熊澤良尊の将棋駒三昧

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続き2

2010-09-21 22:59:42 | 文章
2、「キリガネ」の内、盤に採用されているのは、「截金」です。
つまり、ごく薄い金箔を接着剤と熱でくっつけ合わせてやや分厚くして、それを葵の紋の形やハート形に切り出したものを、盤や駒箱に貼り付けてあるのですが、問題はその接着剤です。
「キリガネ」に関して、伝手を頼って京都など「キリガネ」に関係がある複数人と話をする中で、「ニカワ」「卵白」「フノリ」という言葉がでてきます。
それは箔同士を張り合わせる接着剤であり、「熱」を加えてシッカリした厚みに重ね合わすわけですが、接着剤は人によって使っているものや使い方が違い、「○秘」事項であるようです。
イズレニシテモ、それら接着に使う「ノリ」は、100年か150年そこそこで劣化するわけです。
(江戸時代末期か明治初期に造られた彫り駒の漆が、ちょっと触るとポロっととれるのは、目ど目に使ったニカワが劣化して接着力が無くなったため。それと同じ)
接着力が低下した「截金」の金箔でも、擦ったりしなければ、少しは長持ちはします。

「截金」で作られている家紋は、盤と駒箱を合わせると全部で5つ。
劣化は基本的に同時並行しますが、駒箱のそれは人の手や着物に触れることが少なかったので、たまたま一番傷みが少いということ。
一方、盤のそれは傷みが進んでいるのは、重たい盤を持つたびに人の手や体に触れやすく、着物に触ったりしてその度に劣化が進んだ。そう考えるのが合理的です。

小生が初めてみた2年前にも「家紋」の傷みはありました。
テレビではことさらにその部分の傷みを強調していましたが、その傷みはさておいて、盤全体として立派な大名道具であることに目配りが及ばなかったのは、残念としかいいようがありません。

(チョッと眠くなりました。今日はこれまで。続きはまた。
 明日からは、チョッと遠方へ出かけます。少し飛ぶかもしれません。あしからず。
 では、また)
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