自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

牡蠣

2009年10月06日 | Weblog
 そろそろ牡蠣の季節だ。僕は牡蠣をよく食する。旧職場の食堂で昼食に牡蠣フライ定食を食べて、帰宅して夕食にまた偶然にも牡蠣フライということもあった。それでも全く飽きない。と言っても、そんなに何度も牡蠣フライを食べる訳ではない。
 牡蠣は世界中で食べられているそうで、ローマ帝国時代に既に養殖されていたという。「 r のつく月の牡蠣を食せ」という言い伝えがある。英語の月名に r がつく秋冬になると、牡蠣のグリコーゲンや各種のアミノ酸が増えて旨みが増すからだそうだ。
 牡蠣はその栄養価の高さから、周知のように「海のミルク」とも呼ばれる。牛乳より高タンパク・低脂肪で、鉄分やビタミンも多い。また亜鉛の含有量も飛びぬけて多い。亜鉛は抜け毛や肌のかさつきの予防に効果があるそうだ。血中コレステロールを下げ、高血圧を予防するタウリンも多いそうだ。各種ビタミンの含有量も多い。
 生牡蠣を食べるのが一番栄養をとれるそうだが、僕はどうも生牡蠣は苦手である。食べないことはないのだが、やはりフライにして少量の塩で食べるのが好きである。
 それにしても、カキは牡蠣と、何故こんな難しい漢字を当てるのだろうか。。『大辞林』で調べたが要領を得ない。参考までに「かき」の項を引用しておく。
 「イタボガキ科の二枚貝の総称。左殻はよく膨らんで海中の岩などに付着し、右殻は割合に平らでふたのようになる。殻の表面には薄い板状の生長脈が発達する。肉は美味で、各地で盛んに養殖が行われる。食用とする主な種類にマガキ、イタボガキ、スミノエガキなどがある。殻は肥料や養鶏飼料とする。」
 カキは何故「牡蠣」なのか、分からぬ。
 当然のことではあるが、分からないことの方が圧倒的に多い、のである。

(編輯狂さーーん、カキに何故「牡蠣」を当てるの?)

2 コメント

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牡蠣解字 (編輯狂)
2009-10-06 20:01:26
牡蠣(ボレイ)は漢名。蠣でカキを表すが、なぜか牡が付いた。全身が白子のようであるためか、生殖腺が一律に見えるためか、総じて雄と解されたからという。マガキの場合、実際は性転換をする雌雄同体であり、肉眼ではいずれか判別できない。しかし本草綱目には「牝蠣」についての記述もある。一方、牡丹と同様、牡は雄でないとする説もある。蠣字を解けば、虫が形(意符)、が声(音符)だが、このレイ音にくっつく意やごつごつした意を認めて、岩壁に付着する、乃至ごつごつとした殻をかぶった貝として会意形声と釈するものがある。古代中国では虫は昆虫に限らない。小生物一般を指すほか、人類も裸蟲と称された。例:蛇・蝮・蛟・蝟・蝙蝠やら、水棲の蜆・蛤・蚌・蛸・蟹・蝦・蟇やら。日本では虫偏がなじまなかったのか、奈良時代には「礪」でカキと読ませたこともあり、中世には石に付いた花と見立てて「石花」と書かれるようになり、それが近世には合字化して「硴」という国字を生じて山口県や九州各地の地名に遺っている。同様の例として、単なる食用でしかなかった中国の「蝦」が日本人の心性に合わなかったのだろう。日本では、ひげが生え、腰の曲がった姿を海の翁として捉え、長寿の象徴、また武勇や無病息災の縁起物として、古くから「海老」の熟字訓を用いる。他の一字訓と同様、これを単字として正格化しようという働きのもと、・螧・蛯といった字が我が国で生まれた。
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さーすが!!! (理方)
2009-10-06 21:36:39
編輯狂さん、さすが字の専門家。微にいり細にいった講釈、恐れ入りました。
牡蠣という字の成り立ちと意味、畢竟するに分ったような分らないような気分です。
しかしながら、これだけの解字、他では類を見ないでしょう。衷心より御礼申し上げます。
また、お訊ねすることがあると思います。その節はよろしくお願い致します。

編輯狂さんから自発的に掲示板に投稿して頂ければ、幸いです。皆様、編輯狂さんの博覧強記をお待ちだと思います。
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