うばゆり)が咲きます。

花の見頃が終わったころ(女として見頃が終わったころ)葉が落ちる(歯が落ちる)と言うことで老女をさす

姥の字が当てられたそうです。

よくこんな下品な名前を考え着きますね。

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山アジサイは8月になっても山道のあちこちで咲いています。

暑い夏にこの花を見ると 梅雨を思い出して涼しくなるからいいですね。

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夏の花と言えば この小鬼百合です。

山のふもとの林道にもこの花が咲きますが そのほとんどが鬼百合です。花の形は同じですが

葉の付け根に黒いムカゴがあるのが鬼百合で 山頂に生える小鬼百合には ムカゴがありません。

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山頂の日当たりの良い場所に咲くこの花が風に揺れているのを見ると真夏の感じがしてきます。

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7月終わりになると山のあちこちで 山路の杜鵑(ほととぎす)です。昔はお盆のころの花だったような

気がしますが 今は7月下旬でもう咲きだします。

この花の斑点が ホトトギスの胸の斑点に似ているからだそうです。私は見たことがないので

分かりませんが。

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8月になると山頂のススキの茂みの中に咲くのが 南蛮煙管(なんばんぎせる)です。

南蛮渡来の煙管(きせる)に形がにているそうです。ススキなどの植物の根から直接栄養分をもらって生きている

寄生植物で 自らは光合成をしません。

毎年同じ場所に咲くので 見つけやすかったのですが これも年々減ってきています。

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ヤマユリです。大きくて白いのでとてもよく目立ちます。

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狐のカミソリ。山のあちこちにさきます。名前は芽吹いた頃の葉の形に由来するそうです。

それがなぜ狐なのか分かりませんが。ちなみにタヌキのカミソリと言う花もあるそうです。

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高砂百合 これは台湾原産の帰化植物です。沖縄の言葉で台湾をさすのが高砂だそうです。

繁殖力が大せいで山のあちこちに咲き、林道の路肩にも咲いています。

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蔓竜胆(つるりんどう)。蔓性のリンドウで 林の中の薄暗い場所に咲きます。

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野萓草(のかんぞう) 鮮やかなオレンジ色で咲くのでよく目立ちます。別名は忘れな草です。

ニッコウキスゲと同じ仲間だそうです。よく似ていますね。

この花が八重になったのが藪萓草(やぶかんぞう)です。

名前の由来は この美しい花を見ているとものをも忘れてしまう という故事にちなむ漢名だそうです。

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葉場山火口(はばやまぼくち) 火口(ぼくち)とは火打石をこすりこの花の綿毛に移して火を起こした

発火剤の事で 葉場山とは 昔の村落で薪や萱などの屋根ふき材料を共同で刈り取る場所を

葉場山と呼んだらしいのです。

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節黒仙翁(ふしぐろせんのお)  暗い森の中や日陰に咲きます。支那から観賞用に輸入した(仙翁)センノオ

に花が似ていて 茎の節が黒いから名づけられたそうです。

普通は花の直径は4~5センチなのですが 私が爺が岳登山口付近で見かけた奴は8センチくらいある

大きな奴でした。

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ねじり花 又は ネジバナ  文字通り花がねじれたように咲くから名前がつ付けられました。

山のあちこちに咲いていますが 我が家の前の道路側溝にも咲きます。

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釣り舟草(つりふねそう) 花の形が 帆掛け船に似ているから名づけられたそうですが 私には帆掛け船と

言うよりは ラッパにしか見えませんが。

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屁糞蔓(へくそかずら) これも素晴らしく下品な名前ですね。臭いものの代表として屁と糞ょ持ってきたようですが

花は匂いません。実をすりつぶしたときに匂うそうです。やってみる気になりませんが。

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8月になると岩湧寺周辺では この秋海棠が咲き始めます。そしてお盆過ぎには満開になり

沢山のカメラマンがやってきます。海棠の花に似て秋に咲くので この名がついたといわれますが

我が家の庭の海童はバラ科の桜でとても似ていません。我が家の庭に咲いているベゴニアにそっくりです。

この植物はベゴニアの仲間なのでしょう。

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清澄擬宝珠(きよすみぎぼうし)  房総半島の清澄山で最初に見つかったことで名前が付くそうですが

北海道から本州と広く分布しているそうです。山のあちこちで夏の終わりころに見かけます。

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おわり

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