怒りのブログ

憤りを言葉にせずになんとしようか。

NHKスペシャル「学校ってなんですか?」その2

2007-03-21 23:48:45 | 教育
放映終了。

伊吹文科省大臣は微妙ではあったが、収穫のある発言をしていた。
大意のみ以下。

プラスに評価したいのは、
「総合的な学習への一定評価」(どの程度かはわからないが、現状を尊重しているようだ。ただ、英語などの施策導入の受け皿と考えたり、暗に20年の歩みの肯定の踏み台にするだけならどうか・・・)
「週6日制度に戻すかどうかは結局は税制の問題も絡む。」(そういう方向性も考えているのね。それだけのことだけれど)
「事務員を増員するのも方向性の一つ」(これは校長のための手だてかもしれない。もう一息踏み込んでほしい。教師を増員するよと。)
「学校選択制を全国に広めるべきとは言っていない。私は慎重な考えだ。」(ふうん。でも、広がりを見せているのだよ。)

マイナスは、
「この20年の教育改革は試行錯誤」(間違いと言えないのは立場のせい?藤田教授は間違いと言っているよ。)
「給与カットはどうかと思うが、給与はメリハリが必要」(評価制度について、競争原理について、あれだけ批判が出されているのに、どう考えているのだろうか。わからない。)
「国は1/3しか予算で関われない」(地方への責任転嫁をしている。)
「選挙で首長を、学校評価で校長を、ちゃんと評価するのは地域の責任」(これも責任転嫁。有権者を暗に批難しているように聞こえる。)
「教育施策がおりてペーパーワークが増えるというのはマイナス思考で、子ども達のためになる施策なのだから、それを理由に子ども達と向き合えないというのはダメ」(結局、20年を間違いだと言えないわけはここにありそう。)
「国も努力するが、教員も努力せよ」(お前もな!ってのはまずいだろ。努力しているよって話をしている流れを無視している。)

兎に角、藤田先生が出ていてよかった。
まとめも教員の多忙感の原因の一つが、無用な施策による事務処理はあがった。
校長や首長の無責任も藤原が出すことができた。

教育再生会議がいかにおかしい方針を出しているかということもわかる番組だったと思う。

ただ、伊吹文科省大臣がところどころでつぶやいていた、
「安倍首相がどう判断するか・・・。」

やっぱりこれなんだよな。
教育再生会議が勢いづくのは、安倍のせいなんだよ。
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NHKスペシャル「学校ってなんですか?」その1

2007-03-21 21:32:32 | 教育
NHKスペシャル「学校ってなんですか?」の第一部が放映終了。

見入ってしまったので予告編的に書き込みをする。

さて、番組は風評によらずにガチンコで臨んでいる意気込みを感じる。

第一部の主体は三校の現場紹介。

一つ目は中学校で、「学校選択制」。東京都の例。公立の性急な選択制導入による学校の地域性の崩壊が目の当たりにされている。
二つ目は小学校で、「経済格差社会の影響」。兵庫県の例。志水研のデータがところどころに引用されていた。
さもありなん。
三つ目は中学校で、「これまでの教育改革の影響」。福島県の例。教師の多忙感というより多忙の事実が浮き彫りになっている。

第二部では伊吹文科省大臣を交えての生討論になるのだが、意見の拡散具合では、インパクトが薄いものになるから時間不足が心配だ。

また、伊吹が如何にお役所的な玉虫色の回答をするかで、この番組の成果は問われるだろう。
彼にそんな具体的かつ分析的な提言、発言が出るとは思えないが、
(せいぜい「教育再生会議で考えます。」とか「中教審があります。」程度だったり、教委改革に突っ込んできたら最悪。)
果たして、教育再生会議よりも実直で実感のこもった正論が、討論への参加者から出るのであろうか?

あまり期待せずに見てみよう。

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乙武さん、小学校の先生に

2007-03-21 08:33:25 | 教育
結局、ゲストティーチャーなのね。

どういうコンセンサスを得られるのかだけ気がかりというところ。

参考:アグレッシブ(3/20拙ブログ)

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「五体不満足」乙武さん、小学校の先生に…東京・杉並(読売新聞) - goo ニュース2007年3月20日(火)21:20
 東京都杉並区教育委員会は20日、「五体不満足」の著者でスポーツライターの乙武洋匡さん(30)を、4月から区独自の教員に採用すると発表した。
 区教委の記者会見に同席した乙武さんは、「重い責任に心が引き締まる思い。子供たちには、『みんな違っていていいんだよ』ということを伝えていきたい」と意欲を語った。

 同区には、知識や経験を持つ民間人を任期付き職員として採用できる条例があり、これを今月改正して教員にも適用範囲を広げた。乙武さんは区立杉並第四小学校に配属され、5、6年生の授業で「チームティーチング」に加わり、担任教師をサポートする。常勤で、任期は3年。区教委では「乙武さんが経験や生き様を語りながら指導することで、子供たちの成長を促したい」と説明している。

東京都知事選挙その1

2007-03-21 08:11:43 | 戯言
またそのうちに言及することもあるだろうと思って「その1」。

今、五輪誘致は確かに石原のイメージの1番にあがることだろう。
問題含みなのはわかるし、「公共事業でなんとか・・・。」というのは、石原の湾岸事業の失策を補ってあまりあるものなのかもしれないという点で恣意的で見通しが甘そうだ。

でも、そこだけが都民の苦しみなのではない。

築地市場の件に関しても、なぜ移転を強要されているのか?
現場はどうなのか?
移転がとやかく言われてからでも、何年も全然やってこれているのが築地だ。

土壌汚染の問題は、汚染問題的にはここ10年の話だが、たいへん重要な問題だ。
大気や水質の方はよく知られているが、土壌は周知されているとはいえない部分がある。
解決策もいろいろな課題を抱えている。

石原にとっては明白な失策だから、ここをつくのは当然の戦略だろう。

浅野史郎のマニフェストはこちら。

吉田万三はふれていないかな?
黒川紀章はふれていないかな?

ポピュリズムの旗手のイシハラに対する実質評価がマニュフェスと合戦で100%できるとは思えないが、まあ、きっかけの一つに。
あくまで「打倒石原」による票割れ(による「結果石原」)は避けたいものだ。

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五輪誘致「全面的に見直し」 浅野氏がマニフェスト公表(朝日新聞) - goo ニュース2007年3月20日(火)12:05

 東京都知事選に立候補を予定している前宮城県知事の浅野史郎氏(59)が20日、改訂したマニフェストを公表した。「五輪招致の全面的な見直し」を掲げ、これまでより反対色を強めた。招致を進める石原慎太郎知事(74)を「結論ありきで都民を置き去りにしている」と批判。都民の賛同が得られなければ、9月に予定される国際オリンピック委員会への立候補申請を取りやめるとした。

 浅野氏は新たなマニフェストで、「五輪開催を起爆剤に道路などの整備を進めようとしているが、適切な情報が公開されず、都民に十分な説明がない」と指摘。招致見直しチームを立ち上げて費用や環境への負荷を早急に調査するという。

 また、五輪開催時にメディアセンターを新設する予定の築地市場(中央区)についても、江東区豊洲地区への移転を「住民や関係者の同意が得られていない。移転先の土壌汚染問題もある」と正式に反対を表明した。

大学卒業に認定試験

2007-03-21 06:58:35 | 教育
>出席委員から「極端に言えば九九が出来なくても大学に入れる」などと、大学生の学力低下を懸念

アホか?
ならば入試制度の改革が先だろうに。

まずは自分たちの大学時代を考えて欲しいものだ。
大学というのは自主自立が基本のように思うのだが。

こういう受け狙いみえみえの施策を本当に強行しそうなのでこわい。

大学に事務処理を増やすわけで、足腰の弱っている法人化した国立大学はたいへんだろう。
また、教官一人当たりの学生数の多い私立もどうなるのだろう。
試験のレベルなどの設定も問題になりそうだ。

これ以前に、入学試験全廃でもあるのならわかるが、負担を増やすシステムにしてもダメだろう。
第一、大学教育に対し、一律に文科省なりがこういった指導をする形にするのはどうなのだろう?
大学に対する国の関与や管理統制の足がかりの一つが増えるようで怖い。

また、この先に見える格差社会や序列社会が怖い。
就職試験代わりにも使われるのではないだろうか?

そんなことに配慮する細案が出されても、割れ鍋に綴じ蓋だろう。
こういうアンバランスなものをもってくるだけで「教育再生会議」というのは狂気性を帯びている。

早く潰そう。「教育再生会議」。

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大学卒業に認定試験、教育再生会議分科会が検討で一致(読売新聞) - goo ニュース2007年3月21日(水)02:14
 政府の教育再生会議の第3分科会(教育再生)は20日の会合で、大学の学部教育の質を担保するため、卒業時の認定試験の導入を検討することで一致した。
 分野別に試験を実施し、試験結果を基に大学が卒業を認定する仕組みを想定している。5月の第2次報告に盛り込みたい考えだ。

 会合では、出席委員から「極端に言えば九九が出来なくても大学に入れる」などと、大学生の学力低下を懸念する声が相次ぎ、4年間の学部卒業時に何らかの認定試験を設ける必要性で大筋合意したという。

 また、学部教育での〈1〉到達目標の設定〈2〉成績評価の厳格化〈3〉語学や文章作成力など各学部共通の基礎教育の充実――なども検討する。学部教育を充実させ、より高度で専門的な人材を育成する大学院教育につなげるのが狙いだ。

教育問題の卒業

2007-03-21 06:41:28 | 教育
いわゆる「ゆとり」批難が続いている。
「批判」ではなく「批難」ないしは「否定」。

「ゆとり」=「週5日制」というハズれた議論はさておき、「ゆとり」の評価については冷静な言説が見えにくい状況なのも気がかりだが、「ゆとり」が失敗だったというイメージのみが先行していると、その影に隠れる失策を見過ごす事になる。

例えばT.T.。
その方法や効果の研究が続いていない。下手をすると、その為の人員を確保することも暗に断られる。

例えば生活科。
小学校理科教育における、カリキュラム半減の大きな原因の一つ。

例えば情報教育。
スキル学習と発展学習の混在。その運用に対する実質的な指導力向上の困難。ハード未整備。

例えば新学力感。
評価がなされていない。関心・意欲・態度はA評定でも、他はC評定の子どもというのは真に救われているのか?

これらは各論的なのかもしれないが、指導要領の改訂に深く関わり、現在、疑問があっても無批判に進行しているものであったり、実質的に影が薄くなってしまったりしているものだから問題の切り口としてアリだと私は思う。

総合的な学習の時間、英語教育、食育、特別支援教育、学力テスト。
今までのものも、これからにものも、さまざまなものがまな板の上にのるべきなのだが、そういったものは「どうなるの?」と見つめる人がいても、時間によって流れていってしまう。

「卒業」という時間の流れである。

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教育は経済活動でもあるから、食い物にする輩の思惑が絡んでいたり、予算削減の憂き目にあって仕方なくというのは理由なのかもしれないけれど、ならば、できるところから、確実なところからやるべきだと思うのだが。

なんにつけ6年たつと人が入れ替わってしまう小学校の教育では、親からの批判というのは実はそれほど期待できない。
瞬間風速だからだ。
また、今や、現場の人員も瞬間風速なので、降りて来る施策は事務的に処理されやすくなっている。

だから、教育施策の各論などは、「卒業」のこの時期を境に隠滅してしまうものたちである。

世界史未履修だ!書写未履修だ!と叫ぶのは勝手だが、それは事務処理の穴を見つけたに過ぎず、その構造的な部分や施策の問題点をついているわけではないのである。
不遜な言い方で逆説的に表現すると、事務屋である現場教員にとっては、事務処理が増えるのでうんざりなのである。
そして、それはそのうち卒業していってくれるとも思うのである。

もう少し教育屋として育てて欲しいものである。