演劇知

劇的考察譚

電動夏子安置システム「君には頭がさがる」とは

2012-02-24 00:07:01 | Weblog


電動夏子安置システム
第26回本公
#026【君には頭がさがる】
【日程】
2012年2月23日~28日
【会場】
池袋シアターグリーンBASE THEATRE




兄さん劇団の芝居。やはり観に行った多少婦人山本主宰が分析して曰く


京極夏彦だ


と。


村芝居。シチュエーション芝居を手法とし、1つの場所を基礎として行われる電夏芝居。今回は次々と場所が移っていく。場転の切り替えが素晴らしく早いな、小説を読んでいるみたいだなと思っていたところ、映画のカットバックを表現していたとのことで納得。

いつもの複雑なロジカルさ、ルール、不条理なシステムよりもストーリーの展開に重きを置いていたように見え、なんとなく電夏初期を思い出す。近年見始めたお客様には物足りないと思われるかもしれず、初めてみたお客様には入り易く、昔から見ているお客様には懐かしいと思われる、そんな芝居。

役者澤村の引退試合でもあった。ロングブレスでおなじみの美木良介張りの鍛え上げられたその肉体を見せつけ、言葉では全く表現出来ない奇怪なくねくねを見せてくれた。久し振りに腹から笑った。愛すべき澤ちゃん。


最後のどんでん返しを3つ4つ置いてくるのは流石竹田氏。


評価で「幽霊の正体、見せ方、村の人間の反応」が取り上げられていたが、作り手は小説的なミスリード、事実の発覚を狙っていると思われ、また今回の芝居で観せたいところはその事実ではないので、そこまで目くじら立てずに「そういうものなんだ」とスッと腑に落とせばよいのでは、などと思う。
個人的には幽霊の扱いが発覚してから一同が集い、小原さん演じる里見がその事実を突きつけた時の、村人一人一人の目線が好きだ。

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